こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。
2020.8.11以降、あおぞら銀行(8304)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。
あおぞら銀行の業種分類は、銀行業です。
銀行業を中心に、金融商品の販売、投資運用・投資助言業務、ベンチャーキャピタル業務、債券管理慣習業務等を営んでいます。
「あおぞら銀行を、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、あおぞら銀行の配当分析をまとめています。
あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。
更新履歴
- 2023年3月期の四半期決算チェックを更新しました。[2022.11.20]
四半期決算チェック
あおぞら銀行の業績推移
2013年3月期~2022年3月期の売上高、経常利益、当期利益は次の通りです。
売上高は、右肩上がりで推移していましたが、2021.3期は若干減少しました。
当期利益は、2019.3期以降は減少傾向にありましたが、直近では回復傾向にありました。
2023.3期の業績予想では、当期利益は+2.8%の36,000百万円と増益が見込まれています。
決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期利益 |
2013/03 | 118,109 | 41,080 | 40,559 |
2014/03 | 131,834 | 52,186 | 42,328 |
2015/03 | 130,035 | 59,671 | 43,689 |
2016/03 | 124,054 | 55,721 | 43,499 |
2017/03 | 134,704 | 51,764 | 43,849 |
2018/03 | 148,819 | 57,984 | 43,064 |
2019/03 | 160,136 | 47,796 | 36,130 |
2020/03 | 184,406 | 43,330 | 28,142 |
2021/03 | 155,755 | 38,982 | 28,972 |
2022/03 | 134,737 | 46,294 | 35,004 |
※単位:百万円
あおぞら銀行のキャッシュフロー推移
2013.3期~2022.3期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2013/03 | 140,863 | 117,499 | -122,500 | 347,736 | 258,362 |
2014/03 | -87,801 | 179,321 | -51,715 | 387,540 | 91,520 |
2015/03 | -139,546 | 291,989 | -39,083 | 500,900 | 152,443 |
2016/03 | 180,160 | -6,014 | -185,339 | 489,707 | 174,146 |
2017/03 | 33,243 | -28,244 | -20,705 | 474,001 | 4,999 |
2018/03 | 227,599 | -211,578 | -21,990 | 468,031 | 16,021 |
2019/03 | 147,285 | -55,862 | -19,710 | 539,743 | 91,423 |
2020/03 | -286,284 | 121,823 | -17,871 | 357,411 | -164,461 |
2021/03 | 728,732 | -223,529 | -14,882 | 847,732 | 505,203 |
2022/03 | 253,900 | -23,830 | -16,059 | 1,061,743 | 230,070 |
営業CFは、2015.3期~2019.3期まではプラスで推移していましたが、2020.3期は大幅にマイナスに転じました。しかし、翌年の2021.3期は大きく回復しました。
現金・現金等価物は、2020.3期はやや減少するも、一定以上保有しています。
フリーCFは、2020.3期はマイナスに転じましたが、2021.3期は大きく回復しました。
あおぞら銀行の配当分析
私が分析しているのは、次の3点です。
- 配当方針
- 配当実績と配当成長率
- 配当性向(当期利益、フリーCFベース)
配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。
あおぞら銀行の場合、株価2660円(2022.6.10終値)で、配当が予想通り年154円であったと仮定すると、配当利回りは5.79%です。
配当方針
あおぞら銀行の配当方針は、「配当・株主優待制度 | あおぞら銀行」によれば、配当性向50%が設定されています。
配当実績と配当成長率
配当に関する基本情報は次の通りです。
- 配当回数:年4回
- 配当権利確定日:6.30、9.30、12.31、3.31
あおぞら銀行は、年4回配当が得られる日本では珍しい銘柄の一つです。[参考:年4回配当金(四半期配当)がもらえる日本株はこの11銘柄]
2017.3期~2022.3期の配当実績、及び2023.3期の配当予想は、次の通りでした。
決算期 | 配当金 | 配当成長率 |
2017/03 | 187 | --- |
2018/03 | 184 | -2% |
2019/03 | 154 | -16% |
2020/03 | 156 | 1% |
2021/03 | 124 | -21% |
2022/03 | 145 | 17% |
2023/03(予想) | 154 | 6% |
2018.3期以降、やや減配傾向にあります。あおぞら銀行は、配当性向50%と決まっていますので、当期利益に準じて変動します。
配当性向(当期利益・フリーCFベース)
配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。
米国株投資ではフリーCFベースで分析されます。私はこれを日本株にも応用しています。
フリーCFとは、営業CF+投資CFで算出される数値で、簡単に言えば、企業が自由に使える現金です。
フリーCFは、新たな設備投資、借入金の返済、内部留保、そして配当に使われます。そのため、配当株投資では重要な分析対象となりえます。
フリーCFが潤沢にあれば、配当の増額にも期待できます。一方、フリーCFが少ないのに配当を維持していたら、「そろそろ減配が近づいているかもしれない」と事前にリスクを察知できます。
詳しくは、書籍『「年100回配当」投資術ー日本人が知らない秘密の収入源』を読むと配当投資のレベルがグッと上がります。
2017.3期~2022.3期の配当性向を算出すると、次の通りです。
発行済み株数は、118,289,418株(2022.6.10時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。
決算期 | 当期利益ベース | フリーCFベース |
2017/03 | 50% | 442% |
2018/03 | 51% | 136% |
2019/03 | 50% | 20% |
2020/03 | 66% | 非算出 |
2021/03 | 51% | 3% |
2022/03 | 49% | 7% |
2023/03(予想) | 51% | --- |
※数値がマイナスとなるものは、「非算出」と表現しています。
当期利益ベースでは、49%~66%と100%以下で安全圏内でした。
2019.3期までは、配当方針通り、配当性向50%に設定されていました。2020.3期は、配当性向66%とやや方針以上の支払いがあります。
フリーCFベースでは、2017.3期、2018.3期は100%超と注意水準でした。2020.3期はマイナスですが、それ以外は安全圏内でした。
今後もフリーCFは十分に留意しておきましょう。
まとめ
私が、あおぞら銀行を配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。
売上高は、右肩上がりで推移しています。当期利益は、2019.3期以降は減少傾向にありました。
営業CFは、2015.3期~2019.3期まではプラスで推移していましたが、2020.3期はマイナスに転じました。2021.3期には再びプラスに転じました。
配当方針は、「配当性向50%」と株主還元が十分に考えられています。
配当実績は、過去8年間、無配当はなく、継続性が十分にあります。
四半期配当なので、3ヶ月に1回の決算発表で、保有するか売却するか検討できます。配当停止、もしくは大幅な減配がされれば、売却を検討します。
以上のことから、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。
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