こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。2020.8.8時点、伊藤忠エネクス(8133)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。
伊藤忠エネクスの業種分類は、卸売業です。伊藤忠グループ(8001)の、エネルギー商社で売上高が首位です。
ガス、石油、電力、熱供給、自動車、住まいと生活に必要なエネルギーを販売しています。
「伊藤忠エネクスを、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、伊藤忠エネクスの配当分析をまとめています。
あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。
次の3点をモニタリング又は分析しています。
- 業績推移
- キャッシュフロー推移
- 配当分析
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
更新履歴
- 2021年3月期1Q(4月~6月)の決算資料を反映しました。[2020.8.8]
伊藤忠エネクスの業績推移
2013年3月期~2020年3月期の売上高、営業利益、当期利益は次の通りです。
売上高は、2014.3期を境に減少傾向があります。しかしながら、営業利益、当期利益は右肩上がりです。
直近の資料(2020.7)では、2021.3期の業績予想が開示されており、売上高は-20.8%の710,000(百万円)に落ち込みます。
営業利益は-16.9%の16,000(百万円)、当期利益は-8.7%の11,000(百万円)が予想されています。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 当期利益 |
2013.3 | 1,430,746 | 12,738 | 6,470 |
2014.3 | 1,506,606 | 11,859 | 7,119 |
2015.3 | 1,373,393 | 13,100 | 5,503 |
2016.3 | 1,071,629 | 16,384 | 7,469 |
2017.3 | 1,028,939 | 19,678 | 10,405 |
2018.3 | 1,156,344 | 17,153 | 11,025 |
2019.3 | 1,244,260 | 17,851 | 11,559 |
2020.3 | 897,427 | 19,257 | 12,056 |
伊藤忠エネクスのキャッシュフロー推移
2013年3月期~2020年3月期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。
決算期 |
営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2013.3 | 22,754 | -24,930 | 4,759 | 18,062 | -2,176 |
2014.3 | 17,530 | -12,556 | -8,859 | 14,251 | 4,974 |
2015.3 | 34,336 | -20,410 | -12,115 | 16,184 | 13,926 |
2016.3 | 30,322 | -16,673 | -9,059 | 20,824 | 13,649 |
2017.3 | 17,831 | -14,712 | -1,195 | 22,727 | 3,119 |
2018.3 | 24,239 | -18,458 | -5,850 | 22,573 | 5,781 |
2019.3 | 25,403 | -13,410 | -15,857 | 18,725 | 11,993 |
2020.3 | 28,106 | -1,411 | -26,196 | 19,243 | 26,695 |
営業CFは、プラスで安定しています。
現金・現金等価物は、安定的に推移しています。
フリーCFは、2013.3期はマイナスであるものの、それ以降はプラスを維持しています。直近2020.3期では投資CFが抑えられているため、おおきくフリーCFを伸ばしています。
伊藤忠エネクスの配当分析
私が分析しているのは、次の3点です。
- 配当方針
- 配当実績と配当成長率
- 配当性向(当期利益、フリーCFベース)
配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。
伊藤忠エネクスの場合、株価861円(2020.8.7終値)で、配当が予想通り年44円であったと仮定すると、配当利回りは5.11%です。
配当方針
伊藤忠エネクスの配当方針は、配当性向40%以上が設定されています。公式サイト「
配当方針・配当状況 | 株主・株式情報 | 伊藤忠エネクス株式会社 」に明記されています。
明記されているため、「株主還元もしっかりする(配当を支払う)」という意思表示だと判断しています。
直近の資料(2020.7)では、配当方針の変更は記載されていません。次期の配当は、前年の同じ年44円が予想されています。中間配当と期末配当で、それぞれ22円ずつです。
配当実績と配当成長率
配当に関する基本情報は次の通りです。
- 配当回数:年2回
- 配当権利確定日:9.30(中間配当)、3.31(期末配当)
2013.3期~2020.3期の配当実績は、次の通りでした。2021.3期は、年44円が予定されています。
過去8年間は、連続増配され、かつ無配当は一度もなく、継続的に配当が支払われています。
直近3年間、2017.3期~2020.3期と2021.3期の配当成長率を算出すると、次の通りです。
決算期 | 配当金 | 配当成長率 |
2017.3 | 32 | --- |
2018.3 | 40 | 25% |
2019.3 | 42 | 5% |
2020.3 | 44 | 5% |
2021.3(予想) | 44 | 0% |
2018.3期は、対前年で+8円と25%もアップしました。それ以降も5%アップとコンスタントに増配されています。
配当性向(当期利益・フリーCFベース)
配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。
理由は、「 松井証券は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか? 」で解説しています。
2017.3期~2020.3期の配当性向を算出すると、次の通りです。
発行済み株数は、116,881,106株(2020.3.31時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。
決算期 | 当期利益ベース | フリーCFベース |
2017.3 | 36% | 120% |
2018.3 | 42% | 81% |
2019.3 | 42% | 41% |
2020.3 | 43% | 19% |
当期利益ベースでは、36%~43%と100%以下で安全圏内でした。
フリーCFベースでは、2017.3期は100%超とやや注意水準でしたが、それ以降は、フリーCFの伸びに従い、どんどん配当性向は下がって、2020.3期は19%と超安全圏内でした。
2021.3期は-8.7%の利益減が予想されていますが、よっぽどのことがない限り、配当は継続されると推測しています。
まとめ
私が、伊藤忠エネクスを配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。
売上高はやや落ち込むながらも、営業利益、当期利益は右肩上がりです。
営業CFはプラス推移、フリーCFも徐々に増加しているため、問題ないと考えています。
配当方針は、「配当性向40%以上」と株主還元を十分に考えられています。直近の方針変更もなし。
配当実績は、過去8年間、増配され一度も無配当はなく、継続性が十分にあります。2021.3期は利益減が予想されているため、配当維持ですが、また、元の水準に戻れば、増配にも十分に期待しています。
フリーCFベースの配当性向は、非常に低いため、配当の支払いには問題はないと考えています。
以上のことから、増配、配当利回りの上昇に期待し、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。
次回は、10月に短信が開示されましたら、本ページの配当分析を更新予定です。
関連記事
・会社員が手軽に年50回の配当を日本株投資で得るための3ステップ
・2020年7月度日本株レポート|配当収入目的で8銘柄に投資開始