こんにちは。NISA SCHOOLの永松です。ご存じのように、新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があります。
「つみたて投資枠」は、年間上限120万円で、月10万円まで積立購入できます。
「成長投資枠」は、年間上限240万円で、積立購入だけでなくスポット購入(一括購入)できます。
1年の途中からNISAを始めた方で、「つみたて投資枠を年間上限120万円を使い切りたい、でも設定がうまくいかない」と悩んでいないですか。
各証券会社によって、一部異なりますが、工夫して設定すれば使い切ることができます。
本記事では、1年の途中からNISAつみたて投資枠を使い切る設定方法を解説します。
1年の途中からNISAつみたて投資枠を使い切る方法
ここでは、まず概要を説明します。
例えば、あなたが8月からNISA口座の「つみたて投資枠」で毎月10万円積立を開始したとしましょう。
積立月 | 積立額(円) |
2024年8月 | 100,000 |
2024年9月 | 100,000 |
2024年10月 | 100,000 |
2024年11月 | 100,000 |
2024年12月 | 100,000 |
合計 | 500,000 |
この場合、合計積立額は50万円で、120万円-50万円=70万円は使い切れません。
5ヶ月間で120万円を使い切ろうと考えて、120万円/5ヶ月=24万円を毎月の積立額にシステム上設定することはできません。システム上は、24万円×12ヶ月=288万円と年間上限120万円を超えるためです。
これ👇はできない✖
積立月 | 積立額(円) |
2024年8月 | 240,000 |
2024年9月 | 240,000 |
2024年10月 | 240,000 |
2024年11月 | 240,000 |
2024年12月 | 240,000 |
合計 | 1,200,000 |
1年の途中から使い切るための設定方法のポイントは、ボーナス月(増額月)をうまく活用することです。
例えば、以下のように設定することで、年間上限120万円を使い切ることができます。
これ👇はできる◎
積立月 | 積立額(円) | ボーナス月(円) | 合計(円) |
2024年8月 | 10,000 | 440,000 | 450,000 |
2024年9月 | 10,000 | 440,000 | 450,000 |
2024年10月 | 100,000 | --- | 100,000 |
2024年11月 | 100,000 | --- | 100,000 |
2024年12月 | 100,000 | --- | 100,000 |
合計 | 320,000 | 880,000 | 1,200,000 |
8月と9月の設定を、毎月積立額を1万円に加え、ボーナス月積立額44万円に設定します。ボーナス月は、年2回設定できる場合が多いためです。
毎月積立額は、システム上エラーが出る年間上限120万円(例では、月1万円×12ヶ月=12万円と認識される)を超えないように設定するのがポイントで、ボーナス月積立額で調整します。
10月以降は、毎月積立額を10万円に変更します。
このようにすることで、1年の途中から年間上限120万円を使い切ることができます。
ただし、2024年以降のNISAでは、1年で使い切らなくても生涯の非課税枠(「成長投資枠」と合わせて1,800万円)は変わりません。
仮に、2024年8月からつみたて投資枠で月10万円を積立した場合、生涯の非課税枠を使い切るのが7ヶ月(2024年1月~7月)遅れるだけです。
その1年で早めに投資したいという方は、この設定方法を試してみてはいかがでしょうか。
主要なインターネット証券会社における、NISAつみたて投資枠を使い切る設定方法
各証券会社で、設定の可否が異なります。ここでは、主要なインターネット証券である、auカブコム証券、SBI証券、マネックス証券、楽天証券の設定方法について、概要を解説します。
auカブコム証券で使い切る設定方法
auカブコム証券では、年間上限120万円を超えない範囲で、増額指定ができます。
例えば、8月からつみたて投資枠で月10万積立を開始する場合、120万円-10万円×5ヶ月=70万円分を増額指定できます。(参照:NISA(つみたて投資枠)の増額指定に制限はありますか。)
ただし、au PAYカード(クレジットカード)での積立の場合には、増枠指定できません。(参照:au PAYカード決済による投資信託の積立で増額指定はできますか。)
そのため、au PAYカードでの積立でポイント獲得を優先したい場合は、月上限10万円積立することが得策でしょう。
SBI証券で使い切る設定方法
SBI証券では、SBI証券にお問い合わせしたところ、年間上限120万円を超えない範囲で、毎月積立(や毎日積立や毎週積立など)+ボーナス月増額で設定可能とのことでした。
ただし、三井住友カード(クレジットカード)での積立の場合は、auカブコム証券と同様に、増額ができません。
そのため、三井住友カードでの積立でポイント獲得を優先したい場合は、月上限10万円積立することが得策でしょう。
[出典:SBI証券]
マネックス証券で使い切る設定方法
マネックス証券では、年間上限120万円を超えない範囲で、毎月積立(や毎日積立)+ボーナス月増額で設定可能です。(参照:つみたて投資枠を年の途中から使い切りたい場合)
ただし、クレジットカード(マネックスカード、dカード)での積立の場合は、auカブコム証券やSBI証券と同様に、増額ができません。
そのため、クレジットカードでの積立でポイント獲得を優先したい場合は、月上限10万円積立することが得策でしょう。
ちなみに私は、マネックス証券を利用しています。毎日積立+ボーナス月増額を設定した場合、これら合計金額/営業日の金額が毎日積立されます。
例えば、iTrustインド株式で、以下の設定をした場合、(5,000円+20,000円)/20営業日=1,250円が毎日積立されます。
[出典:マネックス証券]
楽天証券で使い切る設定方法
楽天証券では、楽天証券にお問い合わせしたところ、年間上限120万円を超えない範囲で、毎月積立(ただし毎日積立ではできない)+ボーナス月増額で設定可能とのことでした。
FAQ「年の途中でNISAをスタートしました。つみたて投資枠の年の上限である120万円を使い切る方法はありますか?」では、できないと記載ありましたが、工夫すればできます。
ただし、楽天カード(クレジットカード)や楽天キャッシュでの積立の場合は、auカブコム証券やSBI証券やマネックス証券と同様に、増額ができません。
そのため、楽天カードや楽天キャッシュでの積立でポイント獲得を優先したい場合は、月上限10万円積立することが得策でしょう。
まとめ
1年の途中からNISAつみたて投資枠を使い切る設定方法を解説しました。
その1年で早めに投資したいという方は、この設定方法を試してみてはいかがでしょうか。