こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。2020.8.10時点、兼松(8020)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。
兼松の業種分類は、卸売業です。1889年に兼松房治郎 氏が創業し、長い歴史を持つ会社です。
電子・デバイス、食料、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空を中心とした、幅広い事業を行っています。
「兼松を、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、兼松の配当分析をまとめています。
あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。
次の3点をモニタリング又は分析しています。
- 業績推移
- キャッシュフロー推移
- 配当分析
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
更新履歴
- 新規作成しました。[2020.8.10]
兼松の業績推移
2013年3月期~2020年3月期の売上高、営業利益、当期利益は次の通りです。
売上高は、2017.3期を境に大きく減少しました。2018.3期~2020.3期は横ばいです。しかしながら、営業利益、当期利益は伸ばしています。
直近の決算資料(2020.7)では、2021.3期の業績予想が開示されており、売上高は-3.0%の700,000(百万円)と多少落ちます。
営業利益は-4.8%の27,000(百万円)、当期利益は+0.7%の14,500(百万円)が予想されています。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 当期利益 |
2013.3 | 1,019,232 | 18,262 | 9,564 |
2014.3 | 1,114,539 | 19,776 | 11,799 |
2015.3 | 1,108,230 | 23,547 | 10,546 |
2016.3 | 1,056,230 | 18,772 | 8,959 |
2017.3 | 1,100,254 | 22,633 | 8,049 |
2018.3 | 714,790 | 26,160 | 16,317 |
2019.3 | 723,849 | 30,349 | 16,605 |
2020.3 | 721,802 | 28,352 | 14,399 |
兼松のキャッシュフロー推移
2013.3期~2020.3期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2013.3 | 1,355 | 1,466 | -15,721 | 60,032 | 2,821 |
2014.3 | 22,384 | -1,111 | -9,351 | 73,548 | 21,273 |
2015.3 | 6,758 | -6,649 | -10,046 | 66,485 | 109 |
2016.3 | 33,024 | -4,214 | -6,729 | 87,466 | 28,810 |
2017.3 | 11,852 | -14,691 | -6,904 | 77,566 | -2,839 |
2018.3 | 434 | 1,103 | -842 | 77,731 | 1,537 |
2019.3 | 24,698 | -6,575 | -7,158 | 88,941 | 18,123 |
2020.3 | 24,259 | -10,215 | -11,590 | 91,105 | 14,044 |
営業CFは、プラスで安定しています。
現金・現金等価物は、安定的に右肩上がりで推移しています。
フリーCFは、2017.3期はマイナスであるものの、その他はプラスを維持しています。
兼松の配当分析
私が分析しているのは、次の3点です。
- 配当方針
- 配当実績と配当成長率
- 配当性向(当期利益、フリーCFベース)
配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。
兼松の場合、株価1220円(2020.8.7終値)で、配当が予想通り年60円であったと仮定すると、配当利回りは4.92%です。
配当方針
兼松の配当方針は、「中期ビジョン | IR(株主・投資家の皆様へ)|兼松株式会社」によれば、2019.3期~2024.3期は、総還元性向25%~30%が設定されています。
やや低めと思われますが、安定的かつ持続的に配当をするためと記載されています。
配当性向ではなく、総還元性向と記載されているのは、自社株買いも含めての還元を示すためです。
直近の決算資料(2020.7)では、配当方針の変更は記載されていません。次期の配当は、前年の同じ年60円が予想されています。中間配当と期末配当で、それぞれ30円ずつです。
配当実績と配当成長率
配当に関する基本情報は次の通りです。
- 配当回数:年2回
- 配当権利確定日:9.30(中間配当)、3.31(期末配当)
2013.3期~2020.3期の配当実績は、次の通りでした。2021.3期は、年60円が予定されています。
2013.3期は配当がなかったものの、過去7年間は、増配又は維持され、継続的に配当が支払われています。
直近3年間、2017.3期~2020.3期と2021.3期の配当成長率を算出すると、次の通りです。
決算期 | 配当金 | 配当成長率 |
2017.3 | 30 | --- |
2018.3 | 60 | 100% |
2019.3 | 60 | 0% |
2020.3 | 60 | 0% |
2021.3(予想) | 60 | 0% |
2018.3期は、対前年で+30円と100%もアップしました。それ以降は年60円を維持しています。
配当性向(当期利益・フリーCFベース)
配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。
理由は、「松井証券は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?」で解説しています。
2017.3期~2020.3期の配当性向を算出すると、次の通りです。
発行済み株数は、84,500,202株(2020.3末時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。
決算期 | 当期利益ベース | フリーCFベース |
2017.3 | 31% | --- |
2018.3 | 25% | 264% |
2019.3 | 31% | 28% |
2020.3 | 35% | 36% |
当期利益ベースでは、25%~35%と100%以下で安全圏内でした。
フリーCFベースでは、2017.3期はフリーCFがマイナスなので算出していません。
2018.3期は、100%超と注意水準でしたが、それ以降は、フリーCFの伸びに従い配当性向は下がって、2019.3期と2020.3期は28%、36%と安全圏内でした。
2021.3期は+0.7%の利益増が予想されているため、配当は継続されると推測しています。
まとめ
私が、兼松を配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。
売上高はやや落ち込むながらも、安定的に推移しています。営業利益、当期利益は伸ばしています。
営業CFはプラス推移、フリーCFも直近2年では増加しているため、問題ないと考えています。
配当方針は、「総還元性向25%~30%」と安定性を重視しています。直近の配当方針の変更もなし。
配当実績は、過去7年間、増配又は維持されており、継続性が十分にあります。2021.3期も、配当維持される予定です。
2024.3期目標の当期利益250億円に近付けば、増配される可能性もあります。
フリーCFベースの配当性向は低いため、配当の支払いには問題はないと考えています。
以上のことから、安定的な配当に期待し、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。
次回は、11月に短信が開示されましたら、本ページの配当分析を更新予定です。
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