ご存知のように、Victory Fund(ビクトリーファンド)は、不動産と金融のプロが選定した物件に10万円から投資できるサービスです。
2021年3月にサービスが開始されました。
ビクトリーファンドを含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。
「ビクトリーファンドを検討中だけど、元本割れがコワいから躊躇している」という方もいるのでは。
元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。
大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。
本記事では、ビクトリーファンドのファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。
ビクトリーファンドに対する不安を少しでも和らげていただけたら、幸いです。
更新履歴
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元本割れリスクに関わる優先劣後出資方式とは?
ビクトリーファンドは、元本割れリスクの低減のため、優先劣後出資方式を採用しています。
[出典:ビクトリーファンド]
簡単に言うと、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社等(劣後出資者)の両者からお金を集め、収益分配や元本償還に優先順位をつける仕組みです。
劣後出資者が売却損を先に負担することになるので、仮に物件の売却価格が想定価格を下回っても、優先出資は元本割れしにくいことになります。
つまり、劣後出資割合が高い方が元本割れしにくくなります。
優先劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。
ビクトリーファンドの過去ファンドでは、劣後出資割合は0.6%~16.7%で、中央値は5.0%でした。
ファンド名 | 優先出資割合 | 劣後出資割合 |
福岡市介護・医療プロジェクトNO.2 | --- | --- |
西東京 小平市プロジェクト | 94.4% | 5.6% |
浜松町2丁目プロジェクトPhase2 | 98.6% | 1.4% |
千葉県浦安市プロジェクト | 97.6% | 2.4% |
世田谷区奥沢プロジェクト | 98.7% | 1.3% |
水戸市商業ビルプロジェクトNO.2 | 96.6% | 3.4% |
日本橋浜町1丁目プロジェクト | 97.6% | 2.4% |
墨田区石原4丁目プロジェクト | 95.0% | 5.0% |
水戸市商業ビルプロジェクト | 95.7% | 4.3% |
土浦市荒川沖駅前プロジェクト | 95.0% | 5.0% |
江戸川1丁目新築戸建プロジェクトVer2 | 99.4% | 0.6% |
両国1丁目駅前プロジェクト | 97.3% | 2.7% |
福岡市介護・医療プロジェクト | 89.2% | 10.8% |
小平市用地収益化プロジェクト(No.6) | 94.1% | 5.9% |
浜松町2丁目プロジェクト(No.2) | 96.7% | 3.3% |
戸田市マンションプロジェクト | 97.1% | 2.9% |
千葉県習志野市マンションプロジェクト | 94.1% | 5.9% |
江戸川1丁目新築戸建プロジェクト | 96.5% | 3.5% |
小平市用地収益化プロジェクト(No.5) | 93.3% | 6.7% |
中目黒マンションプロジェクト | 94.1% | 5.9% |
大田区大森北1丁目プロジェクト | 96.8% | 3.2% |
浜松町2丁目プロジェクト | 96.7% | 3.3% |
小平市用地収益化プロジェクト(No.4) | 94.1% | 5.9% |
小平市用地収益化プロジェクト(No.3) | 92.3% | 7.7% |
東上野3丁目プロジェクト | 83.3% | 16.7% |
小平市用地収益化プロジェクト(No.2) | 83.3% | 16.7% |
小平市用地収益化プロジェクト(No.1) | 85.7% | 14.3% |
浅草1丁目商業ビルプロジェクト | 90.8% | 9.2% |
最小値 | 83.3% | 0.6% |
最大値 | 99.4% | 16.7% |
中央値 | 95.0% | 5.0% |
平均値 | 94.2% | 5.8% |
優先劣後出資割合は、以下の方法で、確認できます。
1.ビクトリーファンドにアクセスし、該当ファンドのページを選択します。
2.「シミュレーション」の出資金の内訳の欄で、劣後出資額/出資総額×100%で劣後出資割合を算出できます。
ビクトリーファンドのファンドが元本割れするケース
どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。
結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。
「浅草1丁目商業ビルプロジェクト」を例に、元本償還シミュレーションを作成しました。
このファンドの概要は次の通りです。
- 総出資額:30,300万円
- 募集金額:27,500万円
- 想定運用期間:12ヶ月
- 想定利回り:10.5%
- 優先・劣後割合:90.2%・9.8%
例①~③のケースで見ていきましょう。
例①は、運用終了時点で「物件を33,300万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の30,300万円を超えています。
あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益は、出資者の利益になります。
例②は、運用終了時点で「物件を29,300万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の30,300万円を下回っています。損失が1,000万円です。
ここで、優先・劣後出資方式のメリットが作用します。
損失は、劣後出資額(運営会社側)から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。
例③は、運用終了時点で「物件を27,300万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の30,300万円を下回っています。損失が3,000万円です。
ここでも、優先・劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(運営会社側)から補填されます。
しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の200万円を上回っています。
2,800万円-3,000万円=-200万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。
計算上は、-200万円/27,500万円×100%=-0.7%に減ると推測できます。例えば、1口1万円投資していれば、9,930円戻ってくる計算です。
簡単にまとめると、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
ビクトリーファンドでは、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。
その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、分配金が少なくなります。
まとめ
ビクトリーファンドでは、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先・劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。
これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。
それぞれのファンドで、リスクとリターンが異なりますので、詳しくは公式ページをご確認ください。
その他、ビクトリーファンドに関するトピックは、「不動産クラウドファンディング ビクトリーファンド資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
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