
こんにちは。NISA SCHOOLの永松です。本記事は、投資ステージ3の方向けです。
不動産クラウドファンディング「トーチーズ」(TORCHES)という新サービスが2025年11月始まりました。
2026年1月21日、9号ファンド「文京区大塚5丁目ファンド」の募集が開始されます。
「新しいサービスがだけど、投資しても大丈夫だろうか」と不安を抱く方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
そのようなあなたのため、トーチーズ9号に投資してはいけない理由を探ってみました。
あなたが投資を検討する参考になれば、幸いです。
トーチーズ9号ファンドはどんなファンドか?
ファンドの基本情報
ファンドの募集要項は、以下の通りです。
- 募集期間:1.21(18:00)~1.25(12:00)
- 募集総額:7億6,339万円
- 想定利回り:17%
- 運用期間:10ヶ月
- ファンドタイプ:キャピタル
- 申込方式:先着
募集金額は、約7.6億円と過去最大です。
想定利回りは17.0%と過去ファンドと比較して最高です。
株式投資による配当利回りを圧倒していますし、他社不動産クラウドファンディングと比較しても高めです。
想定利回りトップランナーである「ヤマワケエステート」に肩を並べるくらいです。
元本及び配当の支払い時期が、ヤマワケエステートでは運用終了後約2ヶ月後に対して、トーチーズでは約1ヶ月後と短いです。
そのため、ヤマワケエステートの実質的な想定利回りは、想定利回り×(運用期間)/(運用期間+2ヶ月)と計算されます。
同様に、トーチーズでは想定利回り×(運用期間)/(運用期間+1ヶ月)と計算されます。
仮に、ヤマワケエステートとトーチーズで同じ条件のファンド、例えば想定利回り10%、運用期間12ヶ月のファンドがあった場合は、実質的な想定利回りは、以下のように計算されます。
- ヤマワケエステート:10%×12ヶ月/(12+2ヶ月)=8.57%
- トーチーズ:10%×12ヶ月/(12+1ヶ月)=9.23%
資金の待機期間が短かいほど、運用効率が高いのが大きなメリットです。
想定運用期間3ヶ月なので、一般的な不動産クラウドファンディングより短めです。
仮に10万円投資した場合、各ファンドの配当金は以下の通りです。
| ファンド | 想定利回り | 運用期間(ヶ月) | 配当金(円)(10万円投資時)* |
| 9号 | 17.0% | 10 | 14,166 |
*:税引前
2026.1時点、普通預金金利は年0.2%~0.6%前後です。つまり、何もしなければ、10ヶ月で10万円なら166円~500円しか増えません。
本ファンドに10万円でも投資していれば、14,166円前後と普通預金の28倍~85倍のリターンになります。
それだけの運用利益が出そうかを判断するため、トーチーズの投資対象がしっかりしているか確認しましょう。
投資対象がしっかりしているか?
本ファンドは、親会社であるエムトラスト株式会社の協力のもと組成されています。
9号ファンドの投資対象は、東京都文京区大塚5丁目にある、計157.54㎡の土地3筆です。
本物件は、新大塚駅徒歩2分の利便性に優れた駅近立地で商業地域に位置する文京区大塚の駅近希少地です。
運用戦略は、更地の状態で取得した土地において、新築3階建ての建物を建設し、完成後の売却し、売却益の獲得が目指されます。
土地の価格は、年々上昇傾向で、直近10年で約77.7%も上昇しており、その需要の高さが伺えます。

トーチーズ9号ファンドに投資してはいけない理由
投資してはいけない理由を探すと、以下3点に懸念がありそうです。
- 運営会社に実績が少ない
- 劣後出資割合が3%
- 建設や売約活動がうまくいなければ、償還遅延も起こりえる?
トーチーズは、2025年11月からスタートした新しいサービスにも関わらず、以下の通り、すでに4件の早期償還予定の実績が出始めています。
すべてのファンドで想定利回り以上の実績利回りの予定です。
| ファンド名 | 想定利回り | 実績利回り |
| 第1号ファンド「大田区山王2丁目ファンド」 | 10.2% | 15.0% |
| 第3号ファンド「台東区浅草3丁目ファンド」 | 10.1% | 15.0% |
| 第4号ファンド「品川区東大井5丁目ファンド」 | 10.2% | 15.0% |
| 第5号ファンド「新宿区若葉1丁目ファンド」 | 8.5% | 10.0% |
ただし、他社と比べるとまだ少ないため、「実績が十分にあるサービスを使いたい」という方には不向きです。
ただ、どのサービスでもそうですが、初期の案件はその後のユーザー満足度につながるので、結果を出すために力を注いでいると思います。
案件数の多さや運用実績を重視するなら、「FANTAS funding」、「TSON FUNDING」、「らくたま」がおすすめです。
不動産クラウドファンディングでは、優先劣後出資方式を採用しています。
簡単に言うと、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社等(劣後出資者)の両者からお金を集め、収益分配や元本償還に優先順位をつける仕組みです。
劣後出資者が売却損を先に負担することになるので、仮に物件の売却価格が想定価格を下回っても、優先出資は元本割れしにくいことになります。
トーチーズ9号は、優先出資割合97%、劣後出資割合3%となっています。
そのため、仮に物件売却価格が3%を超えると、元本割れします。過去ファンドでは、劣後出資割合は10%に設定されていたため、それと比較するとトーチーズ9号は元本割れリスクが高いです。
劣後出資割合が高い不動産クラウドファンディングに、「投活(トウカツ)」(劣後出資割合20%~40%)や「ちょこっと不動産」(30%~67%)、「らくたま」(平均40%)があります。
「リターンはそこそこで良くて、元本割れを極力避けたい」という方は、本ファンドは不向きかなと思います。
最後に、想定利回り17%のハイリターンゆえに、償還遅延の可能性も考慮する必要があります。
今回のファンドは、新規開発案件です。これまでのファンドは、土地と建物を取得して売却したり、土地と建物を取得して更地にして売却したりといったものでした。
今回は、更地に新築3階建ての商業施設を建設して売却する戦略です。
そのため、募集金額には土地取得代金に加え、建設費用も含まれていると考えられます。
該当地区周辺の土地価格は199万円/㎡のため、土地取得価格(推定)は199万円/㎡×157.54㎡=3億1350万円の計算です。
ファンド総額が7億8,700万円(優先出資+劣後出資)なので、建設費用が4億7,350万円と計算されます。
二つ疑問があります。
一つ目は、年率17%で売却できるのか、という点です。
この不動産を10ヶ月間運用し、年率17%のリターンを得るために必要な売却価格は8億9,850万円と計算されます。
私は不動産のプロではないので、Google Gemini(思考モード)に以下の質問を投げかけてみました。
#プロンプト
東京都文京区大塚5丁目8に新築3階建ての商業施設(土地面積157.54㎡、建ぺい率80%、容積率500%)は、いくらで売却できると思う?
(回答)
文京区大塚5丁目8(新大塚駅至近)という非常に資産価値の高いエリアでのプロジェクトですね。
ご提示の条件(土地157.54㎡、建ぺい率80%、容積率500%)に、「新築3階建て」というプランを当てはめて考えると、売却予想価格のポイントは「容積率をあえて余らせている贅沢さ」と「収益性」のバランスにあります。
市場相場から算出した推定売却価格は、以下のようになります。
8億5,000万円 ~ 9億3,000万円前後
「年利17%達成に必要な8億9,850万円」は、市場の相場観(利回りベース)から見ても十分に狙える現実的なラインであると言えます。
売却金額的には年率17%は妥当なラインだそうです。
二つ目が10ヶ月で建設から売却まで完了できるのか、という点です。
こちらも同じく、Google Gemini(思考モード)に以下の質問を投げかけてみました。
#プロンプト
東京都文京区大塚5丁目8に新築3階建ての商業施設(土地面積157.54㎡、建ぺい率80%、容積率500%)を10ヶ月で建設から売却までできると思う?
(回答)
10ヶ月で「着工から売却(引き渡し)」までを完了させるのは、「かなりタイトだが、戦略次第で不可能ではない」という難易度です。
文京区大塚5丁目の当該エリア(新大塚駅至近)は非常に需要が強いため、建物さえ完成すれば買い手はすぐに見つかりますが、「物理的な工期」と「事務手続き(登記・決済)」の短縮が最大の鍵となります。
10ヶ月工程のシミュレーション(S造:鉄骨造を想定)
RC造(鉄筋コンクリート造)ではコンクリートの養生期間が必要なため、3階建てでも10ヶ月での完結は極めて困難です。現実的にはS造(鉄骨造)一択となります。
期間 工程 ポイント 1〜6ヶ月目 建設工事 基礎工事(1.5ヶ月)+鉄骨方枠(2ヶ月)+内装・設備(2.5ヶ月) 7ヶ月目 竣工・検査 完了検査、消防検査、建物の保存登記準備 8〜9ヶ月目 リーシング・売却活動 テナント付け(または内定)と並行して売買契約を締結 10ヶ月目 決済・引き渡し 賃借人の入居開始と同時に、オーナーチェンジ物件として決済
私は建設のプロではないので、上記の回答の妥当性が判断できないですが、かなりタイトなスケジュールで、万事がうまくいけば、想定運用期間で終了できるようです。
今回の募集金額集まるのかという点については、想定利回りの高さだけを見ている方も多く、投資応援キャンペーンも実施されるので応募も多くなると思われます。
仮に、集まらなかったとしても、運営会社の関係者が投資する場合も「役職員等による出資条件」の欄で記載されているので、ファンド成立になるのではないでしょうか。
私の見解
個人的に、トーチーズの親会社であるエムトラスト株式会社には、その実績から結構信頼を置いています。
エムトラスト株式会社は、設立10年目になる不動産会社で、東京23区の不動産に強みを持っている企業です。
直近3年の売上高、売上総利益、営業利益ともに右肩上がりで順調に推移しています。

[出典:エムトラスト株式会社]
「ヤマワケエステート」や「コモサス」でエムトラスト株式会社が関わるファンドに投資していましたが、元本割れはありませんでした。
今回の9号ファンドは、想定利回りが17%超と高く、おそらく人気が出ると思います。10ヶ月後、普通預金の場合は10万円に対して500円程度しか増えませんが、トーチーズでは14,166円程度に期待できます。
ただし、私自身は今回は投資を見送ることにしました。
直近で、償還遅延ファンドをレベチーで1件(過去一利回り&キャンペーン!レベチー・LEVECHYファンド13号への投資ポイント)、FUNDIで2件(FUNDIプロジェクト#3に投資してはいけない理由を探してみた!、FUNDIプロジェクト#6に投資してはいけない理由を探してみた!)受けているので、想定利回りが高すぎるファンドに対しては慎重になっています。
レベチーに関しては、売却先が募集時に決まっていたにも関わらず遅延、という想定外のことが起きたので、何が起こるか分からないなと思っています。
FUNDIに関しては、償還遅延はしているものの、買い戻し保証が付いているので、想定利回り通り元本償還される見込みなのは安心しています。
ハイリスクハイリターンを十分に理解している方は、投資対象の一つとして非常に魅力的なので、検討してみて良いでしょう。
今回は見送っても他にも良いファンドがあるので、会員登録はしておくことをおすすめします。
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