こんにちは。昨今、自動でポートフォリオを調整してくれる、ロボアドバイザーが資産形成ツールとして一般的になりつつあります。
WealthNavi(ウェルスナビ)、THEO、FOLIOの大手ロボアドバイザー会社の他、マネックス証券、松井証券、楽天証券もサービスを提供し始めています。
「ロボアドバイザーを始めたいけど、どれを使ったら良いんだろう」と思いますよね。
おそらく、あなたのファーストチョイスは、最大手のウェルスナビではないでしょうか。ウェルスナビを基準に、他社と比較してどうか判断していることでしょう。
2020年1月に、FOLIOから全く新しいロボアドバイザー「FOLIO ROBO PRO」(フォリオ・ロボプロ)が登場しました。これによって、ロボアドバイザーの選択肢が一つ増えました。
ウェルスナビと、フォリオ・ロボプロのどちらを選択するかは十分に検討すべきです。
どちらがあなたに適しているかの判断する参考に、ウェルスナビとフォリオ・ロボプロの重要なポイントを比較します。
結論から述べれば、次の通りです。
- リスク許容度を自分で選びたい、ある程度ポートフォリオを固定したい:ウェルスナビ
- 下落リスクに備えたい、短期的なパフォーマンスにも期待したい:ロボプロ
更新履歴
- ウェルスナビの基本ポートフォリオ、及び上昇相場時のウェルスナビとロボプロのリターンをアップデートしました。[2022.1.16]
ウェルスナビとフォリオ・ロボプロはどこが違うのか?
投資対象はどちらもETF
ウェルスナビもロボプロも、全世界のETF(上場投資信託)に分散投資しています。
ウェルスナビは、次の7資産のETFです。
- 米国株
- 日欧株
- 新興国株
- 米国債券
- 物価連動債★
- 金(コモディティ)
- 不動産
一方、ロボプロは、次の8資産のETFです。
- 米国株
- 日欧株
- 新興国株
- 米国債券
- 新興国債券☆
- ハイイールド債券☆
- 金
- 不動産
両者は、星印をつけた資産が異なります。
ウェルスナビでは、資産価値の安定性、株式との高い分散投資効果に加えて、通常の
債券と異なりインフレへの対応も期待し、物価連動債への投資があります。
一方、ロボプロでは、物価連動債への投資がない代わりに、新興国債券とハイイールド債券があります。どちらも、高リスク・高リターンを期待した債券です。
その他の部分は、類似した資産なので、パフォーマンスは両者の投資方針(アルゴリズム)によって変わってきます。
大きな違いは、投資方針(アルゴリズム)
両者は、投資方針が大きく異なります。
ウェルスナビは、次のような流れでポートフォリオが決定されます。
1990年にノーベル賞を受賞したハリー・マーコヴィッツ氏が礎を築いた現代ポートフォリオ理論に基づいた、平均分散法を用いています。
平均分散法では、各資産クラスの「期待リターン」と「リスク」、資産クラス間の「相関」を用いて、最適なポートフォリオを算出されます。
このプロセスで必要な、期待リターンの推定にはBlack-Littermanモデル、リスクの推定には各資産クラスの過去リターンが主に用いられています。
ここに、5つの質問(年齢、年収、金融資産、投資目的、急落時の対応)から、あなたのリスク許容度を算出して、ポートフォリオが決定されます。
リスク許容度は1~5まであり、数字が大きくなるほど、想定リスク及び期待リターンが高くなります。質問に関わらず、5つから選択できます。
リスク許容度別の基本ポートフォリオを次のようになっています。[2021.11.16時点]
1→5にかけて、株式の比率が高くなり、かつ債券の比率が低くなります。
一方、ロボプロは、次のような流れでポートフォリオが決定されます。
ウェルスナビのプロセスに加え、AIによる短期的なマーケット予測が利用されています。
世界各国の株式、債券、通貨、コモディティ(金、銅、原油等)などの40種類以上のマーケットデータを学習データとして参照しています。
さらに統計的処理によって、2000種類以上の特徴量(対象の特徴が数値化されたもの)を計算しています。
その膨大な特徴量をAIに機械学習させ、マーケット予測に役立つスコアを生成します。さらに厳密に評価し、平均精度が高く、性能のばらつきが少ない予測スコアを選択します。
それを元に、AIに短期的なマーケット予測を行わせます。各資産クラスが1ヶ月後どれくらいのリターンになるのかまで算出します。
ロボプロでは、短期的なマーケット予測と長期的なデータに基づくリスクを考慮することで、価格変動の安定を目指した最適なポートフォリオが決定されています。
ロボプロには、リスク許容度の選択はありません。また、基本ポートフォリオも固定ではなく、都度AIが判断して決定されています。
下記は、2020年のロボプロのポートフォリオの推移をモニタリングしたデータです。
日によって、最適と判断される比率が大きく変動しているのが分かるかと思います。
極端な例で言うと、債券や不動産を0%としたり、金(コモディティ)を50%が最適と判断した日もありました。
※最新情報は、「フォリオ・ロボプロはどのくらいのリターンが得られる?実績をブログで解説」でまとめていますので、あわせてご覧ください。
ウェルスナビでは、リスク許容度をあなた自身が選べ、基本ポートフォリオが固定されています。
一方、ロボプロは、リスク許容度は選べず、基本ポートフォリオも購入開始時期によって変動します。
両者とも月1回程度、ポートフォリオの調整(リバランス)はされています。
この両者の違いは、十分に理解しておきましょう。
ウェルスナビとフォリオ・ロボプロのリターンとリスクを比較
「両者のリターンとリスクがどれくらいか」も当然気になりますよね。
コロナショックがあった2020年の「下落相場時」(~2020年8月)と、それ以降の「上昇相場時」(~2021年11月)の2パターンで比較しました。
下落相場時の比較
2020年8月基点において、両者の期間別リターンは、次の通りでした。
サービス | リスク許容度 | 過去1ヶ月 | 過去6ヶ月 | 過去1年 |
ロボプロ | --- | 4.07% | 14.93% | --- |
ウェルスナビ | 1 | 1.6% | 2.0% | 7.4% |
2 | 2.6% | 3.5% | 9.0% | |
3 | 3.5% | 4.7% | 10.3% | |
4 | 4.3% | 6.0% | 11.7% | |
5 | 4.7% | 6.4% | 12.0% |
ロボプロには、リスク許容度はありません。また、ロボプロは、2020.1.15にサービス開始のため、当時、過去1年のデータはまだありませんでした。
ウェルスナビの過去1ヶ月リターンは、1.6%~4.7%でした。リスク許容度が上がるに従い、リターンが高く、投資方針がきちんと守られています。
一方、ロボプロの過去1ヶ月リターンは、4.07%でした。ウェルスナビのリスク許容度3と4の間くらいのリターンでした。
過去6ヶ月リターンには、両者に大きな差がありました。
ウェルスナビは2.0%~6.4%に対し、ロボプロは14.93%と圧倒していました。
この差は、2020年のコロナショックによる株価下落時の運用の違いによるものと考えられます。
ウェルスナビは、基本ポートフォリオに比較的忠実であるため、その下落をそのまま受けてしまいました。
一方、ロボプロは、AIが2月に下落を予想しポートフォリオを大幅に調整した結果、3月の下落を回避していました。
具体的には、次の図にあるように、下落直前(2020.2.18)にリスク資産の株式比率を下げ、安全資産の債券比率が上げられていました。
[出典:FOLIO]
下落相場時の両者のリスクについても、見ておきましょう。
投資のリスクは、一般に標準偏差(リターンのばらつき)で評価されます。
2020年8月基点において、両者の標準偏差は、次の通りでした。
サービス | リスク許容度 | 過去6ヶ月 | 標準偏差 |
ロボプロ | --- | 14.93% | 15.58% |
ウェルスナビ | 1 | 2.0% | 9.0% |
2 | 3.5% | 10.6% | |
3 | 4.7% | 12.2% | |
4 | 6.0% | 13.6% | |
5 | 6.4% | 14.7% |
ウェルスナビは、9.0%~14.7%でした。リスク許容度が上がるに従い、リスクが高く、投資方針がきちんと守られています。
一方、ロボプロは15.58%でした。ウェルスナビのリスク許容度5よりも、大きい変動でした。市場環境に応じて、ポートフォリオが調整されるため、大きくなりがちです。
上昇相場時の比較
2021年11月基点において、両者の期間別リターンは、次の通りでした。
サービス | リスク許容度 | 過去1ヶ月 | 過去6ヶ月 | 過去1年 |
ロボプロ | --- | -2.77% | 1.66% | 22.70% |
ウェルスナビ | 1 | -0.2% | 5.5% | 16.2% |
2 | -0.5% | 5.6% | 19.2% | |
3 | -0.9% | 5.2% | 21.6% | |
4 | -1.5% | 4.7% | 23.5% | |
5 | -1.9% | 4.2% | 24.4% |
過去1ヶ月リターンは、ウェルスナビでは-1.9%~-0.2%に対し、ロボプロでは-2.77%と最も低かったです。
過去6ヶ月リターンは、ウェルスナビでは4.2%~5.6%に対し、ロボプロでは1.66%と最も低かったです。
過去1年リターンは、ウェルスナビのリスク許容度(1)<(2)<(3)<ロボプロ<(4)<(5)の順に大きかったです。
上昇相場時の両者のリスクについても、見ておきましょう。
2021年11月基点において、両者の標準偏差は、次の通りでした。
サービス | リスク許容度 | 過去1年 | 標準偏差 |
ロボプロ | --- | 22.70% | 11.49% |
ウェルスナビ | 1 | 16.2% | 8.7% |
2 | 19.2% | 10.7% | |
3 | 21.6% | 13.1% | |
4 | 23.5% | 14.9% | |
5 | 24.4% | 16.2% |
ウェルスナビでは、8.7%~16.2%でした。リスク許容度が上がるに従い、リスクが高くなります。
一方、ロボプロは11.49%と、ウェルスナビのリスク許容度2と3の間でした。
ロボプロは、ウェルスナビのリスク許容度3よりもリスクが低く、リターンが若干大きいということがわかります。
このように、ウェルスナビは、リスク許容度1→5に応じて、リスクとリターンが決まってきます。
一方、ロボプロは、市場を先読みし、リターンが最大になるポートフォリオが選択されます。現時点では、リターンは最大化されています。
上記の期間におけるリターンは、下落相場時はロボプロが高い傾向、上昇相場時はウェルスナビ(リスク許容度4以上)が高い傾向がありました。
ウェルスナビとフォリオ・ロボプロの手数料は?
両者ともに初期投資10万円から始めることができます。
両者とも手数料は、年率1.0%(税抜)です。
ただし、預かり資産が3000万円を超える部分は、0.5%(税抜)となります。
ウェルスナビには、長期割があり、最大0.9%まで下がります。
手数料面では、両者には大きな差はないので、そこまで意識しなくても良いでしょう。
まとめ
両者の投資対象はETFで、資産分類の大部分は同じです。
ウェルスナビには物価連動債があり、ロボプロには新興国債券とハイイールド債券があります。
両者は投資方針に大きな違いがあります。
ウェルスナビは、リスク許容度1~5に応じて基本ポートフォリオが決定されます。一方、ロボプロは、AIが先読みし、その時に最適と判断したポートフォリオに決定されます。
ウェルスナビは、5つのプランから選択可能ですが、ロボプロは1プランのみです。
期待リターンと想定リスクは、ウェルスナビではリスク許容度に応じて変化します。一方、ロボプロではAI次第です。
リターンは、下落相場時はロボプロが高い傾向、上昇相場時はウェルスナビ(リスク許容度4以上)が高い傾向がありました。
手数料は1.0%(税抜)で同じです。
以上を踏まえて、次のような希望に合わせて、貴方の最適な方を選んでみてはいかがでしょうか。
参考になれば、幸いです。
その他、ロボプロに関するトピックは、「AI搭載ロボアドバイザー フォリオ・ロボプロの資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
関連記事
・最新キャンペーンはコレ!FOLIO(フォリオ)ロボプロの口座開設方法
フォリオ・ロボプロは、AIによるマーケットデータを活用し、長期に加え短期パフォーマンス向上も目指したロボアドバイザーです。
プロ仕様のAIを搭載しているにも関わらず、手数料は1%(税抜)とリーズナブル!
まずは、ロボプロで資産運用するメリットをチェック!
© FOLIO