こんにちは。室町ケミカル(銘柄コード:4885)が、2021.2.26に東証ジャスダックに上場が決まりました。
室町ケミカルのIPO抽選に申込したいという方のため、IPOの基本情報、狙い目証券会社、初値分析をまとめています。
更新履歴
- 初値分析を追記しました。[2021.2.27]
室町ケミカルとはどんな会社?
医薬品事業、健康食品事業、化学品事業の3つの柱を持った企業です。1917年に設立と100年以上続いている老舗です。
医薬品事業では、原薬(医薬品の有効成分)の製造・販売を行っています。
健康食品事業では、商品設計から関わるODMが大多数を占めています。
化学品事業では、主にイオン交換樹脂や分離膜を販売しています。これらは、純水の製造や液体の精製、濃縮、脱色、金属回収などに利用されてます。
目論見書によると、直近3年の業績推移は次の通りでした。
売上高は、2018.5期→2019.5期は対前年比+18.8%と上昇、2019.5期→2020.5期は対前年比で-2.0%と少し減少していました。
当期利益は、2018.5期はマイナスでしたが、2019.5期以降はプラスで推移しています。
決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期利益 |
2018.5 | 4,536,959 | -20,164 | -87,833 |
2019.5 | 5,392,119 | 108,133 | 111,979 |
2020.5 | 5,280,306 | 278,285 | 34,391 |
※単位:千円
また、キャッシュフロー(CF)は次の通りでした。
営業CF、フリーCFはプラスで推移していました。
現金・現金等価物は、2019.5期→2020.5期は大幅に上昇しています。
フリーCFを見る理由に関心がある方は、「松井証券は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?」の配当性向(当期利益・フリーCFベース)の項を参考ください。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2018.5 | --- | --- | --- | --- | --- |
2019.5 | 342,095 | -311,293 | -22,590 | 613,958 | 30,802 |
2020.5 | 88,920 | 136,697 | 42,227 | 880,950 | 225,617 |
※単位:千円
室町ケミカルのIPOスケジュール
各スケジュールは、次の通りです。
- 上場日:2021.2.26
- IPO抽選申込期間:2021.2.8~2.15
- IPO抽選日:2021.2.16
- 購入申込期間:2021.2.17~2.22
室町ケミカルのIPO当選は、どこの証券会社が狙い目?
室町ケミカルのIPOでは、次の3通りの株式募集があります。[2021.1.22時点]
- 公募:970,000株[当選本数:9,700本]
- 売出し(引受人の買取引受):500,000株[5,000本]
- 売出し(オーバーアロットメント;OA):220,500株[2,205本]
公募は、上場時に新規に発行される株式です。
売出し(引受人の買取引受)は、既存株主から証券会社が株式を買い取り、投資家に売出される株式です。
売出し(OA)は、事前に予想していた需要を超えて投資家が申込した場合に、追加で売出される株式です。
当選本数は、合計16,905本とやや当たりやすそうです。
抽選申込可能な証券会社の内訳は、次の通りです。
種別 | 証券会社 | 割当株数 | 当選本数 |
公募 | 野村 | 823,000 | 8,230 |
FPG | 44,100 | 441 | |
みずほ | 29,400 | 294 | |
SBI | 29,400 | 294 | |
大和 | 14,700 | 147 | |
楽天 | 14,700 | 147 | |
岡三 | 14,700 | 147 | |
売出し(買取引受) | 野村 | 500,000 | 5,000 |
売出し(OA) | 野村 | 220,500 | 2,205 |
公募、売出し(買取引受)及び売出し(OA)15,435本の当選がある、野村証券が狙い目かと思われます。
室町ケミカルの初値分析
株価が割安か割高かに判断するために、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)を用います。
PERは株価÷EPS(1株あたりの当期純利益)、PBRは株価÷BPS(1株あたりの純資産)で算出されます。
室町ケミカルの直近のEPSとBPSは次の通りでした。[2021.1.22時点]
決算期 | EPS | BPS |
2018.5 | -43.91 | 35.7 |
2019.5 | 55.99 | 89.32 |
2020.5 | 17.16 | 101.92 |
※2020. 10.15の株式分割を考慮した数値です。
室町ケミカルの初値分析では、次のことを抑えておきましょう。
- 想定発行価格:770円
- 想定発行価格におけるPER*:44.87倍
- 想定発行価格におけるPBR*:7.55倍
- 発行価格:820円
- 初値:1424円
- 初値売却時リターン:+604円(+73.7%)
*2020.5期のEPSとBPSを元に算出。IPO調達分を考慮しない。
初値は、+73.7%と大幅に上昇しました。
2021.2.26終値ベース(1462円)では、PER16.24倍、PBR10.97倍となっています。
2021.2.26に、「東京証券取引所JASDAQへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」が開示されました。
2021.5期の売上高は4,786百万円と対前年比-9.4%、当期利益は202百万円と対前年比+542.2%が予想されています。
IPOセカンダリー狙いの場合は、今後の動向をよく見ておきましょう。
その他の銘柄については、「2021年IPO銘柄(新規公開株式)のスケジュール・上場日・初値リターン」で一覧をまとめています。
関連記事
・ネオモバ証券1株IPOのメリットとデメリット、最新の取扱銘柄はコレ!
・SBIネオモバイル証券1株IPOの当選確率を上げる3つの方法