こんにちは。ご存知のように、株式会社FOLIOは大手ロボアドバイザー会社の一つです。
FOLIOでは、これまで「おまかせ投資」というロボアドバイザーを2018年11月より提供してきました。
2020年1月に、全く新しいロボアドバイザー「ロボプロ(ROBOPRO)」が登場しました。
「おまかせ投資とロボプロは、何が違うの?」、「おまかせ投資とロボプロは、どちらを使ったら良いの?」と迷いますよね。
FOLIOでは、おまかせ投資とロボプロを両方買うことはできません。そのため、どちらを選択するかは十分に検討すべきです。
どちらがあなたに適しているかの判断する参考に、おまかせ投資とロボプロの重要なポイントを比較します。
結論から述べれば、次の通りです。
- リスク許容度を自分で選びたい、ある程度ポートフォリオを固定したい:おまかせ投資
- 下落リスクに備えたい、短期的なパフォーマンスにも期待したい:ロボプロ
更新履歴
- おまかせ投資の基本ポートフォリオ、及びおまかせ投資とロボプロのリターンをアップデートしました。[2022.1.16]
おまかせ投資とロボプロはどこが違うのか?
投資対象はどちらもETF
おまかせ投資もロボプロも、全世界のETF(上場投資信託)に分散投資しています。
両者とも、次の8資産のETFで同じです。
- 米国株
- 日欧株
- 新興国株
- 米国債券
- 新興国債券
- ハイイールド債券
- 金
- 不動産
おまかせ投資とロボプロの各ETFの銘柄選定には、次の3つのことが重視されています。
- 資産規模が大きい
- 流動性が高い
- 低コスト
資産規模が小さいと、償還リスク(上場廃止)が高くなります。そのリスクを低減するため資産規模が十分大きいものが選定されています。
また、流動性が低いと、売買数量に対して、売買が成立しなかったり、取引価格が不利な方向に動く場合があります。
そのため、リバランス時や急に資産の現金化が必要な時に、狙ったタイミング・価格での取引ができるように、流動性の高い銘柄が選定されています。
ETFには諸経費がかかります。同一資産規模、同一程度の流動性であれば、低コストであればあるほど、良いです。それを考慮して選定されています。
大きな違いは、投資方針(アルゴリズム)
両者は、投資方針が大きく異なります。
おまかせ投資は、次のような流れでポートフォリオが決定されます。
1990年にノーベル賞を受賞したハリー・マーコヴィッツ氏が礎を築いた現代ポートフォリオ理論に基づいた、平均分散法を用いています。
平均分散法では、各資産クラスの「期待リターン」と「リスク」、資産クラス間の「相関」を用いて、最適なポートフォリオを算出されます。
このプロセスで必要な、期待リターンの推定にはBlack-Littermanモデル、リスクの推定には各資産クラスの過去リターンが主に用いられています。
ここに、3つの質問(年齢、年収、預貯金)から、あなたのリスク許容度を算出して、ポートフォリオが決定されます。
リスク許容度は1~5まであり、数字が大きくなるほど、想定リスク及び期待リターンが高くなります。質問に関わらず、5つから選択できます。
おまかせ投資では、リスク許容度はわかりやすくキャラクターで表されています。
[出典:FOLIO]
- ピーター:安定運用(リスク許容度1)
- ローレンス:堅実運用(2)
- エリー:バランス運用(3)
- ジェームス:積極運用(4)
- マーカス:チャレンジ運用(5)
リスク許容度別の基本ポートフォリオは、次の通りです。[2022.1.16時点]
1→5にかけて、株式(青)の比率が高くなり、かつ債券(オレンジ)の比率が低くなります。
一方、ロボプロは、次のような流れでポートフォリオが決定されます。
おまかせ投資のプロセスに加え、AIによる短期的なマーケット予測が利用されています。
世界各国の株式、債券、通貨、コモディティ(金、銅、原油等)などの40種類以上のマーケットデータを学習データとして参照しています。
さらに統計的処理によって、膨大な量のデータを計算しています。
その膨大な特徴量をAIに機械学習させ、マーケット予測に役立つスコアを生成します。さらに厳密に評価し、平均精度が高く、性能のばらつきが少ない予測スコアを選択します。
それを元に、AIに短期的なマーケット予測を行わせます。各資産クラスが1ヶ月後どれくらいのリターンになるのかまで算出します。
ロボプロでは、短期的なマーケット予測と長期的なデータに基づくリスクを考慮することで、価格変動の安定を目指した最適なポートフォリオが決定されています。
ロボプロには、リスク許容度の選択はありません。また、基本ポートフォリオも固定ではなく、都度AIが判断して決定されています。
下記は、2020年のロボプロのポートフォリオの推移をモニタリングしたデータです。
日によって、最適と判断される比率が大きく変動しているのが分かるかと思います。
極端な例で言うと、債券や不動産を0%としたり、金(コモディティ)を50%が最適と判断した日もありました。
※最新情報は、「フォリオ・ロボプロはどのくらいのリターンが得られる?実績をブログで解説」でまとめていますので、あわせてご覧ください。
おまかせ投資では、リスク許容度をあなた自身が選べ、基本ポートフォリオが固定されています。
一方、ロボプロは、リスク許容度は選べず、基本ポートフォリオも購入開始時期によって変動します。
両者とも月1回程度、ポートフォリオの調整(リバランス)はされています。
この両者の違いは、十分に理解しておきましょう。
おまかせ投資とロボプロのリターンとリスクを比較
「両者のリターンとリスクがどれくらいか」も当然気になりますよね。
両者の期間別リターンは、次の通りでした。[2021年12月末基点]
サービス | リスク許容度 | 過去1ヶ月 | 過去3ヶ月 | 過去6ヶ月 | 過去1年 | 年率換算 |
ロボプロ | --- | 3.32% | 6.16% | 5.20% | 21.05% | 17.88% |
おまかせ投資 | 1 | 3.57% | 5.45% | 4.84% | 12.92% | 7.32% |
2 | 3.73% | 5.95% | 5.23% | 16.22% | 8.54% | |
3 | 4.34% | 7.21% | 6.12% | 19.83% | 10.83% | |
4 | 4.84% | 8.05% | 6.71% | 22.36% | 12.48% | |
5 | 5.29% | 8.70% | 7.14% | 24.59% | 13.26% |
過去1ヶ月リターンは、おかませ投資では3.57%~5.29%に対し、ロボプロでは3.32%と最も低かったです。
過去3ヶ月リターンは、おまかせ投資リスク許容度(1)<(2)<ロボプロ<(3)<(4)<(5)の順に大きかったです。
過去6ヶ月リターンは、おまかせ投資リスク許容度(1)<ロボプロ<(2)<(3)<(4)<(5)の順に大きかったです。
過去1年リターンは、おまかせ投資リスク許容度(1)<(2)<(3)<ロボプロ<(4)<(5)の順に大きかったです。
両者を比較するため、過去の運用期間に基づき、年率換算したリターン(年率リターン)が算出されています。
年率リターンは、おまかせ投資では7.32%~13.26%に対し、ロボプロは17.88%と圧倒していました。
この差は、2020年のコロナショックによる株価下落時の運用の違いによるものと考えられます。
次の図は、おまかせ投資において、サービス開始時(2018.11.2)に100万円一括投資した場合のリターン推移です。
2020年2月中旬に115万円付近まで上昇しましたが、3月中旬には85万円付近まで約-30万円と大幅に下落しました。
一方、ロボプロにおいて、サービス開始時(2020.1.15)に100万円一括投資した場合のリターン推移です。
2020年2月中旬に102万円付近まで上昇しましたが、3月中旬には85万円付近まで約-17万円の下落しました。
おまかせ投資より、約13万円下落が抑えられていました。
おまかせ投資は、基本ポートフォリオに比較的忠実であるため、その下落をそのまま受けてしまいました。
一方、ロボプロは、AIが2月に下落を予想しポートフォリオを大幅に調整した結果、3月の下落を回避していました。
具体的には、次の図にあるように、下落直前(2020.2.18)にリスク資産の株式比率を下げ、安全資産の債券比率が上げられていました。
両者のリスクについても、見ておきましょう。
投資のリスクは、一般に標準偏差(リターンのばらつき)で評価されます。
両者の標準偏差は、次の通りでした。[2021年12月末基点]
サービス | リスク許容度 | 年率換算 | 標準偏差 |
ロボプロ | --- | 17.88% | 11.31% |
おまかせ投資 | 1 | 7.32% | 8.06% |
2 | 8.54% | 9.56% | |
3 | 10.83% | 11.99% | |
4 | 12.48% | 13.98% | |
5 | 13.26% | 15.65% |
おまかせ投資は、8.06%~15.65%でした。リスク許容度が上がるに従い、リスクが高くなります。
一方、ロボプロは11.31%と、おまかせ投資のリスク許容度2と3の間でした。
ロボプロは、おまかせ投資のリスク許容度3よりもリスクが低く、リターンが大幅に大きいということがわかります。
このように、おまかせ投資は、リスク許容度1→5に応じて、リスクとリターンが決まってきます。
一方、ロボプロは、市場を先読みし、リターンが最大になるポートフォリオが選択されます。現時点では、リターンは最大化されています。
おまかせ投資とロボプロの手数料は?
両者ともに初期投資10万円から始めることができます。
両者とも手数料は、年率1.0%(税抜)です。
ただし、預かり資産が3000万円を超える部分は、0.5%(税抜)となります。
同じ手数料なので、「AIが使えるロボプロがお得」と個人的には思います。
まとめ
両者の投資対象はETFで、資産の種類も同じです。
両者は投資方針に大きな違いがあります。
おまかせ投資は、リスク許容度1~5に応じて基本ポートフォリオが決定されます。一方、ロボプロはAIが先読みし、その時に最適と判断したポートフォリオに決定されます。
おまかせ投資は5つのプランから選択可能ですが、ロボプロは1プランのみです。
期待リターンと想定リスクは、おまかせ投資ではリスク許容度に応じて変化します。一方、ロボプロではAI次第です。
年率リターンで比較すると、おまかせ投資では7.32%~13.26%に対し、ロボプロは17.88%と圧倒していました。
手数料は1.0%(税抜)で同じです。
以上を踏まえて、次のような希望に合わせて、あなたの最適な方を選んでみてはいかがでしょうか。
両者の最新ポートフォリオを確認して、あなたの好みを見つけてみても良いでしょう。
公式ページからログイン後、メニュー画面でROBOPRO、又はおまかせ投資を選択すると確認できます。
参考になれば、幸いです。
その他、ロボプロに関するトピックは、「AI搭載ロボアドバイザー フォリオ・ロボプロの資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
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