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不動産クラウドファンディングみんなの年金の元本割れリスクを解説

執筆者:NISA SCHOOL 永松 龍一郎(Udemy認定講師

みんなの年金,評判・口コミ

ご存知のように、みんなの年金は、10万円と少額からプロが選定したワンルーム物件に投資できるサービスです。

2021年2月にサービスが開始されました。

 

みんなの年金を含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。

「みんなの年金を検討中だけど、元本割れリスクがあるから躊躇している」という方もいるのでは。

元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。

大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。

 

今回は、みんなの年金のファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。

みんなの年金を利用するか否かの参考にしていただけたら、幸いです。

 

 

みんなの年金のメリットである、優先劣後出資方式とは?

みんなの年金,優先劣後出資方式

[出典:みんなの年金]

優先劣後出資方式とは、簡単に言うと、得られた利益があなたに優先的に配分される仕組みです。

物件売却時の価格下落リスクを低減しています。

みんなの年金では、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社(劣後出資者)の両者からお金を集めています。

ファンドの元本や配当金の支払いは、優先出資であるあなたが優遇されます。このように、優先と劣後に分ける出資方法を、優先・劣後出資方式と言います。

優先・劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。

みんなの年金の劣後出資割合は、10%~30%が基本となっています。

 

 

みんなの年金のファンドが元本割れするケース

どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。

結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。

 

「みんなの年金6号ファンド」を例に、元本償還シミュレーションを作成しました。

このファンドの概要は次の通りです。

  • 総出資額:500万円
  • 募集金額:450万円
  • 想定運用期間:12ヶ月
  • 想定利回り:8.0%
  • 優先劣後出資割合:90%・10%

 

例①~③のケースで見ていきましょう。 

みんなの年金,元本割れシミュレーション

 

例①は、運用終了時点で「物件を550万円で売却」した場合です。

この場合、総出資額の500万円を超えています。

あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益は、運営会社側の収益になります。

あなたには、別途、利回り8.0%の配当金が支払われます。

 

例②は、運用終了時点で「物件を470万円で売却」した場合です。

この場合、総出資額の500万円を下回っています。損失が30万円です。

ここで、優先劣後出資方式のメリットが作用します。

損失は、劣後出資額(運営会社側)から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。

 

例③は、運用終了時点で「物件を420万円で売却」した場合です。

この場合、総出資額の500万円を下回っています。損失が80万円です。

ここでも、優先劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(運営会社側)から補填されます。

しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の50万円を上回っています。

50万円-80万円=-30万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。

計算上は、-30万円/450万円×100%=-6.66%に減ると推測できます。例えば、1口10万円投資していれば、93,340円戻ってくる計算になります。

 

簡単にまとめると、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。

みんなの年金では、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。

その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、分配金が少なくなります。

 

 

まとめ

みんなの年金のファンドでは、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。

あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先・劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。

これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。

それぞれのファンドで、リスクとリターンが異なります。

 

その他、みんなの年金に関するトピックは、「不動産クラウドファンディングみんなの年金の資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。

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