ご存知のように、ideco(イデコ)は、自営業、会社員、公務員、主婦(主夫)の方が、節税しながら自分年金を作れる制度です。
楽天証券でidecoを始めたけど、「どういう基準でファンドを選べばよいの?」、「30代にはどの商品がおすすめなの?」と思っていませんか。
そのようなあなたのために、30代のファンド選びのポイント、楽天証券idecoのおすすめ商品を紹介します。
ファンド選びの参考にしていただければ、幸いです。
更新履歴
- 最新情報をもとにアップデートしました。[2022.1.23]
30代のファンド選びのポイント
一般にidecoでの資産運用は、お金を増やす「資産形成期」とお金を守る「資産安定期」に分けられます。
解約の10年前くらいが資産安定期に切り替えるタイミングです。
資産形成期では、期待リターンが高い「リスク性資産」の配分比率を高めると良いとされています。
リスク性資産とは、次の6資産です。
- 国内株式
- 国内リート
- 先進国株式
- 先進国リート
- 新興国株式
- 新興国債券
これらの配分を多めにし、年5%前後を狙っていきます。
一方、資産安定期では、変動リスクが低い「安定資産」の配分比率を高めると良いとされています。
安定資産は、次の2資産です。
- 国内債券
- 先進国債券(為替ヘッジ有り)
これらの配分を多めにし、年2%前後を狙い、増やした資産を物価上昇に負けないように守ります。
あなたが今30歳だと仮定すると、おおよそ50歳までが資産形成期、51歳~60歳までが資産安定期に該当します。
資産形成期である30代のファンド選びのポイントは、次の2つです。
- 国際分散投資であること
- リバランスが不要であること
30代は資産形成期なので、大きく成長させるためにも、「リスク性資産」を含めましょう。
ポイントは、どの国に投資するかです。これから数十年後、どの国が成長するかわかりません。
そのため、全世界の経済成長の恩恵を受けるために、国際分散投資できるファンドをおすすめします。
国際分散投資とは、「株式や債券市場の時価総額の比率に合わせて投資すること」で、最も中立的な投資と言われています。
株式市場の時価総額の比率は、「MSCI・オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI-ACWI)」という指標から、おおよそ判断できます。
直近の時価総額の比率は、次の通りです。[2021.12.31時点]
全世界の成長を取り入れられるように、上記の比率に近いファンドを選びましょう。
また、30代は仕事に、家庭にと何かと忙しくなります。
そのため、リバランスが不要なファンドをおすすめします。
リバランスとは、資産配分を調整することです。例えば、6本の投資信託に、次のような資産配分で投資していたとしましょう。
- 先進国株式:30%
- 国内株式:10%
- 新興国株式:10%
- 先進国債券:30%
- 国内債券:10%
- 新興国債券:10%
配分を決めても、時間と共にそのバランスは崩れてきます。
金額配分だけ決めて、積立し続けるという戦略なら良いです。しかし、リバランスした方が、リスク(価格の変動幅)とリターンを想定しやすいです。
リバランスを自分でやれなくはないですが、正直面倒くさいです。できる限り、資産運用の手間を省くため、リバランスが不要なファンドをおすすめします。
楽天証券idecoでおすすめ商品は?
国際分散投資でき、リバランスが不要なファンドで、おすすめ商品は次の4本です。
- 楽天・全世界株式インデックスファンド
- セゾン・資産形成の達人ファンド
- iTrust 世界株式
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
iTrust 世界株式は、楽天証券idecoの分類では海外株式ですが、日本及び新興国株式にも投資されているため、ここで国際分散投資の一つとして含めました。
各ファンドについて、次の4点を比較しましょう。
- 投資方針
- 信託報酬
- リターンと積立シミュレーション
- 純資産総額
運用方針は、「どの国に、どの株(もしくは債券)を、どれくらいの割合で、どんな思想で」ということです。
信託報酬とは、ファンドを運用中にかかる費用です。
保有金額×1%/年などとファンドごとに決まっています。
リターンは、ファンドの損益のことです。
+3%/年とか-3%/年で表示されます。
純資産は、そのファンドが持っているすべての資産額です。
この金額が、なぜ重要かというと、会社の売上になるからです。
例えば、1000億円の資金のファンドで、1%の信託報酬の場合、1年で投信会社(販売会社も含む)に入る金額は、10億円です。
この10億円は売上に相当し、経費や社員のお給料になるわけです。何本も投資信託を運用している会社で累計で金額が大きければ、ビジネスはやっていけます。
しかし、この純資産が小さすぎると、ビジネスと成立できずに最悪のケース払い戻しを受ける可能性があるので確認しましょう。
おすすめ商品の比較
運用方針の比較
運用方針は、目論見書から確認できます。
また、楽天証券ideco取扱商品一覧の「選定理由」の部分も参考になります。
[出典:楽天証券]
楽天・全世界株式インデックスファンド
楽天・全世界株式インデックスファンドの投資方針は、次の通りです。
「楽天・全世界株式インデックス・マザーファンド」を通じ、主として「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に投資する。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)(FTSE-GAI)に連動する投資成果を目指す。原則、為替ヘッジは行わない。
[出典:目論見書]
FTSE-GAIという指標に連動するインデックスファンドです。全世界の株式100%に投資しています。
「為替ヘッジは行わない(為替ヘッジなし)」とは、円安(1外貨あたり100円→120円)になると、基準価額が上昇(プラスリターン要因)します。
一方、円高(120円→100円)になると、基準価額が下落(マイナスリターン要因)します。
セゾン・資産形成の達人ファンド
セゾン達人の運用方針は、次の通りです。
- 株式に投資
- 国際分散投資
- アクティブファンドに投資
- 原則として、為替ヘッジは行いません
[出典:セゾン資産形成の達人ファンド目論見書]
国際分散投資の代表的なアクティブファンドです。MSCI-ACWIを参考指標に、全世界の株式に100%投資しています。
iTrust 世界株式
iTrust 世界株式の投資方針は、次の通りです。
- 世界的にブランド名が知られているうえに、強力なマーケティング・販売網を構築していることにより、高い競争優位性をもつグローバル優良企業の株式に投資します。
- 個別企業分析にあたっては、ピクテ・グループの企業調査情報の提供を受け、ボトムアップ・アプローチを重視した運用を行います。
- 通貨・地域分散を考慮してポートフォリオを構築します。
- 主に先進国に投資しますが、新興成長国に投資することもあります。
- 実質組入外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いません。ただし、為替ヘッジが必要と判断した場合は為替ヘッジを行うことがあります。
[出典:ピクテ投信「iTrust 世界株式」]
60~80銘柄の個別銘柄に厳選投資するアクティブファンドです。MSCI World Indexを参考指標に、全世界の株式に100%投資しています。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
セゾンバランスの運用方針は、次の通りです。
- 資産配分比率は株式50%、債券50%
- 国際分散投資
- 低コストのインデックスファンドに投資
- 原則として、為替ヘッジは行いません
先に紹介した3つ商品は、株式100%でしたが、こちらは債券50%を含む、バランス型アクティブファンドです。
信託報酬の比較
信託報酬は、目論見書や販売会社のホームページで確認できます。
または、楽天証券ideco取扱商品一覧の「ファンド管理費用」から確認できます。
インデックスファンド同士、かつ運用方針が同じ場合は、信託報酬の比較が必要です。
一方、アクティブファンドは、それぞれ運用方針が違うため、あまり比べる意味はありません。
また、インデックスファンドとアクティブファンドにおいても、土俵が異なるため、比べる意味はありません。
各商品の信託報酬は、次の通りです。
- 楽天・全世界株式インデックスファンド:0.212%/年
- セゾン・資産形成の達人ファンド:1.55%/年(ファンドの組入れ割合により、変動あり)
- iTrust 世界株式:0.979%
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド:0.59%/年(ファンドの組入れ割合により、変動あり)
ものすごく妥当な報酬だと思います。そのため、この点は気にしなく良いです。
留意点として、セゾン投信では、別途解約時に、信託財産留保額が解約額×0.1%かかります。
リターンと積立シミュレーションの比較
リターンは、公式サイト、販売会社のホームページ、アプリから確認できます。
おすすめは、モーニングスター社が提供する「MY投資信託アプリ」です。これをインストールしておくと、簡単にリターンが確認できます。
使い方は、「便利でオススメ!モーニングスターMY投資信託アプリの使い方を解説」で詳しく解説しています。
リターンは、あくまで結果論です。
しかし、参考指標にはなりえます。1ヶ月とか3ヶ月とかでは比較はあまりお勧めしません。
できるだけ、1年、3年、5年と長期的なパフォーマンスを比較すると良いです。大不況でもないのに、「3年間ずっとマイナス」のファンドだったら、買いません。
各商品のリターンは、次の通りでした。[2021.12.31基点]
ファンド名 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) |
楽天・全世界株式 | 31.97% | 21.82% | No data |
セゾン達人 | 24.08% | 21.04% | 14.46% |
iTrust 世界株式 | 30.32% | 21.27% | 14.12% |
セゾンバランス | 17.72% | 12.97% | 8.07% |
また、過去3年間、月2万円ずつ積立投資した場合の損益は次の通りでした。[2021.12基点]
投資元本72万円に対し、16.82万円~31.16万円の利益が出ていました。
ファンド名 | 投資元本(万円) | 評価額(万円) | 損益(万円) | 損益(%) |
楽天・全世界株式 | 72 | 103.16 | 31.16 | 43.3% |
セゾン達人 | 72 | 99.91 | 27.91 | 38.8% |
iTrust 世界株式 | 72 | 100.64 | 28.64 | 39.8% |
セゾンバランス | 72 | 88.82 | 16.82 | 23.4% |
純資産総額を比較
純資産総額も、公式サイト、販売会社のホームページ、アプリから確認できます。
純資産総額は日々変動します。2022.1.21時点では、次の通りです。
- 楽天・全世界株式インデックスファンド:1476.83億円
- セゾン・資産形成の達人ファンド:1803.07億円
- iTrust 世界株式:45.12億円
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド:2919.13億円
すべてのファンドで問題ないレベルの純資産を保有しています。早々にはつぶれたりはしないはずです。
おすすめの4本から1本に絞り込むには?
絞り込みは、「株式100% or バランス型にするか?」と「インデックス or アクティブファンドにするか?」です。
まず、株式100% or バランス型のどちらかにするか決めましょう。
株式100%は、想定されるリスクが高く、その分リターンが大きいです。
一方、バランス型は、想定されるリスクが低く、その分リターンも小さいです。
過去データから算出した目安は、株式100%で年6~7%、バランス型で年4~5%です。
セゾン資産形成の達人(株式100%)と、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(バランス型)で比較してみましょう。
下記は、直近3年・5年のリターンと標準偏差です。[2021.12.31基点]
標準偏差は、リターンの変動幅で、投資信託ではリスク指標として使われています。
ファンド名 | リターン | 標準偏差 | ||
3年(年率) | 5年(年率) | 3年(年率) | 5年(年率) | |
セゾン達人 | 21.04% | 14.46% | 16.79% | 15.64% |
セゾンバランス | 12.97% | 8.07% | 9.13% | 8.77% |
直近のリターンは、バランス型より株式100%が高かったです。標準偏差は、バランス型が株式100%より小さかったです。
株式100%とバランス型のリスクとリターンを踏まえ、どちらを希望するか考えてみましょう。
バランス型を希望するのであれば、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドをおすすめします。
仮に、株式100%を選んだとしましょう。インデックス or アクティブファンドどちらにするか決めましょう。
- 楽天・全世界株式インデックス[インデックス]
- セゾン資産形成の達人ファンド[アクティブ]
- iTrust 世界株式[アクティブ]
インデックスファンドは、市場平均通りに価格が変動します。良いときも悪いときも連動します。
アクティブファンドは、市場平均を超えることを目指して運用されます。良いときはさらに良く、悪いときは悪くならないようにします。ただし、それはファンドマネジャーの腕にかかってきます。
市場を信じるか、ファンドマネージャーを信じるかです。
前者なら、楽天・全世界株式インデックスファンド、後者ならセゾン資産形成の達人ファンド、又はiTrust 世界株式をおすすめします。
次に、セゾン資産形成の達人ファンドとiTrust 世界株式どちらにするか決めましょう。
両者の違いは、投資銘柄数です。
セゾン資産形成の達人ファンドは、iTrust 世界株式よりも多いです。
iTrust 世界株式は60~80銘柄に厳選投資されます。
2021.12.30時点では65銘柄です。組入上位10銘柄は次の通りです。大型株が中心です。
- マイクロソフト:3.9%
- アップル:3.9%
- アルファベット(グーグル):3.6%
- アマゾン・ドット・コム:3.4%
- ロシュ・ホールデイング:2.2%
- VISA:2.0%
- グラクソ・スミスクライン:2.0%
- ウォールマート:2.0%
- クアルコム:1.9%
- アメテック:1.9%
一方、セゾン資産形成の達人ファンドは、ファンドオブファンズ形式を採用しています。
これは、セゾン投信が他社のファンドを複数組み合わせて運用するファンドです。2021.9.11時点、次の9ファンドで構成されています。
- コムジェスト・ヨーロッパ・ファンド80
- コムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンド90
- スパークス・集中投資・日本株ファンドS
- スパークス・長期厳選・日本株ファンド
- コムジェスト日本株式ファンド
- バンガード® 米国オポチュニティファンド
- アライアンス・バーンスタインSICAV
- BBH・ルクセンブルグ・ファンズ- BBH・コア・セレクト
- FSSAアジア・フォーカス・ファンド
各ファンドが数十~数百銘柄に投資しているため、トータルでは500銘柄ほどになることもあります。そのため、iTrust 世界株式より分散性が高いです。
一部、重複している銘柄もあります。
一般に分散性が高い方がリスクが低いと言われています。ただし、分散しすぎると信託報酬が高いだけで、インデックスファンドと変わりない運用になりかねません。
個別銘柄で分散投資したいならiTrust 世界株式、複数ファンドで分散投資したいならセゾン資産形成の達人ファンドをおすすめします。
まとめ
30代のファンド選びのポイントは、「国際分散投資」と「リバランスが不要」です。
楽天証券idecoでは、上記の選定基準に該当する、楽天・全世界株式インデックスファンド、セゾン資産形成の達人ファンド、iTrust 世界株式、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドがおすすめです。
ぜひ、あなたの希望する1本を選んでみましょう。
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