ご存知のように、Victory Fund(ビクトリーファンド)は、不動産と金融のプロが選定した物件に10万円から投資できるサービスです。
2021年3月にサービスが開始されました。
ビクトリーファンドを含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。
「ビクトリーファンドを検討中だけど、元本割れリスクがあるから躊躇している」という方もいるのでは。
元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。
大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。
今回は、ビクトリーファンドのファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。
ビクトリーファンドを利用するか否かの参考にしていただけたら、幸いです。
ビクトリーファンドのメリットである、優先劣後出資方式とは?
[出典:ビクトリーファンド]
優先劣後出資方式とは、簡単に言うと、得られた利益があなたに優先的に配分される仕組みです。
物件売却時の価格下落リスクを低減しています。
ビクトリーファンドでは、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社(劣後出資者)の両者からお金を集めています。
ファンドの元本や配当金の支払いは、優先出資であるあなたが優遇されます。このように、優先と劣後に分ける出資方法を、優先・劣後出資方式と言います。
優先劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。
ビクトリーファンドのファンドが元本割れするケース
どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。
結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。
「浅草1丁目商業ビルプロジェクト」を例に、元本償還シミュレーションを作成しました。
このファンドの概要は次の通りです。
- 総出資額:30,300万円
- 募集金額:27,500万円
- 想定運用期間:12ヶ月
- 想定利回り:10.5%
- 優先・劣後割合:90.2%・9.8%
例①~③のケースで見ていきましょう。
例①は、運用終了時点で「物件を33,300万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の30,300万円を超えています。
あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。
例②は、運用終了時点で「物件を29,300万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の30,300万円を下回っています。損失が1,000万円です。
ここで、優先・劣後出資方式のメリットが作用します。
損失は、劣後出資額(運営会社側)から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。
例③は、運用終了時点で「物件を27,300万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の30,300万円を下回っています。損失が3,000万円です。
ここでも、優先・劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(運営会社側)から補填されます。
しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の200万円を上回っています。
2800万円-3000万円=-200万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。
計算上は、-200万円/27,500万円×100%=-0.7%に減ると推測できます。例えば、1口1万円投資していれば、9930円戻ってくる計算です。
簡単にまとめると、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
ビクトリーファンドでは、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。
その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、分配金が少なくなります。
まとめ
ビクトリーファンドでは、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先・劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。
これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。
それぞれのファンドで、リスクとリターンが異なりますので、詳しくは公式ページをご確認ください。
その他、ビクトリーファンドに関するトピックは、「不動産クラウドファンディング ビクトリーファンド資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
ビクトリーファンドは、不動産と金融のプロが選定した物件に1万円から投資でき、想定利回り10.0%~10.5%の配当に期待できます。
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