ご存知のように、tsumiki(つみき)証券は、エポスカードで投資信託が購入できる、積立投資専門の証券会社です。
2018年からスタートし、取扱商品は顔が見えて信頼できる投資信託5本だけ、厳選していることでも有名です。
tsumiki証券では、以下5本の商品を購入できます。[2022.1.10時点]
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド[セゾンバランス]
- セゾン・資産形成の達人ファンド[セゾン達人]
- コモンズ30ファンド[コモンズ30]
- ひふみプラス[ひふみ]
- まるごとひふみ15 ※こちらは積立NISA対象外
以下、[ ]内を略称として使用します。
「積立NISA対象の商品を4本に絞り込んでくれているけど、それでも選べないよ」、「何を基準に選んだらよいの?」と思っていませんか。
そのようなあなたのため、4本の投資信託を比較するためのおすすめの方法を紹介します。
あなたが希望する投資信託を見極める参考になれば、幸いです。
更新履歴
- リターンに積立シミュレーションを追加しました。[2022.1.11]
投資信託を比較するためのポイント
投資信託の比較する方法は、大きく分けて「定量評価」と「定性評価」があります。
定量評価は数値化される指標、定性評価は数値化されない指標に基づく評価です。
定量評価では、次の4点を比較しましょう。
- 運用方針と体制
- 信託報酬
- リターン
- 純資産
運用方針は、「どの国に、どの株(もしくは債券)を、どれくらいの割合で、どんな思想で」ということです。
運用体制とは、そのファンドを何人で運営しているかということです。
tsumiki証券で購入できる投資信託の運用会社は、独立系投信会社と呼ばれ、大手の証券会社と比較すると、ファンドマネージャーや従業員の数が少ないです。
もし、優秀なファンドマネジャーが抜けてしまうと、期待するリターンが得られないこともあります。
信託報酬とは、ファンドを運用中かかる費用です。
保有金額×1%/年などとファンドごとに決まっています。
リターンは、ファンドの損益のことです。
+3%/年とか-3%/年で表示されます。
純資産は、そのファンドが持っているすべての資産額です。
この金額が、なぜ重要かというと、会社の売上になるからです。
例えば、1000億円の資金のファンドで、1%の信託報酬の場合、1年で投信会社(販売会社も含む)に入る金額は、10億円です。
この10億円は売上に相当し、経費や社員のお給料になるわけです。何本も投資信託を運用している会社で累計で金額が大きければ、ビジネスはやっていけます。
しかし、もっているtsumiki証券で購入できる投信会社は、2本程度しか商品がありません。
そのため、この純資産が小さすぎると、ビジネスと成立できずに最悪のケース払い戻しを受ける可能性があるので確認しましょう。
定性評価は、「この投信は自分に合いそうだ」、「信頼できそうだ」といった各々の感覚に基づくものです。
正解はありません。以下、2つの方法を後述します。
- tsumikiしんだん
- 私のおすすめ定性評価
定量評価で比較しよう!
積立NISA対象の4本のファンドを比較してみましょう。[2022.1.10時点]
運用方針と運用体制の比較
運用方針は目論見書、運用体制はホームページから確認できます。
セゾン投信
セゾンバランスの運用方針は、次の通りです。
- 資産配分比率は株式50%、債券50%
- 国際分散投資
- 低コストのインデックスファンドに投資
- 原則として、為替ヘッジは行いません
簡単にいうと、投資先は全世界分散で、株式と債券を50%ずつのファンドです。
為替ヘッジなしとは、円安(1外貨あたり100円→120円)になると、基準価額が上昇(プラスリターン要因)します。
一方、円高(120円→100円)になると、基準価額が下落(マイナスリターン要因)します。
一方、セゾン達人の運用方針は、次の通りです。
- 株式に投資
- 国際分散投資
- アクティブファンドに投資
- 原則として、為替ヘッジは行いません
[出典:セゾン資産形成の達人ファンド目論見書]
簡単にいうと、投資先は全世界分散で、株式100%のファンドです。
セゾンバランスと同様に、為替ヘッジなしです。
運用体制は、2名です。
会長CEO兼CIOの中野 晴啓 氏、運用部長兼ポートフォリオマネージャーの瀬下 哲雄 氏です。
セゾン投信では、株式に直接投資するのではなく、株式に投資しているファンドを購入する「ファンドオブファンズ」という方式を採用しています。
株式や債券に直接投資する場合は、調査・分析・トレードと非常に多くの時間とコストがかかります。
ファンドオブファンズ方式ではこれらの作業が省力化でき、良いファンドを探し、組み合わせ(ポートフォリオ)を考えることだけ注力できます。
その結果、2名体制でも十分に運用できる考えれられます。
コモンズ投信
コモンズ30の運用方針は、次の通りです。
- 投資の目線は30年とします。
- 投資対象は、原則として30銘柄程度とします。
- 企業との対話を重視します。
- 生活者(個人投資家)の参加する場を数多く提供します。
- 直接販売を主とします。
- 信託報酬の一部を社会貢献に活用します。
[出典:コモンズ30ファンドの特長]
簡単に言うと、投資先は海外売上比率の高い、国内株式100%のファンドです。
また、30銘柄に絞って厳選投資しています。
運用体制は、5名です。
会長の渋澤健 氏、社長の伊井 哲朗 氏、シニア・アナリストの末山 仁 氏・上野 武昭 氏、アナリストの原嶋 亮介 氏。
その他にトレーディング部の社員もいます。十分に投資先を30社に絞り込むには、これくらいの人員は必要でしょう。
ひふみ投信
ひふみの運用方針は、次の通りです。
- 国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる
銘柄を選別して長期的に投資します。- 株式の組入比率は変化します。
- 運用はファミリーファンド方式により、マザーファンドを通じて行ないます。
[出典:ひふみ投信目論見書]
簡単に言うと、投資先は全世界で、株式100%のファンドです。
国内株式が中心ですが、一部海外株式です。
コモンズとの違いは、投資先を分散している点です。コモンズの30銘柄に対して、200銘柄以上に投資しています。
運用体制は、14名です。
社長の藤野英人 氏をはじめとして、運用部長やシニア・アナリスト、アナリストが多数在籍しています。人数だけいうと、セゾンやコモンズよりもだいぶ多いです。
200銘柄以上の投資先、また海外株にも投資先があるため、調査や分析やトレーディングといった人員が必要になってきます。それを14名で支えているかと思います。
信託報酬の比較
信託報酬は、目論見書や販売会社のホームページで確認できます。
信託報酬について、まず言っておきます。比較する必要がありません。
tsumiki証券で購入できるファンドは、金融庁の分類でいうとアクティブ運用(アクティブファンド)にあたります。
よく、「セゾン、ひふみ、コモンズは、信託報酬が高すぎ」と言われたりしますが、それはあくまでインデックスファンドと比較してです。
インデックスファンドは、ベンチマークに対して連動する運用することを目的としています。
一方、アクティブファンドは、ベンチマークがないものも多く、インデックスファンドと土俵が違います。そのため、比べても仕方ありません。
インデックスファンド同士の比較は、必要ですよ。
アクティブファンド同士の比較も、正直あまり意味がありません。なぜなら、それぞれ運用方針が違うからです。
もし比べるとしたら、全く運用方針が同じ、もしくは近いファンドなら、検討の余地があります。
各社の信託報酬を挙げておきます。
- セゾンバランス:0.57%/年(ファンドの組入れ割合により、変動あり)
- セゾン達人:1.35%/年(ファンドの組入れ割合により、変動あり)
- コモンズ:1.08%/年
- ひふみ:1.08%/年(純資産が大きいため、実質0.86%くらい)
ものすごく妥当な報酬だと思います。そのため、この点は気にしなく良いです。
留意点として、セゾン投信では、別途解約時に、信託財産留保額が解約額×0.1%かかります。
リターンの比較
リターンは、公式サイト、販売会社のホームページ、アプリから確認できます。
おすすめは、モーニングスター社が提供する「MY投資信託アプリ」です。これをインストールしておくと、簡単にリターンが確認できます。
使い方は、「便利でオススメ!モーニングスターMY投資信託アプリの使い方を解説」で詳しく解説しています。
リターンは、あくまで結果論です。
しかし、参考指標にはなりえます。1ヶ月とか3ヶ月とかでは比較はあまりお勧めしません。
できるだけ、1年、3年、5年と長期的なパフォーマンスを比較すると良いです。大不況でもないのに、「3年間ずっとマイナス」のファンドだったら、買いません。
各ファンドのリターンは、次の通りでした。[2021.12.31基点]
ファンド名 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) |
セゾンバランス | 17.72% | 12.97% | 8.07% |
セゾン達人 | 24.08% | 21.04% | 14.46% |
コモンズ30 | 17.64% | 17.46% | 10.98% |
ひふみ | 3.32% | 15.37% | 11.86% |
また、過去5年間、月3万円ずつ積立投資した場合の損益は次の通りでした。[2021.12基点]
投資元本180万円に対し、49.75万円~90.85万円の利益が出ていました。
ファンド名 | 投資元本(万円) | 評価額(万円) | 損益(万円) |
セゾンバランス | 180 | 233.74 | 53.74 |
セゾン達人 | 180 | 270.85 | 90.85 |
コモンズ30 | 180 | 248.77 | 68.77 |
ひふみ | 180 | 229.75 | 49.75 |
純資産を比較
純資産も、公式サイト、販売会社のホームページ、アプリから確認できます。
純資産は日々変動します。2022.1.7時点では、次の通りです。
- セゾンバランス:3025.09億円
- 達人:1908.72億円
- コモンズ:329.87億円
- ひふみ:4623.98億円(※ひふみプラス)
すべてのファンドで問題ないレベルの純資産を保有しています。早々にはつぶれたりはしないはずです。
特に、ひふみは全国各地の銀行と提携しているため、4000億以上のかなり大きなファンドになっています。
以上が、tsumiki証券で購入できる4つの商品の定量評価の比較です。
結論としては、どれを買ってもひとまずは問題ないです。今後、注意しておくとしたら運用体制の変化だけです。
定性評価で比較しよう!
「定量評価だけでは選べない」という方は、定性評価で決めていきましょう。
tsumikiしんだん
tsumiki証券の公式サイトで、定性評価ツールとして「tsumikiしんだん」があります。
アンケートに答えていくと、あなたの感性にあった投資信託を選んでくれます。
例えば、次のような質問があります。
[出典:tsumiki証券]
結果は、次のように表示されます。
私が考えるおすすめの定性評価方法
経験上一番良かった方法が、「ファンドマネージャーに会いにいく」です。
目論見書や、ホームページだけはわからないものがわかります。自分の感覚に合う投信か肌で確かめることが有効です。
どうやったら、会えるの?
年1回、運用報告会が全国各地であります。そこでは、ほぼ確実にセゾンの中野氏、コモンズの伊井氏、ひふみの藤野氏が、お話します。
それをぜひ聞いてみてください。そして、わからないことがあれば、質問してみてください。
その上で、信頼できそうと思う投資信託を購入してみては、いかがでしょうか。
「忙しくて会いに行く暇がない」という方もいるでしょう。最近は、各社運用報告会を動画配信してくれています。そこで、まずは確認しましょう。
また、別のおすすめの方法として、各社の社長のSNSをフォローして、数ヶ月ウォッチしてみてください。
各SNSでは、運用の話だけなく、気になるニュースや好きなものについて、コメントされています。
それを見ていると、人間性が垣間見えてきます。その中で、この社長のいる投信なら買ってみたいと思えたら、買ってみたらよいでしょう。
セゾン投信・中野さんは、フェイスブックで投資中心に情報を配信されています。
ひふみ投信・藤野さんもフェイスブックで、投資だけでなく、日々のニュース、個人的なことまで情報配信されています。
コモンズ投信・伊井さんは、ツイッターで投資だけでなく、日々のニュースに関する思うことについて情報を配信されています。
一度で良いので生で会って話してみてほしいです。その場での感覚を大事にしてほしいと思います。
まとめ
tsumiki証券で商品を選ぶには、「定量評価」と「定性評価」をしましょう。
定量評価では、運用方針と運用体制、信託報酬、リターン、純資産を確認しましょう。
それでも選べないという方は、定性評価としてtsumikiしんだんや、ファンドマネージャーに会いに行く、SNSを観察することをおすすめします。
上記の方法を活用し、あなたにあったファンドを見つけてみましょう。
その他、tsumiki証券に関するトピックは、「tsumiki証券活用のための資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
関連記事
・最新キャンペーンはコレ!エポスカードとtsumiki証券のお得な口座開設方法
© tsumiki Co.,Ltd.