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兼松(8020)は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?

執筆者:NISA SCHOOL 永松 龍一郎(Udemy認定講師

兼松,配当分析

こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。

2020.8.10以降、兼松(8020)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。

 

兼松の業種分類は、卸売業です。1889年に兼松房治郎 氏が創業し、長い歴史を持つ会社です。

電子・デバイス、食料、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空を中心とした、幅広い事業を行っています。

 

「兼松を、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、兼松の配当分析をまとめています。

あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。

 

 

更新履歴

  • 2023年3月期の四半期決算チェックを更新しました。[2022.11.20]

 

 

四半期決算チェック

四半期決算では、配当の状況と、通期の業績予想の当期利益をチェックしましょう。
2022.11.4に、2023年3月期 第2四半期決算短信が開示されました。
配当の状況:増配。期中37.5円配当。通期で75円配当を予想。
当期利益:上方修正。19,000百万円(対前年比+18.9%)を予想。

 

 

兼松の業績推移

2013年3月期~2022年3月期の売上高、営業利益、当期利益は次の通りです。

売上高は、2017.3期を境に大きく減少しました。しかしながら、当期利益は伸ばしています。

2023.3期の業績予想では、売上高は+10.7%の850,000百万円、当期利益は+12.6%の18,000百万円と大幅な上昇が見込まれています。

兼松,業績推移

決算期 売上高 経常利益 当期利益
2013/03 1,019,232 16,705 9,564
2014/03 1,114,539 20,160 11,799
2015/03 1,108,230 22,373 10,546
2016/03 1,056,230 18,122 8,959
2017/03 1,100,254 17,875 8,049
2018/03 714,790 26,043 16,317
2019/03 723,849 29,177 16,605
2020/03 721,802 26,944 14,399
2021/03 649,142 23,580 13,315
2022/03 767,963 28,765 15,986

※単位:百万円

 

 

兼松のキャッシュフロー推移

2013.3期~2022.3期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。

兼松,キャッシュフロー推移

決算期 営業CF 投資CF 財務CF 現金・現金等価物 フリーCF
2013/03 1,355 1,466 -15,721 60,032 2,821
2014/03 22,384 -1,111 -9,351 73,548 21,273
2015/03 6,758 -6,649 -10,046 66,485 109
2016/03 33,024 -4,214 -6,729 87,466 28,810
2017/03 11,852 -14,691 -6,904 77,566 -2,839
2018/03 434 1,103 -842 77,731 1,537
2019/03 24,698 -6,575 -7,158 88,941 18,123
2020/03 24,259 -10,215 -11,590 91,105 14,044
2021/03 36,984 -9,927 -37,497 81,045 27,057
2022/03 15,382 -10,547 4,245 91,420 4,835

※単位:百万円

 

営業CFは、プラスで安定しています。

現金・現金等価物は、安定的に右肩上がりで推移しています。

フリーCFは、2017.3期はマイナスであるものの、その他はプラスを維持しています。

 

 

兼松の配当分析

私が分析しているのは、次の3点です。

  1. 配当方針
  2. 配当実績と配当成長率
  3. 配当性向(当期利益、フリーCFベース)

 

配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。

兼松の場合、株価1358円(2022.6.10終値)で、配当が予想通り年70円であったと仮定すると、配当利回りは5.15%です。

 

配当方針

兼松の配当方針は、「中期ビジョン | IR(株主・投資家の皆様へ)|兼松株式会社」によれば、最終年度2024.3期は、総還元性向30%~35%が設定されています。

安定的かつ持続的に配当をするためと記載されています。

配当性向ではなく、総還元性向と記載されているのは、自社株買いも含めての還元を示すためです。

 

配当実績と配当成長率

配当に関する基本情報は次の通りです。

  • 配当回数:年2回
  • 配当権利確定日:9.30(中間配当)、3.31(期末配当)

 

2017.3期~2022.3期の配当実績、及び2023.3期の配当予想は、次の通りでした。

決算期 配当金 配当成長率
2017/03 30 ---
2018/03 48 60%
2019/03 60 25%
2020/03 60 0%
2021/03 60 0%
2022/03 65 8%
2023/03(予想) 70 8%

 

配当維持の年もありましたが、コンスタントに増配していました。

 

配当性向(当期利益・フリーCFベース)

配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。

米国株投資ではフリーCFベースで分析されます。私はこれを日本株にも応用しています。

フリーCFとは、営業CF+投資CFで算出される数値で、簡単に言えば、企業が自由に使える現金です。

フリーCFは、新たな設備投資、借入金の返済、内部留保、そして配当に使われます。そのため、配当株投資では重要な分析対象となりえます。

フリーCFが潤沢にあれば、配当の増額にも期待できます。一方、フリーCFが少ないのに配当を維持していたら、「そろそろ減配が近づいているかもしれない」と事前にリスクを察知できます。

詳しくは、書籍『「年100回配当」投資術ー日本人が知らない秘密の収入源』を読むと配当投資のレベルがグッと上がります。

 

2017.3期~2021.3期の配当性向を算出すると、次の通りです。

発行済み株数は、84,500,202株(2022.6.10時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。

決算期 当期利益ベース フリーCFベース
2017/03 31% 非算出
2018/03 25% 264%
2019/03 31% 28%
2020/03 35% 36%
2021/03 38% 19%
2022/03 34% 114%
2023/03(予想) 33% ---

※数値がマイナスとなるものは、「非算出」と表現しています。

 

当期利益ベースでは、25%~38%と100%以下で安全圏内でした。

フリーCFベースでは、2017.3期はフリーCFがマイナスなので算出していません。

2018.3期は、100%超と注意水準でしたが、それ以降は、フリーCFの伸びに従い配当性向は下がって、19%~36%と安全圏内でした。

直近2022.3期は、100%超と注意水準となっているため、やや留意が必要です。

現金・現金等価物があるため、配当は継続されると推測しています。

 

 

まとめ

私が、兼松を配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。

売上高はやや落ち込むながらも、安定的に推移しています。当期利益は伸ばしています。

営業CFはプラス推移、フリーCFも直近2年では増加しているため、問題ないと考えています。

配当方針は、「総還元性向30%~35%」と安定性を重視しています。

配当実績は、過去7年間、増配又は維持されており、継続性が十分にあります。

2024.3期目標の当期利益200億円に近付けば、増配される可能性もあります。

フリーCFベースの配当性向は低いため、配当の支払いには問題はないと考えています。

以上のことから、安定的な配当に期待し、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。

 

 

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