こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。2021.1.31時点、三菱商事(8058)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。
三菱商事の業種分類は、卸売業です。
大手総合商社で、天然ガス、総合素材、石油・化学、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10事業を幅広く展開しています。
2020年に米国投資家である、ウォーレン・バフェット氏が購入した銘柄でも有名です。
「三菱商事を、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、三菱商事の配当分析をまとめています。
あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。
通常は、次の3点をモニタリング又は分析しています。
- 業績推移
- キャッシュフロー推移
- 配当分析
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
更新履歴
- 新規作成しました。[2021.1.31]
三菱商事の業績推移
2013年3月期~2020年3月期の売上高、経常利益、当期利益は次の通りです。
売上高について、2018.3期→2019.3期は、対前年比で+112.8%と大きく伸ばしています。2020.3期は、対前年比-8.2%とやや減少しています。
当期利益は、2016.3期は一時マイナスでしたが、それ以外はプラスで推移しています。
直近の決算資料(2020.11)では、2021.3期の業績予想が開示されています。
売上高は非公表、当期利益-62.6%の20,000(百万円)と大幅な減少が見込まれています。
決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期利益 |
2013.3 | 6,009,887 | 442,726 | 323,457 |
2014.3 | 7,635,168 | 531,954 | 361,359 |
2015.3 | 7,669,489 | 574,722 | 400,574 |
2016.3 | 6,925,582 | -92,823 | -149,395 |
2017.3 | 6,425,761 | 601,440 | 440,293 |
2018.3 | 7,567,394 | 812,722 | 560,173 |
2019.3 | 16,103,763 | 851,813 | 590,737 |
2020.3 | 14,779,734 | 648,864 | 535,353 |
※単位:百万円
三菱商事のキャッシュフロー推移
2013.3期~2020.3期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2013.3 | 453,327 | -791,026 | 388,366 | 1,345,920 | -337,699 |
2014.3 | 381,576 | -300,502 | -118,845 | 1,332,036 | 81,074 |
2015.3 | 798,264 | -154,852 | -305,334 | 1,725,189 | 643,412 |
2016.3 | 700,105 | -503,854 | -364,528 | 1,500,960 | 196,251 |
2017.3 | 583,004 | -179,585 | -752,162 | 1,145,514 | 403,419 |
2018.3 | 742,482 | -317,583 | -554,328 | 1,005,461 | 424,899 |
2019.3 | 652,681 | -273,687 | -227,480 | 1,160,582 | 378,994 |
2020.3 | 849,728 | -500,727 | -156,629 | 1,322,812 | 349,001 |
※単位:百万円
営業CF、現金・現金等価物は、安定的にプラスで推移しています。
フリーCFは、2013.3期はマイナスであったものの、2014.3期以降はプラスで推移しています。
三菱商事の配当分析
私が分析しているのは、基本的に次の3点です。
- 配当方針
- 配当実績と配当成長率
- 配当性向(当期利益、フリーCFベース)
配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。
三菱商事の場合、株価2647.5円(2021.1.29終値)で、配当が予想通り年134円であったと仮定すると、配当利回りは5.06%です。
配当方針
三菱商事の配当方針は、「累進的配当政策」、「配当性向を30%→35%への引き上げを目標」とされています。
累進的配当政策とは、配当が前年に対して現状維持、もしくは増配する政策です。すなわち、原則減配はないという素晴らしい政策です。[参考:配当維持or増配の「累進的配当政策」を掲げる日本株はコレ]
詳しくは、公式サイト「配当情報 | 三菱商事」を参照してください。
直近の決算資料(2020.11)では、配当方針の変更は記載されていません。次期の配当は、前年から増配の年134円が予想されています。
配当実績と配当成長率
配当に関する基本情報は次の通りです。
- 配当回数:年2回
- 配当権利確定日:9.30(中間配当)、3.31(期末配当)
2013.3期~2020.3期の配当実績は、次の通りでした。2021.3期は、年134円が予定されています。
過去8年間は、無配当は一度もなく、継続的に配当が支払われています。
直近3年間、2017.3期~2020.3期と2021.3期の配当成長率を算出すると、次の通りです。
決算期 | 配当金 | 配当成長率 |
2017.3 | 80 | --- |
2018.3 | 110 | 38% |
2019.3 | 125 | 14% |
2020.3 | 132 | 6% |
2021.3 (予想) |
134 | 2% |
2018.3期、2019.3期は38%、14%と大幅な上昇でしたが、直近ではやや成長率は減少傾向にあります。
配当性向(当期利益・フリーCFベース)
配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。
理由は、「松井証券は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?」で解説しています。
2017.3期~2020.3期の配当性向を算出すると、次の通りです。
発行済み株数は、1,485,723,351株(2021.1.29時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。
決算期 | 当期利益ベース | フリーCFベース |
2017.3 | 27% | 29% |
2018.3 | 29% | 38% |
2019.3 | 31% | 49% |
2020.3 | 37% | 56% |
当期利益ベースでは、100%以下で安全圏内でした。
フリーCFベースでは、やや上昇傾向にあるものの、100%以下で安全圏内でした。
2021.3期は当期利益の減少が予想されているため、配当性向も計算上は大きく上がるでしょう。
また、2021.3期のフリーCFベースの配当性向にも留意しておきましょう。
現金が十分にあるうちは、配当は継続されると予測しています。
まとめ
私が、三菱商事を配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。
売上高は、2020.3期までは上昇傾向です。経常利益や当期利益は、2017.3期以降、安定的に推移しています。
2021.3期は、当期利益が大幅に減少予定なので、株価の動きには留意しておきましょう。
営業CF、フリーCFは、安定的にプラス推移が続いています。
配当方針は、「累進的配当政策」、「配当性向30%→35%目標」です。直近の方針変更もなし。
配当実績は、過去8年間無配当はなく、継続性が十分にあります。
以上のことから、安定的に高配当が得られると考え、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。
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