こんにちは。株式会社インバウンドテック(銘柄コード:7031)が、2020.12.18に東証マザーズに上場が決まりました。
インバウンドテックのIPO抽選に申込したいという方のため、IPOの基本情報、狙い目証券会社、初値分析をまとめています。
更新履歴
- 初値分析を追記しました。[2020.12.20]
インバウンドテックとはどんな会社?
インバウンドテックは、最新のデジタル技術を活用し、24時間365日対応の多言語コンタクトセンターサービスを中心に、業種に合わせた通訳ソリューションを展開する企業です。
12か国語に対応しています。
社名にもあるように、インバウンド(日本を訪れる外国の方)のニーズを満たすビジネスを展開しています。
外国の方が日本を訪れるのは、観光目的だけではなく、ビジネス目的などもあります。法務省の調べによると、2019年12月末時点、在留外国人は293万人もいます。
この方たちも、国内企業や自治体からすると顧客となりえます。
その時大きな課題となるのが、言語の壁です。これを解決し、顧客と企業や自治体がスムーズなコミュニケーションを実現するためのサービスを、インバウンドテックが提供しています。
その他、セールスアウトソーシング事業も展開しています。こちらは、企業に替わってインバウンドテックの見込み客に営業します。
下記の動画が分かりやすいので、ぜひ、ご覧になってください。
目論見書によると、直近3年の業績推移は次の通りでした。
売上高は、右肩上がりで上昇しており、2018.3期→2019.3期は+29.5%と大幅増加、2019.3期→2020.3期は+1.0%となっています。
当期利益も、2020.3期では対前年比+713%と大幅に増加しています。
2021.3期2Q時点では、売上高は912,960(千円)、当期利益111,241(千円)まできています。
決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期利益 |
2018.3 | 2,280,722 | 148,924 | 104,464 |
2019.3 | 2,953,728 | 50,213 | 19,739 |
2020.3 | 2,983,411 | 210,503 | 140,930 |
※単位:千円
また、キャッシュフロー(CF)は次の通りでした。
営業CFは、2019.3期はマイナスであったものの、2020.3期では前年より大幅に増加してプラスです。フリーCFも、それに伴い増加しています。
現金・現金等価物は、2020.3期は大幅に増加しています。
フリーCFを見る理由に関心がある方は、「松井証券は、配当株投資の候補銘柄として有りか無しか?」の配当性向(当期利益・フリーCFベース)の項を参考ください。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2018.3 | --- | --- | --- | --- | --- |
2019.3 | -123,501 | -38,807 | 159,144 | 272,842 | -162,308 |
2020.3 | 291,016 | -7,457 | -42,112 | 514,289 | 283,559 |
※単位:千円
インバウンドテックのIPOスケジュール
各スケジュールは、次の通りです。
- 上場日:2020.12.18
- IPO抽選申込期間:2020.12.3~12.9
- IPO抽選日:2020.12.10
- 購入申込期間:2020.12.11~12.16
インバウンドテックのIPO当選は、どこの証券会社が狙い目?
インバウンドテックのIPOでは、次の3通りの株式募集があります。[2020.11.29時点]
- 公募:186,200株[当選本数:1,862本]
- 売出し(引受人の買取引受):20,000株[200本]
- 売出し(オーバーアロットメント;OA):30,900株[309本]
公募は、上場時に新規に発行される株式です。
売出し(引受人の買取引受)は、既存株主から証券会社が株式を買い取り、投資家に売出される株式です。
売出し(OA)は、事前に予想していた需要を超えて投資家が申込した場合に、追加で売出される株式です。
当選本数は、合計2,371本とかなり当たりにくそうです。
抽選申込可能な証券会社の内訳は、次の通りです。
種別 | 証券会社 | 割当株数 | 当選本数 |
公募 | 東海東京 | 168,700 | 1,687 |
SBI | 6,200 | 62 | |
香川 | 4,100 | 41 | |
エイチ・エス | 4,100 | 41 | |
エース | 2,100 | 21 | |
水戸 | 1,000 | 10 | |
売出し(買取引受) | 東海東京 | 20,000 | 200 |
売出し(OA) | 東海東京 | 30,900 | 309 |
公募、売出し(買取引受)及び売出し(OA)2196本の当選がある、東海東京証券が狙い目かと思われます。
インバウンドテックの初値分析
株価が割安か割高かに判断するために、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)を用います。
PERは株価÷EPS(1株あたりの当期純利益)、PBRは株価÷BPS(1株あたりの純資産)で算出されます。
インバウンドテックの直近のEPSとBPSは次の通りでした。[2020.11.29時点]
決算期 | EPS | BPS |
2018.3 | 157.56 | 442.03 |
2019.3 | 29.77 | 471.80 |
2020.3 | 212.56 | 684.36 |
発行済み株式数が、2018.3期~2020.3期は663,000株となっています。
インバウンドテックの初値分析では、次のことを抑えておきましょう。
- 想定発行価格:5700円(仮条件:5200円~5700円)
- 想定発行価格におけるPER*:26.81倍
- 想定発行価格におけるPBR*:8.32倍
- 発行価格:5700円
- 初値:7300円
- 初値売却時リターン:+1600円(+28.0%)
*2020.3期のEPSとBPSを元に算出。IPO調達分を考慮しない。EPSとBPSがマイナスのため、算出せず。
初値は、+28.0%と大幅に上昇しました。
2020.12.17に、「成長に関する資料」と「東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ」が開示されました。
IPOセカンダリー狙いの方は、十分に読んでおきましょう。
2021.3期の売上高は2019百万円と、対前年比で-32.3%が予想されています。当期利益は155百万円と、対前年比+10.7%が予想されています。
2020.12.18終値ベース(7520円)では、PER41.36倍、PBR8.84倍となっています。
その他の銘柄については、「2020年IPO銘柄(新規公開株式)のスケジュール・上場日・初値リターン」で一覧をまとめています。
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