こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。
2020.8.8以降、伊藤忠エネクス(8133)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。
伊藤忠エネクスの業種分類は、卸売業です。伊藤忠グループ(8001)の、エネルギー商社で売上高が首位です。
ガス、石油、電力、熱供給、自動車、住まいと生活に必要なエネルギーを販売しています。
「伊藤忠エネクスを、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、伊藤忠エネクスの配当分析をまとめています。
あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。
更新履歴
- 2023年3月期の四半期決算チェックを更新しました。[2022.11.20]
四半期決算チェック
伊藤忠エネクスの業績推移
2013年3月期~2022年3月期の売上高、経常利益、当期利益は次の通りです。
売上高は、2014.3期を境に減少傾向があります。
しかしながら、当期利益は右肩上がりです。
2022.3期の業績予想では、売上高は+6.8%の1,000,000百万円、当期利益は-1.5%の13,000百万円と若干の減益が見込まれています。
決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期利益 |
2013/03 | 1,430,746 | 12,234 | 6,470 |
2014/03 | 1,506,606 | 13,828 | 7,119 |
2015/03 | 1,373,393 | 12,155 | 5,503 |
2016/03 | 1,071,629 | 15,004 | 7,469 |
2017/03 | 1,028,939 | 19,344 | 10,405 |
2018/03 | 1,156,344 | 19,169 | 11,025 |
2019/03 | 1,244,260 | 19,414 | 11,559 |
2020/03 | 897,427 | 19,978 | 12,056 |
2021/03 | 739,067 | 20,039 | 12,168 |
2022/03 | 936,306 | 22,241 | 13,194 |
※単位:百万円
伊藤忠エネクスのキャッシュフロー推移
2013年3月期~2022年3月期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2013/03 | 22,754 | -24,930 | 4,759 | 18,062 | -2,176 |
2014/03 | 17,530 | -12,556 | -8,859 | 14,251 | 4,974 |
2015/03 | 34,336 | -20,410 | -12,115 | 16,184 | 13,926 |
2016/03 | 30,322 | -16,673 | -9,059 | 20,824 | 13,649 |
2017/03 | 17,831 | -14,712 | -1,195 | 22,727 | 3,119 |
2018/03 | 24,239 | -18,458 | -5,850 | 22,573 | 5,781 |
2019/03 | 25,403 | -13,410 | -15,857 | 18,725 | 11,993 |
2020/03 | 28,106 | -1,411 | -26,196 | 19,243 | 26,695 |
2021/03 | 40,214 | -125 | -24,528 | 34,841 | 40,089 |
2022/03 | 39,955 | -19,113 | -17,625 | 38,145 | 20,842 |
営業CFは、プラスで安定しています。
現金・現金等価物は、安定的に推移しています。
フリーCFは、2013.3期はマイナスであるものの、それ以降はプラスを維持しています。
2021.3期では、大きくフリーCFを伸ばしています。
伊藤忠エネクスの配当分析
私が分析しているのは、次の3点です。
- 配当方針
- 配当実績と配当成長率
- 配当性向(当期利益、フリーCFベース)
配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。
伊藤忠エネクスの場合、株価1078円(2022.6.11終値)で、配当が予想通り年48円であったと仮定すると、配当利回りは4.45%です。
配当方針
伊藤忠エネクスの配当方針は、「配当方針・配当状況 | 株主・株式情報 | 伊藤忠エネクス株式会社」によると、配当性向40%以上が設定されています。
明記されているため、「株主還元もしっかりする(配当を支払う)」という意思表示だと判断しています。
配当実績と配当成長率
配当に関する基本情報は次の通りです。
- 配当回数:年2回
- 配当権利確定日:9.30(中間配当)、3.31(期末配当)
2017.3期~2022.3期の配当実績、及び2023.3期の配当予想は、次の通りでした。
決算期 | 配当金 | 配当成長率 |
2017/03 | 32 | --- |
2018/03 | 40 | 25% |
2019/03 | 42 | 5% |
2020/03 | 44 | 5% |
2021/03 | 50 | 14% |
2022/03 | 48 | -4% |
2023/03(予想) | 48 | 0% |
2022.3期は、50円→46円減配のように見えますが、2021.3期の配当のうち6円が記念配当のため、実質的には44円→48円の増配されました。
2023.3期は、前年と同額が予定されています。
配当性向(当期利益・フリーCFベース)
配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。
米国株投資ではフリーCFベースで分析されます。私はこれを日本株にも応用しています。
フリーCFとは、営業CF+投資CFで算出される数値で、簡単に言えば、企業が自由に使える現金です。
フリーCFは、新たな設備投資、借入金の返済、内部留保、そして配当に使われます。そのため、配当株投資では重要な分析対象となりえます。
フリーCFが潤沢にあれば、配当の増額にも期待できます。一方、フリーCFが少ないのに配当を維持していたら、「そろそろ減配が近づいているかもしれない」と事前にリスクを察知できます。
詳しくは、書籍『「年100回配当」投資術ー日本人が知らない秘密の収入源』を読むと配当投資のレベルがグッと上がります。
2017.3期~2022.3期の配当性向を算出すると、次の通りです。
発行済み株数は、116,881,106株(2022.6.10時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。
決算期 | 当期利益ベース | フリーCFベース |
2017/03 | 36% | 120% |
2018/03 | 42% | 81% |
2019/03 | 42% | 41% |
2020/03 | 43% | 19% |
2021/03 | 48% | 15% |
2022/03 | 43% | 27% |
2023/03(予想) | 43% | --- |
当期利益ベースでは、36%~48%と100%以下で安全圏内でした。
フリーCFベースでは、2017.3期は100%超とやや注意水準でしたが、それ以降は、フリーCFの伸びに従い、どんどん配当性向は下がって、2021.3期は15%と超安全圏内でした。
よっぽどのことがない限り、配当は継続されると予測しています。
まとめ
私が、伊藤忠エネクスを配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。
売上高はやや落ち込むながらも、営業利益、当期利益は右肩上がりです。
営業CFはプラス推移、フリーCFも徐々に増加しているため、問題ないと考えています。
配当方針は、「配当性向40%以上」と株主還元を十分に考えられています。
配当実績は、過去8年間、増配され一度も無配当はなく、継続性が十分にあります。利益増による、増配にも十分に期待しています。
フリーCFベースの配当性向は、非常に低いため、配当の支払いには問題はないと考えています。
以上のことから、増配、配当利回りの上昇に期待し、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。
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