こんにちは。メルカリ(銘柄コード:4385)に株式投資したいと思うなら、ちょっと待ってほしいです。
2021年現在、メルカリに投資する方法は、株式投資だけではありません。
融資型クラウドファンディング「funds」を通じて、メルカリの事業に投資して配当を得ることができます。
株式投資とfundsには、それぞれメリットとデメリットがあり、投資前に両者を比較検討しておいても損はありません。
どちらが、あなたに適しているか判断する参考に、メルカリに株式投資する魅力と、fundsで投資する魅力を解説します。
メルカリとはどんな会社?
超有名企業であるので、知っていると思いますが、今一度簡単にまとめておきます。
フリマアプリ「メルカリ」を運営する企業です。スマートフォンに特化し、不用品等を個人間で売買できます。
メルカリの国内月間ユーザー数は、2021年6月期3Qにおいて、1904万人となっています。約6人に1人が使っているという感じです。
ビジネスモデルは手数料収入で、出品者の販売代金の10%が売上となります。
その他、メルカリの米国版「Mercari(US)」やスマホ決済サービス「メルペイ」を展開しています。
グループ会社にまで視野を広げると、2021年4月に設立された「メルコイン」にも個人的には注目しています。
メルコインでは、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行っていく予定です。
昨今、暗号資産は、ビットコインだけにとどまらず、様々なプロジェクトがあり、金融システム、デジタルコンテンツや契約の証明等に利用されています。
今後、メルペイに、暗号資産や資産運用のウォレット機能が追加される予定です。
メルカリに株式投資する魅力
メルカリは、2018年6月22日に、東証マザーズに上場しました。
株式投資する魅力として、配当、株主優待、キャピタルゲイン(売却益)に注目しておきましょう。
結論をまとめると、次の通りです。
- 配当はなし
- 株主優待はなし
- キャピタルゲインに期待できる
詳しく見ていきましょう。
メルカリの配当
2021.3期3Q決算短信では、配当は予定されていません。
また、上場から現在まで、配当はありませんでした。
株主還元方針によると、以下のように記載されています。
当面の間は内部留保の充実を図る方針ですが、将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主のみなさまへの利益還元を検討してまいります。
現時点では、配当狙いの方は、メルカリに株式投資してもメリットはありません。
配当が出るか否か、また配当の安全性を見るには、キャッシュフロー計算書、特に、フリーキャッシュフロー(フリーCF)の伸びを見ておきましょう。
フリーCFとは、営業CF+投資CFで算出される数値で、簡単に言えば、企業が自由に使える現金です。
フリーCFは、新たな設備投資、借入金の返済、内部留保、そして配当に使われます。そのため、配当株投資では重要な分析対象となりえます。
2018年6月期~2020年6月期のCFは、以下の通りでした。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2018/6 | -3,437 | -1,944 | 63,617 | 109,157 | -5,381 |
2019/6 | -7,289 | -2,805 | 32,200 | 130,774 | -10,094 |
2020/6 | 12,533 | -2,653 | 465 | 141,008 | 9,880 |
※単位:百万円
フリーCFは、2018年6月期と2019年6月期はマイナスであったものの、2020年6月期は大きくプラスに転じていました。
メルカリの株主優待
2021.7.16時点、株主優待はありません。
株主優待狙いの方には、メルカリに株式投資するメリットはありません。
将来的に、「メルコイン」における暗号資産の利用拡大を目的に、暗号資産を株主優待とするというのも面白いかもしれません。
他社では、モーニングスター(4765)がXRP(リップル)を株主優待としているので、無理のない話ではありません。
メルカリのキャピタルゲイン
過去の株価チャートは、次の通りでした。[2021.7.16時点]
[出典:Google Finance]
2021.7.16の終値では、5820円です。
仮に、上場時(2018.6.22)終値4550円から保有していたとすると、+27.91%の含み益です。年率換算で+9.1%のリターンと考えることもできます。
仮に、最安値1630円で購入し、最高値6160円で売却したとすると、+277.91%となります。
このように、メルカリに株式投資する最大の魅力は、大きなキャピタルゲインに期待できる点です。
一方で、価格下落による、含み損になるデメリットも留意しておきましょう。
今後、メルカリのキャピタルゲインに期待できるか否かを予測するならば、四半期売上高、当期利益、四半期EPS(1株あたりの利益)、ROE(自己資本利益率)の伸びに注目しておきましょう。
四半期売上高と当期利益は、次の通りです。[2021.7.16時点]
決算期 | 区分 | 売上高 | (前年比) | 当期利益 | (前年比) |
2018/6 | 本 | 9,618 | --- | -3,607 | --- |
2018/9 | 1Q | 10,552 | --- | -2,887 | --- |
2018/12 | 2Q | 13,236 | --- | -1,588 | --- |
2019/3 | 3Q | 13,590 | --- | -2,866 | --- |
2019/6 | 本 | 14,305 | 48.70% | -6,423 | -78.10% |
2019/9 | 1Q | 14,548 | 37.90% | -7,113 | -146.40% |
2019/12 | 2Q | 18,445 | 39.40% | -6,990 | -340.20% |
2020/3 | 3Q | 20,357 | 49.80% | -8,109 | -182.90% |
2020/6 | 本 | 22,925 | 60.30% | -560 | 91.30% |
2020/9 | 1Q | 22,156 | 52.30% | 4,281 | 160.20% |
2020/12 | 2Q | 26,057 | 41.30% | -170 | 97.60% |
2021/3 | 3Q | 28,688 | 40.90% | -535 | 93.40% |
売上高は、対前年比+37.90%~+60.30%と順調に伸ばしています。
一方、当期利益は、マイナスであることが多いです。
2021.6.23にニュースリリースされた、2021年6月期通期業績予想の修正に関するお知らせでは、5000百万円の当期利益が予想されています。
四半期EPSは、次の通りです。[2021.7.16時点]
決算期 | EPS(円) |
2020/3 | -144.82 |
2020/6 | -147.86 |
2020/9 | 27.37 |
2020/12 | 26.25 |
2021/3 | 22.81 |
2021/6 | 31.84 |
EPSは、2020年9月以降、順調にプラスで推移していました。
先ほどの業績予想の修正によると、2021年6月は31.84円とさらに伸びることが予想されています。
ROEは、次の通りです。[2021.7.16時点]
ROEは、企業だどれだけ効率的に利益を上げているかを見る指標です。
決算期 | ROE |
2018/6 | -23.93% |
2019/6 | -26.13% |
2020/6 | -53.13% |
2020年6月期までは、当期利益がマイナスなので、マイナスの数値になっています。
2021年6月期は、当期利益がプラスなので、プラスに転じてくると思われます。
上記の数値の最新情報は、メルカリの決算情報で確認することができます。
わかりづらいと思うなら、ミンカブ・ジ・インフォノイド(4436)が運営するみんかぶ「メルカリ (4385) : 決算情報・業績 [Mercari] 」を見ても良いでしょう。
メルカリにfundsのファンドで投資する魅力
fundsとは、企業の事業に1円以上1円単位で投資できる融資型クラウドファンディングです。
メルカリファンドの魅力は、次の通りです。
- 1円から少額投資できる
- 安定的な配当に期待できる
- メルペイのポイント還元キャンペーンがある
詳しく見ていきましょう。
fundsは1円から投資可能
メルカリに株式投資する場合、基本的に100株単位での売買です。
仮に、2021.7.16の終値5820円で購入したとすると、5820円×100株=582,000円もかかります。
ただし、昨今、1株単位で株式を購入できるようになりました。
そのため、株式投資するならば、最低5820円必要です。
一方、fundsでは、1円単位1円以上で投資できるため、3000円や1万円と好きな金額で投資できるメリットがあります。
1円単位で投資できるため、再投資する際にも無駄なく投資できる点も良いです。
メルカリファンドの配当
2021.7.17時点、メルカリファンドは、以下2ファンドが募集されています。
ファンド名 | 運用期間 | 予定利回り | 募集金額 | 応募金額割合 |
メルカリ サステナビリティ ファンド#1 |
10ヶ月 | 2.00% | 1億円 | 100% |
メルカリ サステナビリティ ファンド#2 |
10ヶ月 | 2.00% | 2億円 | 100% |
メルカリ サステナビリティファンドは、メルペイ事業に投資するファンドです。
運用期間は10ヶ月、予定利回り2.00%です。
仮に、10万円投資した場合、10万円×10ヶ月/12ヶ月×2.00%=1667円(税引前)の配当に期待できます。
募集金額は、1億円と2億円と大きかったですが、100%の応募率でした。
fundsでは、あくまで事業を運営する企業への貸付のため、ファンドで集めた資金で行う事業の成否は、配当に影響しません。
元本保証ではありませんが、企業の財務状況については、fundsが事前に審査しており、安定的な配当に期待できます。
メルカリファンドのポイント還元キャンペーン
通常、fundsで投資する場合、fundsの専用口座に入金します。
一方、メルカリファンドに投資する場合は、メルペイに入金する必要があります。(メルペイの利用者を増やしたいという目的もあるためでしょう。)
ちょっと面倒と思うかもしれませんが、その分、ポイント還元キャンペーンが付いていました。
対象条件は30万円以上の投資で、投資金額に応じて、もれなくメルカリポイントが還元されました。
還元ポイントは、以下の通りです。
- 30万円~49万9999円:2000ポイント
- 50万円~69万9999円:3000ポイント
- 70万円~89万9999円:6500ポイント
- 90万円~:9000ポイント
メルカリポイントは、メルカリでの買い物やネット決済に利用できます。
仮に90万円投資したとしてシミュレーションしてみましょう。
配当は、90万円×10ヶ月/12ヶ月×2.00%=15000円です。
メルカリポイントは9000ポイントです。
1ポイント=1円と仮定すると、90万円の投資に対して、24000円の配当が得られることになります。
利回り換算すると、24000円/90万円÷10ヶ月×12ヶ月×100%=3.2%となります。
株式投資のキャピタルゲインの平均リターン9.1%と比較すると、低いと思うかもしれませんが、安全性は高いと考えられます。
まとめ
メルカリに投資するなら、次の2つの選択肢を検討しましょう。
- キャピタルゲインを重視したい:株式投資
- 配当を重視したい:fundsで投資
株式投資の場合、配当及び株主優待はありませんが、キャピタルゲインに期待できます。
一方、メルカリファンドの場合、キャピタルゲインはありませんが、配当(過去募集ファンドでは2.00%)及びキャンペーンによるポイント還元に期待できます。
あなたの投資思想に適した方を選択しましょう。
その他、Fundsに関するトピックは、「融資型クラウドファンディング Funds(ファンズ)の資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
Fundsは、金融のプロが選定した企業の事業に1円から投資でき、想定利回り1.0%~6.0%の配当に期待できます。
まずは、Fundsで資産運用するメリットをチェック!
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