ひふみ投信・藤野英人氏の新書「さらば、GG資本主義」を読んでみて

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こんにちは。みなさんは知っているだろうか?藤野英人氏を。レオス・キャピタルワークスで、ひふみ投信という投資信託のファンドマネジャーをしている方。今、いや前からですが、藤野さんの話は面白い。特に野村證券時代の話が(笑)。

 

藤野さんの新書「さらば、GG資本主義-投資家が日本の未来を信じている理由-」について、印象に残ったところをまとめておこう。

 

高齢化社会

これから日本の人口減少が急速に進んでいきます。2050年の統計予測では、1人の高齢者を1人の働き手で支えなれればならない、とのことです。

65歳以上がもらえる年金支給額と、私たちが納めている年金保険料の関係を例に考えてみた。

年金支給額:約6.5万円/月(自営業の場合)

年金保険料:約1.5万円/月

単純に考えて、1.5万円-6.5万円=-5万円。マイナス収支です。当然ですが、年金原資は減っていきます。20代~40代が公的年金に期待できないのは明らかですが、もしかすると、今支給されている方、もうすぐ支給の方も、支給額調整や支給年齢引き上げなんて影響が出てくるかも。 

藤野さんは、この高齢化社会について次のように述べています。

日本の会社や経済においても、もっと広範囲に色々な部分で「みんなの成長」の邪魔をしているのではないか

本書では、 セブン&アイを事例に挙げられています。ここでGG資本主義の「GG」の意味もわかるはず(笑)。

チャンスがあれば、主導権を握れ

これは、藤野さんのベンチャーファイナンスの先生の言葉です。 高校の部活であれば、3年経てば先輩は抜けるので、後輩が活躍できる場ができます。でも、会社に出ると、上の世代が長く居座るので、待っていてもチャンスが回ってこない。だから、チャンスがあれば主導権を握りなさい、ということです。

会社だと、どうしても上の人の目を気にしてしまう人が多いですよね。

会社員は、「上司からの評価(ボーナスの評価)」を捨てると、伸び伸びと働けると思います。

前職の4年目に、所属チームとある重大な問題にぶち当たりました。そのときに、「ボーナスなんてどうなっても構わない」と思い切って行動しました。その経験後は、上の人に好かれるか、嫌われるかはどうでもよくなり、「会社として社会にどうあるべきか」、「ステークホルダー、特に顧客にとって誠実な対応は何か」を考えるようになりました。 

 

オーナーシップ(当事者意識)の欠如

最近、会社でも話題のオーナーシップについても本書では書かれています。

「オーナーシップは平社員まで浸透させることが必要か?」について、藤野さんに聞いてみたい。

経営層と異なり、ストックオプションはないし、利益に十二分に貢献したとしてもボーナスへの反映はされないのではないかと。また、多くの会社員が実際に「ビジネス」を経験したことがないので、オーナーシップがどういうものか実感できないのでは?と考えています。

それよりも、自分がどうなりたいのか?というキャリアデザインについて力を入れるべきだと思います。3年くらい働くと、自分の得意・不得意、好き・嫌いがわかってくるので、自分と向き合い方、会社での活かし方をもっと教えたらいいのに、と思う。

 

投資教育

2016年の金融庁のアンケートによると、投資教育について次の結果がある。

日本人の約半分が、「金融や投資に関する知識を身につけたいとは思わない」

友人の中にもいます。。

「俺、絶対に投資しない」

「学ぼうとは思わない」

投資する・しないは自由だけど、ちょっと知ってみてから、判断したらいいのに、と思う。 

日本人は、「投資=悪いもの、コワい、危険、損する」などネガティブなイメージな人が多い。私も2013年まで縁がなかったです。でも、セゾン投信の中野さん、さわかみ投信の澤上さん、そして藤野さんを知り、「長期投資=本来、世の中に役に立つもの」と理解して、投資信託の積立投資を始めるようになりました。

投資は、株式の短期トレードだけでなく、運用はプロに任せて長期的な資産形成に活用できる投資信託もあると、知ってほしい。

かといって、まだまだ敷居が高いという思い込みが多いので、それを絶対解決したい!長期投資を正しく広めたいと思ってしまい、無料オンライン教材を作ってた経緯があります。

【導入編】投資信託の選び方を学ぼう|ニーサを活用した長期投資入門 | Udemy

 

日本人の働くことへのネガティブ意識

日本人は「働くこと=ストレスと時間をお金に変えること」と認識している人が多い。新入社員の頃は、ワクワクしながら会社に入ってくる。お給料ももらえて、新しいことも学べてなんて楽しいんだと思う。けど、3年目になると、ちょっとずつ会社の悪いところが見えてきて、愚痴に走り出す。

一方で、7年、8年経ってもずっと仕事を楽しんでいる人もいる。もちろん、会社の経営がうまくいっていて、働きやすい環境というのもあるが。一番は自分がどうなりたいか?が明確だからだと思う。仕事を自分のスキルアップの場ととらえ、それに向かって努力している。

今後、「働くことは考え方を変えたら楽しくなるぞ!」と後輩に教えていきたい。

 

虎になれ!

本書のメインと言っても良いと思う。3パターンの虎が増えていると述べている。

  • 都市部に生息する、ベンチャーの虎
  • 地方に生息する、ヤンキーの虎
  • 会社に生息する、社員の虎

それぞれの詳細は、本書をぜひ読んでほしい。虎とは、「忖度(そんたく)するされたりしないで、当事者意識を持ち、自分の心の声に従い、人生は自分のもの、自分で切り開いていく人」のことをいうそうだ。

本書の中で、社畜の定義が引用されている。

主に日本で、社員として勤めている会社に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化した賃金労働者の状態を揶揄したもの。

引用元:Wikipedia「社畜」

なんと1990年に流行った言葉だそうだ。私の中では、超長時間労働するイエスマンと思っていたが、「良心を放棄した…」という部分は知らなかった。

本書では、今後の日本の働き方の参考なるものがたくさん書かれています。なので、投資を学びたいという人より、会社員に本書を読んでほしいと思います。

以上、本書を読んでみた感想をまとめてみました。藤野さんの著書は結構読んでいるが、一番イイ本です。ぜひ、ご興味あればどうぞ。

さらば、GG資本主義 投資家が日本の未来を信じている理由 (光文社新書)