こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。2020.7.17時点、ツバキナカシマ(6464)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れていました。
2020.8.7に開示された直近の決算資料で、「大幅な減配(40円→10円)」であったため、8.11に一旦売却し、ポートフォリオから除外しました。
ツバキナカシマの業種分類は、機械です。ベアリング用の精密ボール・ローラーが主力です。身近な製品から、宇宙開発技術まで幅広く使われています。身近な製品例で言うと、ボールペンのペン先です。
「ツバキナカシマを、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、ツバキナカシマの配当分析をまとめています。
あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。
次の3点をモニタリング又は分析しています。
- 業績推移
- キャッシュフロー推移
- 配当分析
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
更新履歴
- 2021年期2Q(4月~6月)の決算資料を反映しました。[2020.8.11]
ツバキナカシマの業績推移
2013年12月期~2019年12月期の売上高、営業利益、当期利益は次の通りです。
売上高は2017.12期以降、ぐんと伸びています。営業利益と当期利益は2019.12期はやや減少しています。
直近の決算資料(2020.8)では、通期の業績予想は開示されていません。
2Q(2020.4~6)では、対前年同一期間で、売上高は-32.4%、営業利益は-70.2%、当期利益は-75.8%と大幅に減少していました。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 当期利益 |
2013.12 | 30,248 | 5,395 | 3,654 |
2014.12 | 36,049 | 5,218 | 3,843 |
2015.12 | 39,178 | 7,110 | 4,476 |
2016.12 | 36,886 | 6,922 | 4,632 |
2017.12 | 53,244 | 6,985 | 3,176 |
2018.12 | 74,832 | 9,942 | 6,819 |
2019.12 | 64,563 | 8,186 | 4,891 |
ツバキナカシマのキャッシュフロー推移
2013年12月期~2019年12月期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2013.12 | 5,005 | -2,962 | -500 | 14,437 | 2,043 |
2014.12 | 3,366 | -677 | -7,177 | 10,452 | 2,689 |
2015.12 | 7,468 | -797 | 408 | 17,219 | 6,671 |
2016.12 | 6,675 | -860 | -3,367 | 19,132 | 5,815 |
2017.12 | 5,131 | -43,834 | 31,633 | 12,001 | -38,703 |
2018.12 | 8,110 | -3,351 | -3,158 | 13,304 | 4,759 |
2019.12 | 6,040 | 4,025 | -6,210 | 16,946 | 10,065 |
営業CFは、プラスで安定的に推移しています。
2017.12期に投資CFと、フリーCFが大きくマイナスですが、これは米国NN, Inc社をM&Aした際の株式の取得に現金を使用したためです。
2018.12期以降は、フリーCFはプラスを維持しています。
現金・現金等価物は、年々着実に増加傾向です。
直近の決算資料(2020.8)では、現金・現金等価物は2,200(百万円)減少し、14,746(百万円)となっています。
ツバキナカシマの配当分析
私が分析しているのは、次の3点です。
- 配当方針
- 配当実績と配当成長率
- 配当性向(当期利益、フリーCFベース)
配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。
ツバキナカシマの場合、株価810円(2020.8.11終値)で、配当が前年と同じ、年81円であったとすると、配当利回りは10.00%です。
しかし、中間配当の10円のみだけだったとすると、配当利回りは1.23%です。
配当方針
ツバキナカシマの配当方針は、次の2点です。
- 配当性向50%以上
- 年2回配当
決算資料「直近の決算資料」の中で明記されています。
明記されているため、「株主還元もしっかりする(配当を支払う)」という意思表示だと判断しています。
直近の決算資料(2020.8)では、配当方針の変更は記載されていません。中間配当(6.30)は10円と決定されました。対前年は40円でしたので、1/4の減配です。当期利益が大幅に減少したためと思われます。期末配当は未定です。
配当実績と配当成長率
配当に関する基本情報は次の通りです。
- 配当回数:年2回
- 配当権利確定日:6.30(中間配当)、12.31(期末配当)
2013.12期~2019.12期の配当実績は、次の通りでした。
2015.12期以降、配当は段階的に引き上げらていました。過去5年間は、無配当は一度もなく、継続的に配当が支払われています。
直近3年間、2017.12期~2019.12期の配当成長率を算出すると、次の通りです。
決算期 | 配当金 | 配当成長率 |
2016.12 | 63 | --- |
2017.12 | 64 | 2% |
2018.12 | 79 | 23% |
2019.12 | 81 | 3% |
2018.12期は、対前年で15円と23%もアップしました。2019.12期は失速し3%アップにとどまっています。
配当性向(当期利益・フリーCFベース)
配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。
理由は、「松井証券は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?」で解説しています。
2017.12期~2019.12期の配当性向を算出すると、次の通りです。
発行済み株数は、40,332,913株(2019.12.31時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。
決算期 | 当期利益ベース | フリーCFベース |
2017.12 | 81% | -7% |
2018.12 | 47% | 67% |
2019.12 | 67% | 32% |
当期利益ベースでは、2017.12期~2019.12期すべてで47%~81%と100%以下で、安全圏内でした。
フリーCFベースでは、2017.12期はマイナスでしたが、2018.12期と2019.12期は67%と32%安全圏内でした。
決算資料(2020.5)に引き続き、直近の決算資料(2020.8)でも、p.8で「手元資金(フリーCF)の積み上げを推進」が記載されています。この意図として、先行き不透明のためとも読み取れます。
また、2020.2に、自己株式取得が発表されていましたが、直近の資料(2020.8)でも引き続き、株式取得は0株となっています。手元に資金を残しておきたいという意図が読み取れます。
まとめ
私が、2020.7.17時点、ツバキナカシマを配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。
2019.12期までは、売上高、営業利益、当期利益は良いと考えています。営業CF、フリーCF共にプラスを維持しています。
配当方針は、「配当性向50%以上、年2回配当は不変」と株主還元を十分に考えられています。直近の方針変更もなし。
配当実績は、過去5年間一度も無配当はなく、継続性が十分にあります。ただし、先行き不透明のため、手元現金を重視している傾向があり、一時的な減配の可能性を考えていました。
残念ながら、予想通り、8.7に開示された2Q決算短信では、「中間配当が10円に減配、期末配当予想が未定」でしたので、安全を期して一旦売却しました。
業績は感染症の影響を受けており、かなり苦戦しているようでした。2020.8.11時点では、配当の先行きが不透明のため、一旦様子見の方が良いと考えました。
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