ご存知のように、SOLS（ソルス）は、少額からプロが選定した不動産に投資できるサービスです。
2021年12月にサービスが開始されました。
SOLSを含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。
「SOLSを検討中だけど、元本割れがコワいから躊躇している」という方もいるのではないでしょうか。
元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。
大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。
本記事では、SOLSのファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。
SOLSに対する不安を少しでも和らげていただけたら、幸いです。
更新履歴
- 劣後出資割合を修正しました。
元本割れリスクに関わる優先劣後出資方式とは？
SOLSは、元本割れリスクの低減のため、優先劣後出資方式を採用しています。
［出典：SOLS］
簡単に言うと、ファンド出資時に、あなた（優先出資者）と運営会社等（劣後出資者）の両者からお金を集め、収益分配や元本償還に優先順位をつける仕組みです。
劣後出資者が売却損を先に負担することになるので、仮に物件の売却価格が想定価格を下回っても、優先出資は元本割れしにくいことになります。
つまり、劣後出資割合が高い方が元本割れしにくくなります。
優先劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。
SOLSの過去ファンドでは、劣後出資割合は2.68%～88.00%で、中央値は30.00%でした。
| ファンド名 | 優先出資割合 | 劣後出資割合 | 借入出資割合 |
| ロジュマンプラティーク | 5.85% | 2.68% | 91.47% |
| サンブリエ北品川 | 9.31% | 15.93% | 74.70% |
| 空家再生ファンド ＠愛媛県今治市 | 57.14% | 42.86% | 0.00% |
| F-studio VERONICA | 9.65% | 18.01% | 72.35% |
| フジテラス用賀（世田谷区玉川台） | 18.70% | 36.30% | 45.00% |
| ピュアライフ長草 | 12.00% | 88.00% | 0.00% |
| グループホーム春日井 | 70.00% | 30.00% | 0.00% |
| 最小値 | 5.85% | 2.68% | 0.00% |
| 最大値 | 70.00% | 88.00% | 91.47% |
| 中央値 | 12.00% | 30.00% | 45.00% |
| 平均値 | 26.09% | 33.40% | 40.50% |
優先劣後出資割合は、以下の方法で、確認できます。
1．SOLSにアクセスし、該当ファンドのページを選択します。
2．「投資条件その他」の劣後出資比率から確認できます。
SOLSが元本割れするケース
どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。
結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。
「グループホーム春日井」ファンドを例に、元本償還シミュレーションを作成しました。
本ファンド概要は次の通りです。
- 出資総額：3,200万円
- 募集金額（優先出資額）：2,240万円
- 想定運用期間：122日
- 想定利回り：5.0%
- 優先・劣後出資割合：70%・30%
例①～③のケースで見ていきましょう。
例①は、運用終了時点で「物件を3,700万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の3,200万円を超えています。
あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益は、出資者の利益になります。
例②は、運用終了時点で「物件を2,700万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の3,200万円を下回っています。損失が500万円です。
ここで、優先劣後出資方式のメリットが作用します。
損失は、劣後出資額（運営会社側）から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。
例③は、運用終了時点で「物件を2,200万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の3,200万円を下回っています。損失が1,000万円です。
ここでも、優先・劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額（運営会社側）から補填されます。
しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の960万円を上回っています。
960万円-1,000万円＝-40万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。
計算上は、-40万円／2,240万円×100%＝-1.78%になると推測できます。例えば、1口5万円投資していれば、49,107円戻ってくる計算です。
簡単にまとめると、劣後出資分（運営会社側）を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
SOLSでは、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。
その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、配当金が少なくなります。
まとめ
SOLSでは、劣後出資分（運営会社側）を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先・劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。
これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。
それぞれ、リスクとリターンが異なりますので、詳しくは、公式ページをご覧ください。
その他、SOLSに関するトピックスは、「SOLS（ソルス）とは？始める前に必ず知って下さい！」でまとめていますので、ご覧ください。
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