こんにちは、永松です。積立NISAでインデックスファンドに投資するなら、低コストのeMAXIS Slimシリーズが第一選択肢になりつつありますね。
国際分散投資のファンドを希望するなら、「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が候補として挙がります。
あなたも、これらのファンドを候補にしているのではないでしょうか。
ここで一番悩むのが、「どちらを選んだらよいのか」ですよね。
あなたがオールカントリーと除く日本を最適に選択できるように、3つの希望パターンに分けて選び方を解説します。
オールカントリーと除く日本を比較
まずは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」について、重要な部分を比較しましょう。
オールカントリーは2018.3.19、除く日本は2018.10.31に設立したファンドです。
インデックスファンド選びのポイントは、ベンチマークと信託報酬です。
ベンチマークは、次の通りです。
- オールカントリー:MSCI・オール・カントリー・ワールド・インデックス
- 除く日本:MSCI・オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)
オールカントリーでは、投資対象は日本を含む先進国と新興国の株式です。
一方、除く日本では、オールカントリーから日本が除外されています。
信託報酬は、両者とも同じで、0.1144%(税込)です。
両者の違いは、日本を含むか含まないかだけです。
「リターンに違いがあるんじゃないの?」と気になる方も多いでしょう。確認してみましょう。
設定来からの基準価額の推移は、次の通りです。[2020.7.10時点]
オールカントリーと除く日本では、ほぼ同様の基準価額で推移しているのが分かります。
6ヶ月、1年、設定来のリターンは、次の通りです。[2020.6.30基点]
ファンド名 | 6ヶ月 | 1年 | 設定来 |
除く日本 | -8.97% | 1.50% | 6.60% |
オールカントリー | -8.90% | 1.62% | 6.91% |
直近1年では、オールカントリーが除く日本に対して、+0.12%リターンが高かったです。
設定来では、オールカントリーが除く日本に対して、+0.31%リターンが高かったです。
そこまで、リターンに違いあるとは思いません。
両者ともできて間もないため、一概にどちらが良いとは言えず、3年、5年とリターンを見ていく必要があります。
オールカントリーと除く日本のどちらを選んだらよいのか?
次の3つの希望に合わせて、オールカントリーと除く日本のどちらが適切か考えてみましょう。
- 日本株に投資したくない
- 日本株に投資したいが、日本株インデックスファンドには投資したくない
- 低コストで、日本を含む全世界株式に投資したい
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
パターン1:日本株には投資したくない
この場合は、「除く日本」を選択しましょう。
パターン2:日本株に投資したいが、日本株インデックスファンドには投資したくない
この場合は、「除く日本」を選択して、日本株のアクティブファンドとの組合せをおすすめします。
2020.7.12時点、積立NISA対象の日本株のアクティブファンドは、次の7本です。
- 結い2101
- コモンズ30ファンド
- 大和住銀DC国内株式ファンド
- 年金積立 Jグロース
- ニッセイ日本株ファンド
- ひふみプラス
- ひふみ投信
結い2101は、直販口座でしか購入できないため、「除く日本」と組合せ購入できません。
同様に、ひふみ投信も直販口座でしか購入できません。しかし、同様の商品であるひふみプラスは各証券会社で購入できるため、「除く日本」と組合せ購入可能です。
残り5本の中から、あなたが希望するアクティブファンドと組合せするのも良いでしょう。
除く日本と、アクティブファンドをどの比率にしたら良いか迷いますよね。
一つの戦略として、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の日本比率に合わせるとしてもよいでしょう。
2020年6月度のレポートによれば、日本比率は7.1%です。
これをもとに比率を決めるなら、除く日本93%、日本株アクティブファンド7%です。毎月1万円積立するならば、それぞれ9300円と700円と積立設定する感じです。
例えば、コモンズ30ファンドを組合せ購入した場合、リターンがどうなるか見てみましょう。
ファンド名 | 6ヶ月 | 1年 |
オールカントリー | -8.90% | 1.62% |
除く日本 | -8.97% | 1.50% |
コモンズ30 | -3.81% | 7.98% |
除く日本(93%)・ コモンズ30(7%) |
-8.61% | 1.95% |
組合せリターンは、直近1年であれば、1.50%×(93%)+7.98%×(7%)=1.95%のように算出できます。
組合せした場合、除く日本を100%で保有するよりも、+0.45%リターンが高くなります。
また、日本株インデックスを含む、オールカントリーを100%保有するよりも、+0.33%リターンが高くなります。
このように、日本株に投資したいが、日本株インデックスファンドには投資したくない場合は、あなたの希望するアクティブファンドを、組み合わせる方法がおすすめです。
パターン3:低コストで、日本を含む全世界株式に投資したい
この場合、又は積立は1本だけにしたい場合は、「オールカントリー」を選択しましょう。
この1本を購入するだけで、全世界株式に適正な比率で投資できるため、面倒なことはありません。
まとめ
eMAXIS Slim 全世界株式・オールカントリーと除く日本について、3つの希望パターンに分けて選び方を解説しました。
再度、結論をまとめると、次の通りです。
- 日本株に投資したくない:除く日本
- 日本株に投資したいが、日本株インデックスファンドには投資したくない:除く日本+アクティブファンド
- 低コストで、日本を含む全世界株式に投資したい:オールカントリー
ファンド選びの参考になれば、幸いです。
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