こんにちは。インデックスファンドでは、資金の流入額を見ると、米国株式や先進国株式が人気です。
一方で、自分で資産配分を決めたいと考えてる方は、新興国株式インデックスファンドも取り入れていることでしょう。
あなたもその一人ではないでしょうか。
信託報酬が低いファンドを抽出すると、次の2本に絞り込めたのではないでしょうか。全て積立NISA対象商品です。
- eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンド[信託報酬:0.187%]
- SBI・新興国株式インデックスファンド(雪だるま)[0.176%]
「どちらのファンドを選んだら良いんだ」と迷いませんか。
そのようなあなたのために、eMAXIS Slim新興国株式とSBI・雪だるま(新興国)について、3つの希望パターンに分けて選び方を解説します。
新興国への投資の参考にしていただけたら幸いです。
更新履歴
- 全体を最新情報にアップデートしました。[2022.6.18]
eMAXIS Slim新興国株式とSBI・雪だるま(新興国)を比較
まずは、両者の重要な部分を比較しましょう。
eMAXIS Slim新興国株式は2017.7.31、SBI・雪だるまは2017.12.6に設立されたファンドです。
インデックスファンド選びのポイントは、ベンチマークと信託報酬です。
ベンチマークは、次の通りです。
- eMAXIS Slim新興国株式:MSCI・エマージング・インデックス
- SBI・雪だるま(新興国):FTSE・エマージング・インデックス
まず、これら2つのベンチマークの違いを理解しましょう。
MSCI・エマージング・インデックスとは、モルガンスタンレー社が提供する新興国株式を対象とした指数です。
26つの新興国で構成され、大型株と中型株が時価総額の大きい順で組み込まれています。
MSCI Emerging Markets Index (USD)によると、組入銘柄の上位5国は次の通りです。[2022.5.31時点]
国名 | 割合 |
中国 | 30.78% |
台湾 | 15.99% |
インド | 12.81% |
韓国 | 12.73% |
ブラジル | 5.58% |
その他 | 22.11% |
一方、FTSE・エマージング・インデックスは、FTSEインターナショナル社が提供する新興国株式を対象とした指数です。23つの新興国で構成されています。
FTSE Emerging Indexによると、組入銘柄の上位5国は、次の通りです。[2022.5.31時点]
国名 | 割合 |
中国 | 33.65% |
台湾 | 17.98% |
インド | 15.58% |
ブラジル | 7.00% |
サウジアラビア | 5.26% |
その他 | 20.53% |
MSCI・エマージング・インデックスとの違いは、韓国が新興国として分類されていない点です。
MSCIとFTSEはともに、中国が最も割合が高いです。
MSCIとFTSEにおいて、組入割合上位5銘柄は、次の通りです。
TOP | MSCI | FTSE |
1 | セミコンダクター | セミコンダクター |
2 | テンセント | テンセント |
3 | サムスン | アリババグループ |
4 | アリババグループ | リライアンスインダストリーズ |
5 | メイトゥアン | メイトゥアン |
セミコンダクターは、1987年に台湾で創立した半導体製造メーカーです。世界の半導体チップの50%以上の生産量を占めている会社です。
テンセントは、1998年に中国で創立したゲーム会社です。2016年にはゲーム売上高が世界最大、2017年にはアプリの収益が世界一でした。
日本とも深いかかわりがあり、任天堂、スクエア・エニックス、DeNA、セガゲームス、カプコンなどとも業務提携しています。
アリババグループは、1999年に中国で創立した企業間電子商取引(B2B) のオンライン・マーケットを運営するIT会社です。
MSCI・3位サムスンは、グループ会社で電子関連、機械関連、化学関連、金融保険関連と幅広い事業を行っている会社です。
FTSE・4位のリライアンス・インダストリーズは、1966年にインドで創立した石油・石炭製品事業を行う会社です。
メイトゥアンは、電子商取引プラットフォームである美団と、中国最大の口コミサイトである大衆点評を運営しています。店舗についての口コミを掲載し、その情報を活用したフードデリバリーサービスを展開しています。
分類上で新興国でも、上位銘柄は世界的に有名な会社ばかりです。
信託報酬は、以下の通り、SBI・雪だるまの方が低いです。
- eMAXIS Slim新興国株式:0.187%
- SBI・雪だるま:0.176%
「リターンに違いがあるんじゃないの?」と気になる方も多いでしょう。
確認してみましょう。
設定来からの基準価額の推移は、次の通りです。[2022.6.17時点]
eMAXIS Slim新興国株式とSBI・雪だるまでは、ほぼ同様の基準価額で推移しているのが分かります。
直近のリターンは次の通りです。[2022.5.31基点]
ファンド名 | 6ヶ月 | 1年 | 3年(年率) | 設定来 |
eMAXIS Slim新興国株式 | -0.93% | -6.88% | 9.91% | 25.19% |
SBI・雪だるま | 0.47% | -4.96% | 9.59% | 22.30% |
過去6ヶ月でのリターンは、eMAXIS Slim新興国株式が、SBI・雪だるまより1.40%低かったです。
過去1年でのリターンは、eMAXIS Slim新興国株式が、SBI・雪だるまより1.92%低かったです。
一方、過去3年(年率)のリターンは、eMAXIS Slim新興国株式が、SBI・雪だるまより0.32%高かったです。
直近1年以内では、SBI・雪だるまの方がリターンが高かったと言えるでしょう。
eMAXIS Slim新興国株式とSBI・雪だるま(新興国)のどちらを選ぶべきか?
次の3つの希望に合わせて、あなたが希望するファンドを選んでみてはいかがでしょうか。
- 信託報酬が安い方が良い
- 韓国を含めたい
- 他のeMAXIS Slimと組合せて購入する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
パターン1:信託報酬が安い方が良い
両者の信託報酬は、以下の通りでした。[2022.6.18時点]
- eMAXIS Slim新興国株式:0.187%
- SBI・雪だるま:0.176%
わずか0.011%ですが、SBI・雪だるまの方が低いです。
そのため、信託報酬が安い方が良いと思うなら、SBI・雪だるまを選択しましょう。
パターン2:韓国を含めたい
先で説明したように、SBI・雪だるまでは韓国に投資できません。
そのため、韓国も含めて投資したい場合は、eMAXIS Slim新興国株式を選択しましょう。
パターン3:他のeMAXIS Slimと組合せて購入する
もし、あなたが他のeMAXIS Slim(先進国株式、日本株式等)と組合せて購入するなら、MSCIをベンチマークとしているeMAXIS Slim新興国株式をおすすめします。
できるだけ、同じ属性のベンチマークでそろえる方が資産配分を調整しやすいためです。
まとめ
eMAXIS Slim新興国株式と、SBI・雪だるまには、ベンチマークの違いがあります。
eMAXIS Slim新興国株式がMSCI・エマージング・インデックス、SBI・雪だるまがFTSE・エマージング・インデックスです。
MSCIでは韓国にも投資できます。
あなたの投資方針に合わせて、どちらが最適か検討してみましょう。