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スカラ(4845)は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?

執筆者:NISA SCHOOL 永松 龍一郎(Udemy認定講師

スカラ,配当分析

こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。

2020.8.17以降、スカラ(4845)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。

 

スカラの業種分類は、情報・通信です。

SaaS(サービスとしてのソフトウェア)やASP(アプリケーションサービス提供事業者)を提供する企業です。その他、価値創造支援とIT/AI/IoTの導入支援を同時に行う経営コンサルティング体制を構築し、ワンストップでソリューションを提供しています。

 

「スカラを、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、スカラの配当分析をまとめています。

あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。

 

 

更新履歴

  • 四半期決算チェックを更新しました。[2022.6.12]

 

 

四半期決算チェック

四半期決算では、配当の状況と、通期の業績予想の当期利益をチェックしましょう。

2022.5.16に、2022年6月期 第3四半期決算短信が開示されました。

  • 配当の状況:変更なし。期末18円配当を予想。通期で36円配当を予想。
  • 当期利益:0円を予想。

 

配当については、問題ありませんでした。

当期利益が0円である理由は、決算説明資料(p.14)において、投資・ インキュベーション事業における投資先上場企業の株価低下による評価損の計上やM&A実行による買収コスト等の増加等が挙げられていました。

 

 

スカラの業績推移

2013年6月期~2021年6月期の売上高、経常利益、当期利益は次の通りです。

売上高は、2017.6期を境に大きく伸ばしていました。2021.6期は大きく下がりました。

当期利益は、2021.6期に大きく増加していますが、これは、子会社のソフトブレーン社(4779)の株式の譲渡益が計上されているためです。(子会社株式の譲渡について

2022.3期の業績予想では、2社の株式取得が決まったため、未定となっていました。

スカラ,業績推移

決算期 売上高 経常利益 当期利益
2013/06 1,733 328 192
2014/06 1,883 381 221
2015/06 2,237 553 361
2016/06 2,693 1,196 830
2017/06 10,663 3,728 2,987
2018/06 12,829 1,535 707
2019/06 17,112 2,137 946
2020/06 17,025 907 321
2021/06 8,734 188 3,065

※単位:百万円

 

 

スカラのキャッシュフロー推移

2013.6期~2021.6期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。

スカラ,キャッシュフロー推移

決算期 営業CF 投資CF 財務CF 現金・現金等価物 フリーCF
2013/06 319 -40 -233 952 279
2014/06 358 -18 -104 1,187 340
2015/06 560 -532 214 1,430 28
2016/06 413 -781 3,997 5,060 -368
2017/06 755 -759 -59 4,999 -4
2018/06 1,389 -589 -848 4,950 800
2019/06 1,922 -893 414 6,393 1,029
2020/06 1,131 -1,428 1,715 7,822 -297
2021/06 720 4,429 -3,160 9,809 5,149

 

営業CFは、プラスで安定しています。

現金・現金等価物は、安定的に右肩上がりで推移しています。

フリーCFは、プラスとマイナス両方あります。直近2020.6期はマイナスになっています。

 

スカラの配当分析

私が分析しているのは、次の3点です。

  1. 配当方針
  2. 配当実績と配当成長率
  3. 配当性向(当期利益、フリーCFベース)

 

配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。

スカラの場合、株価692(2022.2.25終値)で、配当が予想通り年36円であったと仮定すると、配当利回りは5.20%です。

 

配当方針

スカラの配当方針は、具体的な記載はありませんでした。[2022.2.26] 

ただし、実績として増配し続けています。

過去には、以下のように記載されていました。

当社は、株主各位に対する利益還元を重要な経営方針として位置付け、財務体質の強化と今後の事業展開への対応を図るために必要な内部留保を確保しつつも、安定配当を実施していくことを基本方針としております。

 

配当実績と配当成長率

配当に関する基本情報は次の通りです。

  • 配当回数:年2回
  • 配当権利確定日:12.31(中間配当)、6.30(期末配当)

 

2019.3期~2021.3期の配当実績、及び2022.3期の配当予想は、次の通りでした。

決算期 配当金 配当成長率
2017/06 18 ---
2018/06 20 11%
2019/06 24 20%
2020/06 28 17%
2021/06 32 14%
2022/06(予想) 36 13%

 

年11%~20%とコンスタントに増配されています。

 

配当性向(当期利益・フリーCFベース)

配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。

米国株投資ではフリーCFベースで分析されます。私はこれを日本株にも応用しています。

フリーCFとは、営業CF+投資CFで算出される数値で、簡単に言えば、企業が自由に使える現金です。

フリーCFは、新たな設備投資、借入金の返済、内部留保、そして配当に使われます。そのため、配当株投資では重要な分析対象となりえます。

フリーCFが潤沢にあれば、配当の増額にも期待できます。一方、フリーCFが少ないのに配当を維持していたら、「そろそろ減配が近づいているかもしれない」と事前にリスクを察知できます。

詳しくは、書籍『「年100回配当」投資術ー日本人が知らない秘密の収入源』を読むと配当投資のレベルがグッと上がります。

 

2017.6期~2021.6期の配当性向を算出すると、次の通りです。

発行済み株数は、17,674,659株(2022.2.25時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。

決算期 当期利益ベース フリーCFベース
2017/06 11% 非算出
2018/06 50% 44%
2019/06 45% 41%
2020/06 154% 非算出
2021/06 18% 11%
2022/06(予想) --- ---

※数値がマイナスとなるものは、「非算出」と表現しています。

 

当期利益ベースでは、2020.6期以外、11%~50%と100%以下で安全圏内でした。

フリーCFベースでは、2017.6期、2020.6期はフリーCFがマイナスなので算出していません。2018.6期、2019.6期、2021.6期は、11%~44%と100%以下で安全圏内でした。

現金・現金等価物が増加しているため、配当は支払い続けれると思われます。

今後ものフリーCFベースの配当性向にも留意しておきましょう。

 

 

まとめ

私が、スカラを配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。

売上高は、2017.6期を境に大きく伸びていました。2021.6期は減少しました。当期利益は変動が大きめです。

フリーCFも変動が大きめですが、現金・現金等価物は右肩上がりで推移しています。

配当方針は、具体的な記載はないですが、「安定配当」を基本方針と思われます。

配当実績は、過去8年間連続で増配されており、継続性が十分にあります。

フリーCFベースの配当性向には、十分に留意しておきましょう。

以上のことから、安定的な増配に期待し、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。

 

 

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