ご存知のように、FANTAS funding(ファンタスファンディング)は、1万円からプロが選定した不動産に投資サービスです。
通常の不動産だけでなく、社会問題となっている「空き家」を再生させるプロジェクトファンドの取扱もあります。
FANTAS fundingを含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。
「FANTAS fundingを検討中だけど、元本割れがコワいから躊躇している」という方もいるのでは。
元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。
大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。
本記事では、FANTAS fundingのファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。
FANTAS fundingに対する不安を少しでも和らげていただけたら、幸いです。
更新履歴
- 全体をアップデートしました。[2024.11.23]
元本割れリスクに関わる優先劣後出資方式とは?
FANTAS fundingは、元本割れリスクの低減のため、優先劣後出資方式を採用しています。
[出典:FANTAS funding]
簡単に言うと、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社等(劣後出資者)の両者からお金を集め、収益分配や元本償還に優先順位をつける仕組みです。
劣後出資者が売却損を先に負担することになるので、仮に物件の売却価格が想定価格を下回っても、優先出資は元本割れしにくいことになります。
つまり、劣後出資割合が高い方が元本割れしにくくなります。
優先劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。
FANTAS fundingの過去30ファンドでは、劣後出資割合は15.0%~20.0%で、中央値は20.0%でした。
ファンド名 | 優先出資割合 | 劣後出資割合 |
FANTAS check PJ第179号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS repro AP PJ第4号 | 85.0% | 20.0% |
FANTAS repro AP PJ第3号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS repro AP PJ第2号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS repro AP PJ第1号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第176号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第196号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第197号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第195号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第194号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第178号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第175号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第174号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第193号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第169号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第173号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第172号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第170号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第168号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第192号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第167号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第171号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第166号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第165号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第164号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第163号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第190号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第189号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第188号 | 80.0% | 20.0% |
FANTAS check PJ第187号 | 80.0% | 20.0% |
最小値 | 80.0% | 20.0% |
最大値 | 85.0% | 20.0% |
中央値 | 80.0% | 20.0% |
平均値 | 80.2% | 20.0% |
優先劣後出資割合は、会員登録済みの場合、以下の方法で確認できます。
1.FANTAS fundingにアクセスし、該当ファンドページを選択します。
2.募集中のファンドにおいて、「成立前書面(PDF)」を開きます。
4.「出資に関する事項」の欄に、劣後出資額が記載されています。
このファンドでは、総出資額3,000万円のうち、劣後出資額が600万円(20%)であることがわかります。
FANTAS fundingのファンドが元本割れするケース
どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。
結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。
「FANTAS check PJ 第63号」を例に、元本償還シミュレーションを作成しました。
本ファンドの概要は、次の通りです。
- 出資総額:3,000万円
- 募集金額(優先出資額):600万円
- 想定運用期間:12ヶ月
- 想定利回り:3.0%
- 優先・劣後出資割合:80%・20%
例①~③のケースで見ていきましょう。
例①は、運用終了時点で「物件を3,200万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の3,000万円を超えています。
あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益は、出資者の利益になります。
例②は、運用終了時点で「物件を2,700万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の3,000万円を下回っています。損失が300万円です。
ここで、優先劣後出資方式のメリットが作用します。
損失は、劣後出資額(運営会社側)から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。
例③は、運用終了時点で「物件を2,200万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の3,000万円を下回っています。損失が800万円です。
ここでも、優先劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(運営会社側)から補填されます。
しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の600万円を上回っています。600万円-800万円=200万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。
計算上は、-200万円/2400万円×100%=-8.33%に減ると推測できます。例えば、1万円投資していれば、9,167円戻ってくる計算です。
簡単にまとめると、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
FANTAS fundingでは、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。
その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、分配金が少なくなります。
まとめ
FANTAS fundingでは、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。
これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。
それぞれのファンドで、リスクとリターンが異なりますので、詳しくは公式ページをご覧ください。
その他、FANTAS fundingに関するトピックスは、「FANTAS fundingとは?始める前に知って下さい!」でまとめていますので、ご覧ください。
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