こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。
2020.8.8以降、三井住友フィナンシャルグループ(三井住友FG)(8316)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。
三井住友FGの業種分類は、銀行業です。グリーンカラーの銀行ですよね。
グループ会社には、SMBC日興証券、三井住友カード、三井住友ファイナンス&リース、三井住友DS投信等、多くが属しています。
また、世界の銀行業でみても、ROEが高いことも注目されています。
「三井住友FGを、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、三井住友FGの配当分析をまとめています。
あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。
更新履歴
- 2023年3月期の四半期決算チェックを更新しました。[2022.11.20]
四半期決算チェック
三井住友FGの業績推移
2013年3月期~2022年3月期の売上高(経常収益)、経常利益、当期利益は次の通りです。
売上高は、2013.3期~2019.3期までは綺麗な右肩上がりで推移していました。2020.3期以降は若干ではありますが、減少しつつありました。
当期利益は、プラスで推移しています。
2023.3期の業績予想では、当期利益+3.3%の730,000百万円と上昇が見込まれています。
決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期利益 |
2013/03 | 4,326,424 | 1,073,745 | 794,059 |
2014/03 | 4,641,880 | 1,432,332 | 835,357 |
2015/03 | 4,851,202 | 1,321,156 | 753,610 |
2016/03 | 4,772,100 | 985,284 | 646,687 |
2017/03 | 5,133,245 | 1,005,855 | 706,519 |
2018/03 | 5,764,172 | 1,164,113 | 734,368 |
2019/03 | 5,735,312 | 1,135,300 | 726,681 |
2020/03 | 5,314,313 | 932,064 | 703,883 |
2021/03 | 3,902,307 | 711,018 | 512,812 |
2022/03 | 4,111,127 | 1,040,621 | 706,631 |
※単位:百万円
三井住友FGのキャッシュフロー推移
2013年3月期~2022年3月期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2013/03 | 91,455 | 1,253,136 | -742,948 | 5,202,119 | 1,344,591 |
2014/03 | 8,303,752 | 14,520,523 | -1,038,814 | 26,993,164 | 22,824,275 |
2015/03 | 8,240,226 | -1,457,188 | -302,589 | 33,598,680 | 6,783,038 |
2016/03 | -1,127,308 | 5,240,950 | -55,995 | 37,556,806 | 4,113,642 |
2017/03 | 4,514,377 | 581,347 | -166,524 | 42,478,393 | 5,095,724 |
2018/03 | 9,342,794 | -3,395,299 | -350,468 | 47,983,114 | 5,947,495 |
2019/03 | 4,596,242 | 1,006,260 | -632,819 | 53,120,963 | 5,602,502 |
2020/03 | 7,087,460 | -3,011,660 | -1,024,554 | 56,097,807 | 4,075,800 |
2021/03 | 18,795,951 | -767987800.00% | -562,580 | 66,811,212 | 11,116,073 |
2022/03 | 1,545,423 | -240681000.00% | -485,338 | 65,832,072 | -861,387 |
※単位:百万円
営業CFは、2016.3期はマイナスでしたが、それ以外はすべてプラスで推移していました。
現金・現金等価物は、2014.3期に大幅に増加し、年々着実に増加傾向でした。
フリーCFも、2021.3期までは、ほぼ安定してプラスを維持していました。しかしながら、2022.3期はマイナスに転じています。
三井住友FGの配当分析
私が分析しているのは、次の3点です。
- 配当方針
- 配当実績と配当成長率
- 配当性向(当期利益、フリーCFベース)
配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。
三井住友FGの場合、株価3981円(2022.5.30終値)で、配当が予想通り年220円であったと仮定すると、配当利回りは5.53%です。
配当方針
三井住友FGの配当方針は、「株主還元方針・配当情報: 三井住友フィナンシャルグループ」によると、次の2点です。
- 配当は累進的
- 配当性向は、2022年度までに40%を目指す
累進的配当政策とは、配当が前年に対して現状維持、もしくは増配する政策です。すなわち、原則減配はないという素晴らしい政策です。[参考:累進配当(減配なし)の日本株はこの5銘柄 ]
配当実績と配当成長率
配当に関する基本情報は次の通りです。
- 配当回数:年2回
- 配当権利確定日:9.30(中間配当)、3.31(期末配当)
2017.3期~2022.3期の配当実績、及び2023.3期の配当予想は、次の通りでした。
決算期 | 配当金 | 配当成長率 |
2017/03 | 150 | --- |
2018/03 | 170 | 13% |
2019/03 | 180 | 6% |
2020/03 | 190 | 6% |
2021/03 | 190 | 0% |
2022/03 | 210 | 11% |
2023/03(予想) | 220 | 5% |
配当維持の年もありますが、5%~13%とコンスタントにアップしていました。
配当性向(当期利益・フリーCFベース)
配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。
米国株投資ではフリーCFベースで分析されます。私はこれを日本株にも応用しています。
フリーCFとは、営業CF+投資CFで算出される数値で、簡単に言えば、企業が自由に使える現金です。
フリーCFは、新たな設備投資、借入金の返済、内部留保、そして配当に使われます。そのため、配当株投資では重要な分析対象となりえます。
フリーCFが潤沢にあれば、配当の増額にも期待できます。一方、フリーCFが少ないのに配当を維持していたら、「そろそろ減配が近づいているかもしれない」と事前にリスクを察知できます。
詳しくは、書籍『「年100回配当」投資術ー日本人が知らない秘密の収入源』を読むと配当投資のレベルがグッと上がります。
2017.3期~2022.3期の配当性向を算出すると、次の通りです。
発行済み株数は、1,374,362,102株(2022.5.30時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。
決算期 | 当期利益ベース | フリーCFベース |
2017/03 | 29% | 4% |
2018/03 | 32% | 4% |
2019/03 | 34% | 4% |
2020/03 | 37% | 6% |
2021/03 | 51% | 2% |
2022/03 | 41% | 非算出 |
2023/03(予想) | 41% | --- |
※マイナスのものは、非算出としています。
当期利益ベースは、29%~51%と100%以下で安全圏です。
フリーCFベースは、2021.3期までは2%~6%と余力が十分にあり超安全圏でした。
2022.3期はマイナスとなってしまったので、やや留意が必要かと思われます。
ただし、今のところ、現金・現金等価物が十分にあるため、配当は支払われると考えています。
まとめ
私が、三井住友フィナンシャルグループを配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。
売上高、当期利益が非常に安定しています。また、2021.3期までは、フリーCFも安定してプラスで、配当の支払いも問題ありませんでした。
2022.3月期のフリーCFはマイナスに転じたため、やや留意が必要です。
配当方針は、「累進的」と減配はされにくいと考えらます。
配当実績は、過去8年間一度も無配当はなく、継続性が十分にあります。また数%の増配にも期待できます。
現時点では、現金・現金等価物が十分にあるため、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。
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