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デンカ(4061)は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?

執筆者:NISA SCHOOL 永松 龍一郎(Udemy認定講師

デンカ,配当分析

こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。

2020.8.8以降、デンカ(4061)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。

 

デンカの業種分類は、化学です。特殊合成ゴム、機能樹脂、高機能フィルム等を開発・製造しています。1915年創業で、100年以上続いている企業です。

2020年、抗インフルエンザ薬である「アビガン」の原料、マロン酸ジエチルの製造元として注目されていました。

 

「デンカを、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、デンカの配当分析をまとめています。

あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。

 

 

更新履歴

  • 2022年3月期の情報を反映させました。[2022.6.12]

 

 

四半期決算チェック

通期決算発表のため、本文の情報に反映しました。

 

 

デンカの業績推移

2013年3月期~2022年3月期の売上高、経常利益、当期利益は次の通りです。

売上高は安定的に推移している一方、当期利益は、緩やかに右肩上がりです。

2023.3期の業績予想では、売上高は+18.2%の455,000百万円、当期利益は+11.5%の29,000百万円と上昇が見込まれています。

デンカ,業績推移

決算期 売上高 経常利益 当期利益
2013/03 341,645 17,824 11,255
2014/03 376,809 20,604 13,573
2015/03 383,978 24,287 19,021
2016/03 369,853 27,022 19,472
2017/03 362,647 23,158 18,145
2018/03 395,629 31,499 23,035
2019/03 413,128 32,811 25,046
2020/03 380,803 30,034 22,703
2021/03 354,391 32,143 22,785
2022/03 384,849 36,474 26,012

※単位:百万円

 

 

デンカのキャッシュフロー推移

2013年3月期~2022年3月期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。

デンカ,キャッシュフロー推移

決算期 営業CF 投資CF 財務CF 現金・現金等価物 フリーCF
2013/03 40,215 -25,864 -12,784 10,680 14,351
2014/03 27,245 -26,693 -3,327 8,244 552
2015/03 35,557 -27,449 -7,437 9,157 8,108
2016/03 44,014 -34,979 -7,348 11,813 9,035
2017/03 39,557 -22,258 -19,319 10,174 17,299
2018/03 48,776 -29,298 -15,858 14,101 19,478
2019/03 32,660 -26,176 -8,408 13,889 6,484
2020/03 41,954 -36,303 9,544 29,170 5,651
2021/03 40,610 -36,976 -6,706 25,909 3,634
2022/03 42,630 -36,839 -12,341 20,209 5,791


営業CFは、プラスで安定的に推移しています。

現金・現金等価物は、年々着実に増加傾向です。

2018年度~2022年度は、2000億円の投融資計画と、投資CFが大きくなっているため、ややフリーCFが減少傾向にあります。

 

 

デンカの配当分析

私が分析しているのは、次の3点です。

  1. 配当方針
  2. 配当実績と配当成長率
  3. 配当性向(当期利益、フリーCFベース)

 

配当株投資の対象には、主に「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。

当時、私が購入した段階では、株価2750円(2020.8.7終値)で、配当が年125円でしたので、配当利回りは4.54%でした。

現時点では、株価3315円(2022.6.10終値)で、配当が予想通り年145円であったと仮定すると、配当利回りは4.37%です。

増配になりましたが、株価上昇のため、配当利回りは少し下がっています。

 

配当方針

デンカの配当方針(2018年度~2022年度)は、「株主の皆様へ | デンカ株式会社」によると、次の2点が挙げられています。

  • 総還元性向50%以上
  • 配当を重視

 

明記されているため、「株主還元もしっかりする(配当を支払う)」という意思表示だと判断しています。

配当性向ではなく、総還元性向と記載されているのは、自社株買いも含めての還元を示すためです。

 

配当実績と配当成長率

配当に関する基本情報は次の通りです。

  • 配当回数:年2回
  • 配当権利確定日:9.30(中間配当)、3.31(期末配当)

 

2017.3期~2022.3期の配当実績、及び2023.3期の配当予想は、次の通りでした。

決算期 配当金 配当成長率
2017/03 70 ---
2018/03 105 50%
2019/03 120 14%
2020/03 125 4%
2021/03 125 0%
2022/03 145 16%
2023/03(予想) 145 0%

 

2018.3期は、対前年で35円と50%もアップしました。以降は、維持の年もありますが、コンスタントに増配されていました。

 

配当性向(当期利益・フリーCFベース)

配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。

米国株投資ではフリーCFベースで分析されます。私はこれを日本株にも応用しています。

フリーCFとは、営業CF+投資CFで算出される数値で、簡単に言えば、企業が自由に使える現金です。

フリーCFは、新たな設備投資、借入金の返済、内部留保、そして配当に使われます。そのため、配当株投資では重要な分析対象となりえます。

フリーCFが潤沢にあれば、配当の増額にも期待できます。一方、フリーCFが少ないのに配当を維持していたら、「そろそろ減配が近づいているかもしれない」と事前にリスクを察知できます。

詳しくは、書籍『「年100回配当」投資術ー日本人が知らない秘密の収入源』を読むと配当投資のレベルがグッと上がります。

 

2017.3期~2021.3期の配当性向を算出すると、次の通りです。

発行済み株数は、88,555,840株(2022.6.10時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。

決算期 当期利益ベース フリーCFベース
2017/03 34% 36%
2018/03 40% 48%
2019/03 42% 164%
2020/03 49% 196%
2021/03 49% 305%
2022/03 49% 222%
2023/03(予想) 44% ---

 

当期利益ベースでは、2017.3期~2022.3期すべてで34%~49%と100%以下で、安全圏内でした。

フリーCFベースでは、2017.3期と2018.3期は36%と48%と100%以下で、安全圏内でした。しかしながら、2019.3期~2022.3期は100%を大きく上回り、注意水準にありました。

フリーCFは、配当の原資にもなるので、大幅に超えている状態が継続すると、減配や最悪の場合、配当停止になる可能性があります。

ただし、現金・現金等価物が20,209百万円あるので、急な配当停止はなさそうと予想しています。

2022.3期も、フリーCFベースの配当性向に十分に注目しておきましょう。

 

 

まとめ

私が、デンカを配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。

売上高、営業利益、当期利益が緩やかに右肩上がりです。

営業CFは、緩やかに右肩上がりです。フリーCFは、直近2年では減少傾向であることには注意が必要です。

配当方針は、「総還元性向50%」と株主還元を十分に考えられています。

配当実績は、過去8年間一度も無配当はなく、継続性が十分にあります。

フリーCFベースの配当性向は、100%超と要注意です。

現時点では、現金・現金等価物が増加しているので、少なくとも配当は支払われると考えています。

以上のことから、配当維持に期待し、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。

 

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