ご存知のように、ideco(イデコ)は、自営業、会社員、公務員、主婦(主夫)の方が、節税しながら自分年金を作れる制度です。
楽天証券idecoを始めたけど、「どういう基準でファンドを選べばよいの?」、「30代にはどの商品がおすすめなの?」と思っていませんか。
そんなあなたのために、30代のファンド選びのポイント、楽天証券idecoのおすすめ商品を紹介します。
ファンド選びの参考にしていただければ、幸いです。
30代のファンド選びのポイント
一般にidecoでの資産運用は、お金を増やす「資産形成期」とお金を守る「資産安定期」に分けられます。
解約の10年前くらいが資産安定期に切り替えるタイミングです。
資産形成期では、期待リターンが高い「リスク性資産」の配分比率を高めると良いとされています。
リスク性資産は、運用会社アセットマネジメントOneの分類をお借りするなら、次の6資産です。
- 国内株式
- 国内リート
- 先進国株式
- 先進国リート
- 新興国株式
- 新興国債券
これらの配分を多めにし、年5%前後を狙っていきます。
一方、資産安定期では、変動リスクが低い「安定資産」の配分比率を高めると良いとされています。
安定資産は、次の2資産です。
- 国内債券
- 先進国債券(為替ヘッジ有り)
これらの配分を多めにし、年2%前後を狙い、増やした資産を物価上昇に負けないように守ります。
あなたが今30歳だと仮定すると、おおよそ50歳までが資産形成期、51歳~60歳までが資産安定期に該当します。
資産形成期である30代のファンド選びのポイントは、次の2つです。
- 国際分散投資であること
- リバランスが不要であること
30代は資産形成期なので、大きく成長させるためにも、「リスク性資産」を含めましょう。
ポイントは、どの国に投資するかです。これから数十年後、どの国が成長するかわかりません。
そのため、全世界の経済成長の恩恵を受けるために、国際分散投資できるファンドをおすすめします。
国際分散投資とは、「株式や債券市場の時価総額の比率に合わせて投資すること」で、最も中立的な投資と言われています。
株式市場の時価総額の比率は、「MSCI・オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI-ACWI)」という指標から、おおよそ判断できます。
直近の時価総額の比率は、次の通りです。[2020.3.31時点]
全世界の成長を取り入れられるように、上記の比率に近いファンドを選びましょう。
最新の時価総額の比率の調べ方を知りたい方は、「 初心者が知っておくべき国際分散投資とは?おすすめファンドはこの3本 」を参考にしてください。
また、30代は仕事に、家庭にと何かと忙しくなります。
そのため、リバランスが不要なファンドをおすすめします。
リバランスとは、資産配分を調整することです。例えば、6本の投資信託に、次のような資産配分で投資していたとしましょう。
- 先進国株式:30%
- 国内株式:10%
- 新興国株式:10%
- 先進国債券:30%
- 国内債券:10%
- 新興国債券:10%
配分を決めても、時間と共にそのバランスは崩れてきます。
金額配分だけ決めて、積立し続けるという戦略なら良いです。しかし、リバランスした方が、リスク(価格の変動幅)とリターンを想定しやすいです。
リバランスを自分でやれなくはないですが、正直面倒くさいです。できる限り、資産運用の手間を省くため、リバランスが不要なファンドをおすすめします。
楽天証券idecoでおすすめの商品は?
国際分散投資でき、リバランスが不要なファンドで、おすすめ商品は次の4本です。
- 楽天・全世界株式インデックスファンド
- セゾン資産形成の達人ファンド
- iTrust 世界株式
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
iTrust 世界株式は、楽天証券idecoの分類では海外株式ですが、日本及び新興国株式にも投資されているため、ここで国際分散投資の一つとして含めました。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
楽天・全世界株式インデックスファンド
FTSE・グローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE-GAI)指標への連動を目指すインデックスファンドです。設立は2017年です。
FTSE-GAIもMSCI-ACWIと同様に、全世界の株式100%に投資しています。
信託報酬は、0.212%/年です。信託財産留保額は0%です。
純資産総額は、304.81億円です。[2020.3.31時点]
トータルリターンは、次の通りです。[2020.3.31基点]
- 1年:-12.82%
- 設定来:-10.17%
2020年2月~3月にかけて、コロナショックの影響でリターンはマイナスになっています。
最新のリターンは、MY投資信託アプリで確認しましょう。使い方は、「 便利でオススメ!モーニングスターMY投資信託アプリの使い方を解説 」でまとめています。
セゾン資産形成の達人ファンド
国際分散投資の代表的なアクティブファンドです。設立は2007年です。MSCI-ACWIを参考指標に、全世界の株式に100%投資しています。
信託報酬は、1.35±0.2%/年です。先のインデックスファンドと違い、投資先が厳選投資されているため、その分コストは高めです。
信託財産留保額は0.1%です。
純資産総額は、774.98億円です。[2020.3.31時点]
トータルリターンは、次の通りです。[2020.3.31基点]
- 1年:-10.36%
- 3年(年率):+2.16%
- 5年(年率):+2.46%
- 設定来:+87.16%
iTrust 世界株式
国際分散投資できるアクティブファンドです。設立は2016年です。MSCI World Indexを参考指標に、全世界の株式に100%投資しています。
信託報酬は、0.979%/年です。先のインデックスファンドより高く、セゾン資産形成の達人ファンドよりは低いです。
信託財産留保額は0%です。
純資産総額は、16.1億円です。[2020.3.31時点]
トータルリターンは、次の通りです。[2020.3.31基点]
- 1年:-10.00%
- 3年(年率):+2.42%
- 設定来:+24.05%
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
株式50%・債券50%に国際分散投資できるアクティブファンドです。設立は2007年です。
資産配分(投資国)は次の通りです。[2020.3.31時点]
株式 | 債券 | |
米国 | 28.3% | 26.4% |
欧州 | 9.5% | 17.7% |
日本 | 4.0% | 5.4% |
太平洋 | 1.6% | --- |
新興国 | 6.1% | --- |
短期金融資産 | --- | 0.9% |
株式と債券に対して国際分散投資とほぼ同様の資産配分で、リバランスも不要です。
信託報酬は、0.57±0.02%/年です。先のeMAXIS Slim バランスと違い、投資先が厳選投資されているため、その分コストは高めです。
信託財産留保額は、0.1%です。
純資産総額は、1823億円です。[2020.3.31時点]
トータルリターンは、次の通りです。[2020.3.31基点]
- 1年:-3.65%
- 3年(年率):+1.85%
- 5年(年率):+0.81%
- 設定来:+40.63%
おすすめの4本から1本に絞り込むには?
絞り込みは、「株式100% or バランス型にするか?」と「インデックス or アクティブファンドにするか?」です。
まず、株式100% or バランス型のどちらかにするか決めましょう。
株式100%は、想定されるリスクが高く、その分リターンが大きいです。
一方、バランス型は、想定されるリスクが低く、その分リターンも小さいです。
過去データから算出した目安は、株式100%で年6~7%、バランス型で年4~5%です。
セゾン資産形成の達人(株式100%)と、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(バランス型)で比較してみましょう。
下記は、直近3年・5年のリターンと標準偏差です。[2020.3.31基点]
標準偏差は、リターンの変動幅で、投資信託ではリスク指標として使われています。
リターン | 標準偏差 | |||
3年 | 5年 | 3年 | 5年 | |
資産形成の達人 | 2.16% | 2.46% | 17.72% | 17.72% |
グローバルバランス | 1.85% | 0.81% | 9.81% | 10.41% |
直近のリターンは、バランス型より株式100%が高かったです。標準偏差は、バランス型が株式100%より小さかったです。
株式100%とバランス型のリスクとリターンは、どちらがあなたの希望するか考えてみましょう。
バランス型を希望するのであれば、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドをおすすめします。
仮に、株式100%を選んだとしましょう。インデックス or アクティブファンドどちらにするか決めましょう。
- 楽天・全世界株式インデックス[インデックス]
- セゾン資産形成の達人ファンド[アクティブ]
- iTrust 世界株式[アクティブ]
インデックスファンドは、市場平均通りに価格が変動します。良いときも悪いときも連動します。
アクティブファンドは、市場平均を超えることを目指して運用されます。良いときはさらに良く、悪いときは悪くならないようにします。ただし、それはファンドマネジャーの腕にかかってきます。
市場を信じるか、ファンドマネージャーを信じるかです。
前者なら、楽天・全世界株式インデックスファンド、後者ならセゾン資産形成の達人ファンド、又はiTrust 世界株式をおすすめします。
次に、セゾン資産形成の達人ファンドとiTrust 世界株式どちらにするか決めましょう。
両者の違いは、投資銘柄数です。セゾン資産形成の達人ファンドは、iTrust 世界株式よりも多いです。
iTrust 世界株式は60~80銘柄に厳選投資されます。2020.3.31時点では68銘柄です。
組入上位10銘柄は次の通りです。大型株が中心です。
- マイクロソフト:4.8%
- アルファベット(グーグル):3.3%
- アップル:2.8%
- VISA:2.5%
- ジョンソン・エンド・ジョンソン:2.4%
- ロシュ・ホールデイング:2.4%
- イーライリリー・アンド・カンパニー:2.2%
- グラクソ・スミスクライン:2.2%
- ウォールマート:2.1%
- グリフォルス:2.0%
2020.3時点では、ややコロナショックの影響で、医薬品関連銘柄が多くなっている印象でした。
一方、セゾン資産形成の達人ファンドは、ファンドオブファンズ形式を採用しています。
これは、セゾン投信が他社のファンドを複数組み合わせて運用するファンドです。2020.3時点、次の9ファンドで構成されています。
- コムジェスト・ヨーロッパ・ファンド80[42銘柄]
- コムジェスト・エマージングマーケッツ・ファンド90[40銘柄]
- スパークス・集中投資・日本株ファンドS[31銘柄]
- スパークス・長期厳選・日本株ファンド[19銘柄]
- スパークス・ワンアジア厳選投資ファンドS[47銘柄]
- コムジェスト日本株式ファンド[36銘柄]
- バンガード 米国オポチュニティファンド[222銘柄]
- アライアンス・バーンスタインSICAV[20銘柄]
- BBH・ルクセンブルグ・ファンズ- BBH・コア・セレクト[20銘柄]
各ファンドが数十~数百銘柄に投資しているため、トータルでは500銘柄ほどになることもあります。そのため、iTrust 世界株式より分散性が高いです。
一部、重複している銘柄もあります。
一般に分散性が高い方がリスクが低いと言われています。ただし、分散しすぎると信託報酬が高いだけで、インデックスファンドと変わりない運用になりかねません。
個別銘柄で分散投資したいならiTrust 世界株式、複数ファンドで分散投資したいならセゾン資産形成の達人ファンドをおすすめします。
まとめ
30代のファンド選びのポイントは、「国際分散投資」と「リバランスが不要」です。
楽天証券idecoでは、上記の選定基準に該当する、楽天・全世界株式インデックスファンド、セゾン資産形成の達人ファンド、iTrust 世界株式、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドがおすすめです。
ぜひ、あなたの希望する1本を選んでみましょう。
商品の切替先の考え方、いつどのように給付金を受け取るか、気になる方は、「 楽天証券idecoにおける資産形成の出口戦略 」も併せてご確認ください。
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