ご存知のように、トーセイ不動産クラウド「トレックファンディング(TREC FUNDING)」は、1万円からプロが選定した不動産に投資できるサービスです。
2020年にトレックファンディングのサービスが開始されました。
トレックファンディングを含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。
「トレックファンディングを検討中だけど、元本割れがコワいから躊躇している」という方もいるのでは。
元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。
大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。
本記事では、トレックファンディングのファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。
トレックファンディングに対する不安を少しでも和らげていただけたら、幸いです。
更新履歴
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元本割れリスクに関わる優先劣後出資方式とは?
トレックファンディングは、元本割れリスクの低減のため、優先劣後出資方式を採用しています。
[出典:トレックファンディング]
簡単に言うと、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社等(劣後出資者)の両者からお金を集め、収益分配や元本償還に優先順位をつける仕組みです。
劣後出資者が売却損を先に負担することになるので、仮に物件の売却価格が想定価格を下回っても、優先出資は元本割れしにくいことになります。
つまり、劣後出資割合が高い方が元本割れしにくくなります。
優先劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。
トレックファンディングの過去ファンドでは、劣後出資割合は0.0%~25.0%で、中央値は21.0%でした。
ファンド名 | 優先出資割合 | 劣後出資割合 |
TREC10号 目黒区学芸大学マンションファンド | --- | --- |
TREC9号 目黒区学芸大学マンションファンド | --- | --- |
TREC8号 区分マンションファンド大江戸シリーズII | 76.0% | 24.0% |
TREC7号 目黒区祐天寺マンションファンド | 100.0% | 0.0% |
TREC6号 区分マンションファンド横浜東寺尾 | 82.0% | 18.0% |
TREC5号 区分マンションファンド新宿・台東根岸 | 75.0% | 25.0% |
TREC4号 区分マンションファンド大江戸シリーズⅠ | --- | --- |
TREC3号 区分マンションファンド浅草・月島 | --- | --- |
TREC2号 川崎オフィスビル投資ファンド | --- | --- |
TREC1号 世田谷区用賀マンション投資ファンド | --- | --- |
最小値 | 75.0% | 0.0% |
最大値 | 100.0% | 25.0% |
中央値 | 79.0% | 21.0% |
平均値 | 83.3% | 16.8% |
※非公開データは除く。
優先劣後出資の割合は、以下の方法で、確認できます。
1.トレックファンディングにアクセスし、該当ファンドのページを選択します。
2.該当ファンドページの「投資概要」の欄に、劣後出資割合の記載があります。
※ファンドによっては、優先劣後出資方式を採用していない場合もあります。
トレックファンディングが元本割れするケース
どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。
結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。
「TREC6号 区分マンションファンド横浜東寺尾」を例に、元本償還シミュレーションを作成しました。
- 出資総額:19,000万円
- 募集金額(優先出資額):15,500万円
- 想定運用期間:36ヶ月
- 想定利回り:4.2%
- 優先・劣後出資割合:82%・18%
例①~③のケースで見ていきましょう。
例①は、運用終了時点で「物件を20,000万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の19,000万円を超えています。
あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益は、出資者の利益になります。
例②は、運用終了時点で「物件を18,000万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の19,000万円を下回っています。損失が1,000万円です。
ここで、優先劣後出資方式のメリットが作用します。
損失は、劣後出資額(運営会社等から拠出されているもの)から先に負担されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。
例③は、運用終了時点で「物件15,400万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の19,000万円を下回っています。損失が3,600万円です。
ここでも、優先劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(運営会社等から拠出されているもの)から先に負担されます。
しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の3,500万円を上回っています。
3,500万円-3,600万円=-100万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。
計算上は、-100万円/15,500万円×100%=-0.65%になると推測できます。例えば、1万円投資していれば、9,935円戻ってくる計算です。
簡単にまとめると、劣後出資分(運営会社等から拠出されているもの)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
トレックファンディングでは、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。
その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、得られる配当金の総額が少なくなります。
まとめ
トレックファンディングでは、劣後出資分(運営会社等から拠出されているもの)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。
これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。
それぞれ、リスクとリターンが異なりますので、詳しくは、公式ページをご覧ください。
その他、トレックファンディングに関するトピックは、「これ1本でわかる!トレックファンディングの資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
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本内容は事業者の公式サイト(TREC FUNDING)から抜粋した情報をもとに執筆者個人の感想を加えたものです。正確な情報は、事業者の公式サイトにてご確認ください。なお、本記事は情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する意思決定は、事業者の公式サイトにて個別商品・リスク等の内容をご確認いただき、ご自身の判断にてお願いいたします。