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三菱商事(8058)は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?

執筆者:NISA SCHOOL 永松 龍一郎(Udemy認定講師

三菱商事,配当株候補銘柄

こんにちは。国内株の配当株投資している永松です。

2021.1.31以降、三菱商事(8058)は配当株として「有り」と判断して、配当狙いポートフォリオに組み入れています。

 

三菱商事の業種分類は、卸売業です。

大手総合商社で、天然ガス、総合素材、石油・化学、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10事業を幅広く展開しています。

2020年に米国投資家である、ウォーレン・バフェット氏が購入した銘柄でも有名です。

 

「三菱商事を、配当株として組み入れるか検討中」という方のため、三菱商事の配当分析をまとめています。

あくまで個人的な見解で、銘柄推奨するものではありません。配当株投資の参考になれば幸いです。

 

 

更新履歴

  • 2023年3月期の四半期決算チェックを更新させました。[2022.11.19]

 

 

四半期決算チェック

四半期決算では、配当の状況と、通期の業績予想の当期利益をチェックしましょう。
2022.11.8に、2023年3月期 第2四半期決算短信が開示されました。
配当の状況:変更なし。期中77円配当。通期で155円配当を予想。
当期利益:上方修正。1,030,000百万円(対前年比+9.9%)を予想。

 

 

三菱商事の業績推移

2013年3月期~2022年3月期の売上高、経常利益、当期利益は次の通りです。

売上高について、2019.3期以降大きく伸ばしています。2020.3期と2021.3期では、やや減少傾向にありましたが、2022.3期は大きく伸ばしています。

当期利益は、2016.3期は一時マイナスでしたが、それ以外はプラスで推移しています。

2023.3期の業績予想では、売上高は非公表、当期利益-9.3%の850,000百万円と減少が見込まれています。

三菱商事,売上高

決算期 売上高 経常利益 当期利益
2013/03 6,009,887 442,726 323,457
2014/03 7,635,168 531,954 361,359
2015/03 7,669,489 574,722 400,574
2016/03 6,925,582 -92,823 -149,395
2017/03 6,425,761 601,440 440,293
2018/03 7,567,394 812,722 560,173
2019/03 16,103,763 851,813 590,737
2020/03 14,779,734 648,864 535,353
2021/03 12,884,521 253,527 172,550
2022/03 17,264,828 1,293,116 937,529

※単位:百万円

 

 

三菱商事のキャッシュフロー推移

2013.3期~2022.3期の各キャッシュフロー(CF)は次の通りです。

三菱商事,キャッシュフロー

決算期 営業CF 投資CF 財務CF 現金・現金等価物 フリーCF
2013/03 453,327 -791,026 388,366 1,345,920 -337,699
2014/03 381,576 -300,502 -118,845 1,332,036 81,074
2015/03 798,264 -154,852 -305,334 1,725,189 643,412
2016/03 700,105 -503,854 -364,528 1,500,960 196,251
2017/03 583,004 -179,585 -752,162 1,145,514 403,419
2018/03 742,482 -317,583 -554,328 1,005,461 424,899
2019/03 652,681 -273,687 -227,480 1,160,582 378,994
2020/03 849,728 -500,727 -156,629 1,322,812 349,001
2021/03 1,017,550 -357,297 -691,184 1,317,824 660,253
2022/03 1,055,844 -167,550 -693,396 1,555,570 888,294

※単位:百万円

 

営業CF、現金・現金等価物は、安定的にプラスで推移しています。

フリーCFは、2013.3期はマイナスであったものの、2014.3期以降はプラスで推移しています。

 

 

三菱商事の配当分析

私が分析しているのは、基本的に次の3点です。

  1. 配当方針
  2. 配当実績と配当成長率
  3. 配当性向(当期利益、フリーCFベース)

 

配当株投資の対象には、「配当利回り4.5%以上」を条件に銘柄スクリーニングしています。

当時、私が購入した段階では、株価2647.5円(2021.1.29終値)で、配当が年134円でしたので、配当利回りは5.06%でした。

現時点では、株価4467円(2022.5.27終値)で、配当が予想通り年150円であったと仮定すると、配当利回りは3.36%です。

株価が上昇した分、配当利回りは下がっています。

 

 

配当方針

三菱商事の配当方針は、「配当情報 | 三菱商事」によると、累進的配当政策です。

累進的配当政策とは、配当が前年に対して現状維持、もしくは増配する政策です。すなわち、原則減配はないという素晴らしい政策です。[参考:累進配当(減配なし)の日本株はこの5銘柄 

 

配当実績と配当成長率

配当に関する基本情報は次の通りです。

  • 配当回数:年2回
  • 配当権利確定日:9.30(中間配当)、3.31(期末配当)

 

2017.3期~2022.3期の配当実績、及び2023.3期の配当予想は、次の通りでした。

決算期 配当金 配当成長率
2017/03 80 ---
2018/03 110 38%
2019/03 125 14%
2020/03 132 6%
2021/03 134 2%
2022/03 142 6%
2023/03 150 6%

 

2018.3期は38%、2019.3期は14%と大幅な成長でしたが、直近ではやや成長率は減少傾向にあります。

 

配当性向(当期利益・フリーCFベース)

配当性向は、当期利益ベースとフリーCFベースの2通りで算出しています。

米国株投資ではフリーCFベースで分析されます。私はこれを日本株にも応用しています。

フリーCFとは、営業CF+投資CFで算出される数値で、簡単に言えば、企業が自由に使える現金です。

フリーCFは、新たな設備投資、借入金の返済、内部留保、そして配当に使われます。そのため、配当株投資では重要な分析対象となりえます。

フリーCFが潤沢にあれば、配当の増額にも期待できます。一方、フリーCFが少ないのに配当を維持していたら、「そろそろ減配が近づいているかもしれない」と事前にリスクを察知できます。

詳しくは、書籍『「年100回配当」投資術ー日本人が知らない秘密の収入源』を読むと配当投資のレベルがグッと上がります。

 

2017.3期~2022.3期の配当性向を算出すると、次の通りでした。

発行済み株数は、1,485,723,351株(2022.5.27時点)で算出しています。算出した数値は、若干、公式サイトとが異なります。

決算期 当期利益ベース フリーCFベース
2017/03 27% 29%
2018/03 29% 38%
2019/03 31% 49%
2020/03 37% 56%
2021/03 115% 30%
2022/03 26% 24%
2023/03 25% ---

 

当期利益ベースでは、2021.3期を除き、100%以下で安全圏内でした。

フリーCFベースでは、24%~56%と100%以下で安全圏内でした。

2023.3期は、当期利益ベースの配当性向は25%と安全圏内を維持すると考えられます。

現時点では、配当は継続されると予測しています。

 

 

まとめ

私が、三菱商事を配当株として「有り」と判断した理由は次の通りです。

売上高は、2020.3期までは上昇傾向です。経常利益や当期利益は、2017.3期以降、安定的に推移しています。

営業CF、フリーCFは、安定的にプラス推移が続いています。

配当方針は、「累進的配当政策」です。その方針に従い、減配なく継続性が十分にあります。

以上のことから、安定的に高配当が得られると考え、配当狙いポートフォリオに組み入れても問題ないと判断しました。 

2022.5.29時点では、株価が上昇しているため、予想配当利回りが3.5%程度となっています。その利回りに満足できない方は、株価の下落or増配を待ちましょう。

 

 

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