ご存知のように、大家.comは1口1万円と少額で不動産投資できるクラウドファンディングサービスです。
運営会社は、株式会社グローベルスです。大家.comは、2020年10月に開始されました。
大家.comのデメリットは、元本割れリスクがあることです。「大家.comで投資を検討中だけど、そのリスクがあるから躊躇している」という方は多いはずです。
元本保証ではない投資において、どんな投資サービスでも元本割れリスクは生じます。
大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。
今回は、大家.comのファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。
大家.comを利用するか否かの参考にしていただけたら、幸いです。
大家.comは、優先・劣後出資方式が採用されている
[出典:大家.com]
大家.comのメリットである、「優先・劣後出資方式」について理解しましょう。
大家.comでは、ファンド運用の出資金は、あなた(優先出資者)とグローベルス側(劣後出資者)の両者から集められます。
ファンドの元本割れリスク低減や分配金の支払いは、優先出資であるあなたが優遇されます。このように、優先と劣後に分ける出資方法を、優先・劣後出資方式と言います。
優先・劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。
大家.comのファンドが元本割れするケース
どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。
結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。
大家.comでは、賃料収入から分配金が支払われ、最終的に物件売却したお金で元本償還されます。
2020.12.14~12.22募集の「「広尾」駅徒歩5分 港区南麻布の大家になろう!!」を例に、元本償還シミュレーションを作成しました。
このファンドの条件は次の通りです。
- 募集金額:20,000万円
- 想定運用期間:12ヶ月
- 想定利回り:4.0%
- 優先・劣後割合:82.3%・17.6%
このファンドの総出資額は24,300万円です。内訳は、優先出資額(あなたを含む投資家)が20,000万円、劣後出資額(グローベルス側)4300万円です。
優先出資額=募集金額です。
例①~③のケースで見ていきましょう。
例①は、運用終了時点で「物件を26,300万円で売却」した場合です。この場合、総出資額の24,300万円を超えています。
あなたとグローベルス側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益は、グローベルス側の収益になります。
あなたには、別途、利回り4.0%の分配金が支払われます。
例②は、運用終了時点で「物件を22,300万円で売却」した場合です。この場合、総出資額の24,300万円を下回っています。損失が2000万円です。
ここで、優先・劣後出資方式のメリットが作用します。
損失は、劣後出資額(グローベルス側)から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。
例③は、運用終了時点で「物件を19,300万円で売却」した場合です。この場合、総出資額の24,300万円を下回っています。損失が5000万円です。
ここでも、優先・劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(グローベルス側)から補填されます。
しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の700万円を上回っています。
4300万円-5000万円=-700万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。
計算上は、-700万円/20000万円×100%=-3.5%に減ると推測できます。例えば、1口1万円投資していれば、9650円戻ってくる計算です。
簡単にまとめると、劣後出資分(グローベルス側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
大家.comでは、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。
その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、分配金が少なくなります。
まとめ
大家.comのファンドでは、劣後出資分(グローベルス側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先・劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。
これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。
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