こんにちは。投資信託において米国株式では、S&P500に連動するインデックスファンドが人気ですよね。
S&P500以外にも、NYダウに連動するインデックスファンドもあります。
「S&P500で500銘柄に分散投資するよりも、NYダウで30銘柄に集中投資したい」という方もいるでしょう。
NYダウに投資できるファンドは、以下9本です。(レバレッジファンドを除く)[2022.6.25時点]
- iFree NYダウインデックス
- eMAXIS NYダウインデックス
- PayPay投信 NYダウインデックス
- たわらノーロード NYダウ
- インデックスNYダウ30(アメリカ株式)
- NZAM・ベータ NYダウ30
- SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド
- SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド(為替ヘッジ有)
- SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン
「どのファンドを選んだら良いんだろう」と思っているかもしれません。
そのようなあなたのため、積立NISA口座と、その他の口座(特定口座等)で購入する場合に分けて、おすすめのファンドを解説します。
NYダウへの投資の参考にしていただけたら幸いです。
更新履歴
- 全体をアップデートしました。[2022.6.25]
NYダウとは?
まず、NYダウについて簡単に理解しましょう。
NYダウは、一般的に「NYダウ工業株30種平均」を指し、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が選定する米国経済を代表する30銘柄の平均株価です。
採用銘柄は、随時入替が発生しています。2022.5.14時点では、次の通りです。
企業名 | 業種 | |
1 | アップル | コンピュータ |
2 | アムジェン | 医薬品 |
3 | アメリカン・エキスプレス | 金融 |
4 | ボーイング | 航空機 |
5 | キャタピラー | 重機 |
6 | セールスフォース・ドットコム | ソフトウェア |
7 | シスコシステムズ | 情報・通信業 |
8 | シェブロン | 石油 |
9 | ウォルト・ディズニー・カンパニー | 娯楽・メディア |
10 | ダウ | 化学 |
11 | ゴールドマン・サックス | 金融 |
12 | ホームデポ | 小売業 |
13 | ハネウェル・インターナショナル | 機械・精密機器 |
14 | IBM | コンピューター |
15 | インテル | 半導体 |
16 | ジョンソン・エンド・ジョンソン | 医薬品 |
17 | JPモルガン・チェース | 金融 |
18 | コカ・コーラ | 飲料 |
19 | マクドナルド | 外食 |
20 | スリーエム | 化学 |
21 | メルク | 医薬品 |
22 | マイクロソフト | ソフトウェア |
23 | ナイキ | その他製品 |
24 | P&G | 日用品 |
25 | トラベラーズ | 保険 |
26 | ユナイテッド・ヘルス | 保険 |
27 | ビザ | その他金融 |
28 | ベライゾン・コミュニケーションズ | 通信 |
29 | ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス | 小売業 |
30 | ウォルマート・ストアーズ | 小売業 |
類似した指標に、「S&P500」をよく聞きますよね。
こちらは、主要上場市場が米国の取引所の米国企業で、流動性のある大型株から、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が選定する500銘柄です。
構成銘柄の時価総額を指数化しています。
どちらも大型株を中心としています。違いとしては、S&P500の方が投資対象が多いため、分散性が高いと言われています。
NYダウと、S&P500の業種別比率は以下の通りです。
業種名 | NYダウ | S&P500 |
ヘルスケア | 19.1% | 12.4% |
情報技術 | 18.9% | 23.2% |
金融 | 14.8% | 9.6% |
資本財・サービス | 12.8% | 6.7% |
一般消費財・サービス | 12.4% | 9.2% |
生活必需品 | 7.1% | 5.6% |
エネルギー | 3.3% | 4.2% |
コミュニケーション・サービス | 3.0% | 7.5% |
素材 | 1.3% | 2.5% |
公共事業 | --- | 2.6% |
※上記の比率は、「iFree NYダウインデックス」、「iFree S&P500インデックス」の月次レポート(2022年5月)より作成。
NYダウでは、S&P500と比較すると、特にヘルスケア、金融、資本財・サービス、一般消費財・サービスの比率が高いです。
S&P500では、情報技術やコミュニケーション・サービスが突出して比率が高いです。また、NYダウにはない公共事業の業種も含まれています。
以下は、NYダウのリターン推移を示したものです。[2022.6.25時点]
[出典:Google Finance]
リーマンショックの影響のあった2009年2月には7365.67ドル以降、ずっと右肩上がりです。コロナショックのあった2020年3月でも23185.62ドルを維持しています。
10年で約2.5倍になっています。
NYダウに投資するならどのファンドが良い?
NYダウに投資できるファンドは、以下9本です。(レバレッジファンドを除く)[2022.6.25時点]
- iFree NYダウインデックス
- eMAXIS NYダウインデックス
- PayPay投信 NYダウインデックス
- たわらノーロード NYダウ
- インデックスNYダウ30(アメリカ株式)
- NZAM・ベータ NYダウ30
- SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド
- SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド(為替ヘッジ有)
- SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン
すべてのファンドは、同一ベンチマークです。
SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンドは、為替ヘッジ有と無があります。
為替ヘッジ有を選択すると、米ドルと円の為替が変動しても、影響しないように運用されます。
ただし、円安(例:100円/ドル→120円/ドル)による為替差益を受けることはできなくなります。
一方、為替ヘッジ無を選択すると、為替変動の影響を受けます。解約時に円安なら、値上がり益に加えて、為替差益も受けられます。
円高なら、為替差損を受けて、値上がり益を相殺されてしまいます。
同一ベンチマークで、インデックスファンドを選ぶときの一番のポイントは、手数料(購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額)の低さです。
9本の手数料(信託報酬が低い順)は、以下の通りです。
購入時手数料は、基本的には、すべて0円です。
ファンド名 | 信託報酬 | 信託財産留保額 |
PayPay投信 NYダウインデックス | 0.198% | 0% |
NZAM・ベータ NYダウ30 | 0.231% | 0% |
iFree NYダウ・インデックス | 0.2475% | 0% |
たわらノーロード NYダウ | 0.2475% | 0% |
SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン | 0.55% | 0.2% |
eMAXIS NYダウインデックス | 0.660% | 0% |
インデックスNYダウ30(アメリカ株式) | 0.682% | 0% |
SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド | 0.759% | 0.2% |
SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド(為替ヘッジあり) | 0.759% | 0.2% |
信託財産留保額は、SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン、SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド(為替ヘッジ有・無)の3本が0.2%、それ以外は0%です。
信託報酬は、PayPay投信 NYダウインデックスが0.198%と最も低いです。
続いて、NZAM・ベータ NYダウ30が0.231%です。
そのため、NYダウに投資できるファンドを購入する第一候補としては、PayPay投信 NYダウインデックスをおすすめします。
ただし、2つの懸念点があります。
- 積立NISA対象ではない
- 設定から期間が浅く、純資産総額が大きくない
残念ながら、PayPay投信 NYダウインデックスは、積立NISA対象ではありません。
金融庁の分類によると、このファンドはアクティブ運用に該当するため、その他のインデックスファンドのように簡単に積立NISA対象銘柄に申請することができません。
そのため、積立NISAでNYダウに投資したい場合は、以下2本から選択する必要があります。[2022.6.25時点]
- iFree NYダウ・インデックス[信託報酬:0.2475%]
- eMAXIS NYダウインデックス[0.66%]
現時点は、積立NISAではより信託報酬が低い、iFree NYダウ・インデックスをオススメします。
今後、その他のファンドが積立NISAの対象になる場合もありますので、その際には、再度信託報酬を比較しましょう。
PayPay投信 NYダウインデックスのもう一つの懸念点は、設定から期間が浅く、純資産総額が大きくないことです。
このファンドは、2021年3月8日と、その他のファンドと比較すると、設定から期間が浅いです。
そのため、純資産総額がその他のファンドと比較すると大きくありません。[2022.6.24時点]
ファンド名 | 信託報酬 | 純資産総額(百万円) |
PayPay投信 NYダウインデックス | 0.198% | 508 |
NZAM・ベータ NYダウ30 | 0.231% | 677 |
iFree NYダウ・インデックス | 0.2475% | 36037 |
たわらノーロード NYダウ | 0.2475% | 8309 |
可能性は低いですが、純資産が少なくなりすぎると、最悪のケース償還(強制解約)になる場合があります。
その点にリスクを感じる方は、純資産総額が大きい、かつ信託報酬が低めである、iFree NYダウ・インデックスを選びましょう。
信託報酬が低い、上記4本について、念のため、リターンも比較してみましょう。[2022.5.31基点]
ファンド名 | 6ヶ月 | 1年 | 3年(年率) |
PayPay投信 NYダウインデックス | 7.32% | 13.57% | --- |
NZAM・ベータ NYダウ30 | 7.22% | 13.59% | --- |
iFree NYダウ・インデックス | 7.33% | 13.86% | 17.48% |
たわらノーロード NYダウ | 7.32% | 13.84% | 17.47% |
---:設立前の、データなし
0.1%程度の違いはあるものの、ほぼ同様のリターンであることがわかります。
同様のベンチマークなので当然ですね。
まとめ
NYダウインデックスファンドは、同一ベンチマークであれば、ほぼ同様のリターンが想定されるため、信託報酬が低いものを選ぶようにしましょう。
積立NISAでNYダウに投資したい場合は、iFree NYダウ・インデックスに投資しつつ、新しく追加された場合は、改めて信託報酬を比較しましょう。
その他の口座の場合は、信託報酬が低い、PayPay投信 NYダウインデックスを第一候補にしてみましょう。