こんにちは。株式会社ヤプリ(銘柄コード:4172)が、2020.12.22に東証マザーズに上場が決まりました。
ヤプリのIPO抽選に申込したいという方のため、IPOの基本情報、狙い目証券会社、初値分析をまとめています。
更新履歴
- 初値分析を追記しました。[2020.12.23]
ヤプリとはどんな会社?
ヤプリは、アプリ開発技術がなくてもノーコード(プログラミング不要)でアプリ開発、運用できるクラウド型のアプリ運営プラットフォーム「Yappliシステム」を販売しています。
ビジネスモデルとしては、1アプリ1契約で、導入時に初期制作サポートを実施した対価として受け取る「初期制作収入」、Yappliシステム利用料や保守運営料として受け取る「月額利用料」を主としています。
その他、有料オプション収入があります。
2020年12月期3Q時点、契約アプリ件数は527件、累計ダウンロード数は6500万ダウンロード、月額利用料割合は79%です。
また、月額解約率は0.88%と激低です。
目論見書によると、直近3年の業績推移は次の通りでした。
売上高は、年々大きく増加しています。2017.12期から2018.12期は対前年比で+70.5%、2018.12期から2019.12期は対前年比で+68.4%と驚異的です。
2020.12期(3Q)時点で、すでに1,701,357(千円)と前年に近づいています。
一方、経常利益と当期利益は、減少しています。
決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期利益 |
2017.12 | 599,059 | -63,718 | -73,874 |
2018.12 | 1,021,809 | -162,492 | -205,671 |
2019.12 | 1,721,107 | -798,928 | -789,757 |
※単位:千円
また、キャッシュフロー(CF)は次の通りでした。
営業CF及びフリーCFはマイナスでした。
一方、現金・現金等価物は2019.12期では対前年比で+468%と大幅に増加しています。
フリーCFを見る理由に関心がある方は、「松井証券は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?」の配当性向(当期利益・フリーCFベース)の項を参考ください。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2017.12 | --- | --- | --- | --- | --- |
2018.12 | -228,778 | -30,175 | -83,334 | 220,903 | -258,953 |
2019.12 | -698,539 | -602,788 | 215,082 | 1,034,658 | -1,301,327 |
※単位:千円
ヤプリのIPOスケジュール
各スケジュールは、次の通りです。
- 上場日:2020.12.22
- IPO抽選申込期間:2020.12.4~12.10
- IPO抽選日:2020.12.11
- 購入申込期間:2020.12.14~12.17
ヤプリのIPO当選は、どこの証券会社が狙い目?
ヤプリのIPOでは、次の3通りの株式募集があります。[2020.11.23時点]
- 公募:350,000株[当選本数:3,500本]
- 売出し(引受人の買取引受):4,495,400株[44,954本]
- 売出し(オーバーアロットメント;OA):726,600株[7,266本]
公募は、上場時に新規に発行される株式です。
売出し(引受人の買取引受)は、既存株主から証券会社が株式を買い取り、投資家に売出される株式です。
売出し(OA)は、事前に予想していた需要を超えて投資家が申込した場合に、追加で売出される株式です。
当選本数は、合計55,720本とやや当たりやすそうです。
抽選申込可能な証券会社の内訳は、次の通りです。
種別 | 証券会社 | 割当株数 | 当選本数 |
公募 | みずほ | 280,100 | 2,801 |
大和 | 59,500 | 595 | |
野村 | 5,200 | 52 | |
SBI | 3,500 | 35 | |
マネックス | 1,700 | 17 | |
売出し(買取引受) | みずほ | 3,596,400 | 35,964 |
大和 | 764,200 | 7,642 | |
野村 | 67,400 | 674 | |
SBI | 44,900 | 449 | |
マネックス | 22,500 | 225 | |
売出し(OA) | みずほ | 726,600 | 7,266 |
公募、売出し(買取引受)、及び売出し(OA)46031本の当選がある、みずほ証券が狙い目かと思われます。
ヤプリの初値分析
株価が割安か割高かに判断するために、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)を用います。
PERは株価÷EPS(1株あたりの当期純利益)、PBRは株価÷BPS(1株あたりの純資産)で算出されます。
ヤプリの直近のEPSとBPSは次の通りでした。[2020.11.23時点]
決算期 | EPS | BPS |
2017.12 | -9.89 | -31.04 |
2018.12 | -27.53 | -58.57 |
2019.12 | -105.72 | -164.30 |
発行済み株式数が、2017.12期は33,741株、2018.12期は33,741株、2019.12期は36,462株となっています。
ヤプリの初値分析では、次のことを抑えておきましょう。
- 想定発行価格:2960円(仮条件:2960円~3160円)
- 想定発行価格におけるPER*:算出せず
- 想定発行価格におけるPBR*:算出せず
- 発行価格:3160円
- 初値:5240円
- 初値売却時リターン:+2080円(+65.8%)
*2019.12期のEPSとBPSを元に算出。IPO調達分を考慮しない。EPSとBPSがマイナスのため、算出していません。
初値は、+65.8%と大幅に上昇しました。
2020.12.22に、「成長に関する資料」と「東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」が開示されました。
IPOセカンダリー狙いの方は、十分に読んでおきましょう。
2020.12期の売上高は2370百万円と、対前年比で+37.7%が予想されています。当期利益は-658百万円とマイナスですが、前年よりはプラスです。
2020.12.23終値ベース(5200円)では、PBR47.42倍となっています。利益がマイナスのため、PERは未算出です。
その他の銘柄については、「2020年IPO銘柄(新規公開株式)のスケジュール・上場日・初値リターン」で一覧をまとめています。
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