こんにちは。インデックスファンドでは、資金の流入額を見ると、米国株式や先進国株式が人気です。
一方で、自分で資産配分を決めたいと考えてる方は、新興国株式インデックスファンドも取り入れていることでしょう。
あなたもその一人ではないでしょうか。
信託報酬が低いファンドを抽出すると、次の3本に絞り込めたのではないでしょうか。全て積立NISA対象商品です。
- ニッセイ新興国株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンド
- SBI・新興国株式インデックスファンド(雪だるま)
「どのファンドを選んだら良いんだ」と悩んでいませんか。特に、eMAXIS Slim新興国株式とSBI・雪だるま新興国株式ではないでしょうか。
そんなあなたのために、eMAXIS Slim新興国株式とSBI・雪だるま新興国の比較を中心に解説します。
新興国への投資の参考にしていただけたら幸いです。
- eMAXIS SlimとSBI・雪だるまはベンチマークが違う
- eMAXIS SlimとSBI・雪だるまのどちらを選ぶべきか?
- eMAXIS Slimとニッセイ新興国はどちらを選ぶべき?
- まとめ
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eMAXIS SlimとSBI・雪だるまはベンチマークが違う
両者は、ベンチマークが異なります。
eMAXIS Slimは、MSCI・エマージング・インデックスです。一方、SBI・雪だるまは、FTSE・エマージング・インデックスです。
ちなみに、ニッセイ新興国株式は、MSCI・エマージング・インデックスです。
これら2つのベンチマークの違いを理解しましょう。
MSCI・エマージング・インデックスとは、モルガンスタンレー社が提供する新興国株式を対象とした指数です。
26つの新興国で構成され、大型株と中型株が時価総額の大きい順で組み込まれています。
組入銘柄の上位5国は次の通りです。[2019.10.31時点]
国名 | 割合 |
中国 | 31.85% |
韓国 | 12.19% |
台湾 | 11.92% |
インド | 8.96% |
ブラジル | 7.68% |
その他 | 27.40% |
一方、FTSE・エマージング・インデックスは、FTSEインターナショナル社が提供する新興国株式を対象とした指数です。23つの新興国で構成されています。
組入銘柄の上位5国は、次の通りです。[2019.10.31時点]
国名 | 割合 |
中国 | 35.54% |
台湾 | 13.07% |
インド | 11.04% |
ブラジル | 8.94% |
南アフリカ | 5.68% |
その他 | 25.73% |
MSCI・エマージング・インデックスとの違いは、韓国が新興国として分類されていない点です。
MSCIとFTSEはともに、中国が最も割合が高いです。MSCIとFTSEにおいて、組入割合上位5銘柄は、次の通りです。
MSCI | FTSE | |
1 | アリババグループ | アリババグループ |
2 | セミコンダクター | セミコンダクター |
3 | テンセント | テンセント |
4 | サムスン | 中国建設銀行 |
5 | 中国建設銀行 | リライアンス・ インダストリーズ |
アリババグループは、1999年に中国で創立した企業間電子商取引(B2B) のオンライン・マーケットを運営するIT会社です。
セミコンダクターは、1987年に台湾で創立した半導体製造メーカーです。世界の半導体チップの50%以上の生産量を占めている会社です。
テンセントは、1998年に中国で創立したゲーム会社です。2016年にはゲーム売上高が世界最大、2017年にはアプリの収益が世界一でした。
日本とも深いかかわりがあり、任天堂、スクエア・エニックス、DeNA、セガゲームス、カプコンなどとも業務提携しています。
MSCI・4位サムスンは、グループ会社で電子関連、機械関連、化学関連、金融保険関連と幅広い事業を行っている会社です。
中国建設銀行は、1954年に創立した銀行です。中国国内で第2位の総資産を保持しています。
FTSE・5位のリライアンス・インダストリーズは、1966年にインドで創立した石油・石炭製品事業を行う会社です。
分類上で新興国でも、上位銘柄は世界的に有名な会社ばかりです。
eMAXIS SlimとSBI・雪だるまのどちらを選ぶべきか?
次の3パターンで、あなたが希望する方法を選んでみてはいかがでしょうか。
- 信託報酬が安い方が良い:SBI・雪だるま
- 韓国を含めたい:eMAXIS Slim
- 他のeMAXIS Slimと組合せて購入する:eMAXIS
両者の信託報酬は、次の通りです。[2020.4.5時点]
- eMAXIS Slim:0.2079%
- SBI・雪だるま:0.196%
わずか0.0119%ですが、SBI・雪だるまの方が低いです。
先で説明したように、SBI・雪だるまでは韓国に投資できません。そのため、韓国も含めて投資したい場合は、eMAXIS Slimを選択しましょう。
両者のリターンに差があるのか、気になる方がいるかもしれません。直近のリターンは次の通りです。[2020.2.29基点]
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | |
eMAXIS Slim | -3.64% | 9.47% | -2.23% |
SBI・雪だるま | -5.31% | 6.26% | -2.21% |
過去1年では両者には差がありませんでした。1ヶ月、6ヶ月と短期でみると、eMAXIS Slim、つまり韓国が含まれている方がリターンが高かったです。
もし、あなたが他のeMAXIS Slimと組合せて購入するなら、MSCIをベンチマークとしているeMAXIS Slimをおすすめします。
できるだけ、同じ属性のベンチマークでそろえる方が資産配分を調整しやすいためです。
eMAXIS Slimとニッセイ新興国はどちらを選ぶべき?
eMAXIS Slimとニッセイ新興国で迷っている方のため、両者の違いを解説します。
ベンチマークは両者同じで、MSCI・エマージング・インデックスです。
信託報酬も0.2079%で同じです。
では、何が違うかというと、若干組入れ銘柄数に差があります。
両者の運用レポートに、組入上位10銘柄と組入銘柄数の記載があります。
[出典:eMAXIS Slim新興国株式、2020.2末]
[出典:ニッセイ新興国株式、2020.2末]
eMAXIS Slimが1396銘柄に対して、ニッセイは943銘柄です。
インデックスファンドは、厳密にはインデックスに連動するように、各社が運用するので銘柄数や比率に若干の差が出ます。
両者の直近のリターンは、次の通りです。[2020.2.29基点]
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | |
eMAXIS Slim | -3.64% | 9.47% | -2.23% |
ニッセイ | -3.73% | 9.15% | -2.50% |
若干、eMAXIS Slimの方がリターンが高かったです。ただし、eMAXIS SlimとSBI・雪だるまほどの差はありません。
MSCI・エマージング・インデックスの銘柄数は、1100銘柄以上あるため、それに近づけた運用を希望する場合は、eMAXIS Slimを選択すると良いでしょう。
まとめ
eMAXIS Slim新興国株式と、SBI・雪だるま新興国には、ベンチマークの違いがあります。
eMAXIS SlimがMSCI・エマージング・インデックス、SBI・雪だるまがFTSE・エマージング・インデックスです。
MSCIでは韓国にも投資できます。
あなたの投資方針に合わせて、どちらが最適か検討してみましょう。
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