こんにちは。ここ数年、安定的に右肩上がりの米国株式への投資が注目されています。
つみたてNISA対象商品にも、米国S&P500に投資できる、SBI・バンガード・S&P500インデックス[2019.9]、NZAM・ベータ S&P500[2020.3]が追加されました。
これにより、つみたてNISAでS&P500に投資できるファンドは、以下5つになりました。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- iFree S&P500 インデックス
- つみたて米国株式(S&P500)
- SBI・バンガード・S&P500インデックス
- NZAM・ベータ S&P500
「どのファンドを選んだらよいんだ」と悩むことでしょう。特に、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とSBI・バンガード・S&P500はどちらにするか、ではないでしょうか。
そんなあなたのために、eMAXIS SlimとSBI・バンガードの比較を中心に解説します。
S&P500への投資の参考にしていただけたら幸いです。
S&P500とは?
まず、S&P500について簡単に理解しましょう。
S&P500とは、主要上場市場が米国の取引所の米国企業で、流動性がある大型株から、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が選定する500銘柄です。構成銘柄の時価総額を指数化しています。
類似した指標で、NYダウ平均(ダウ工業株30種)をよく聞きますよね。こちらは、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が選定する米国経済を代表する30銘柄です。構成銘柄は平均株価を数値化しています。
どちらも大型株を中心としています。違いとしては、S&P500の方が投資対象が多いため、分散性が高いと言われています。
以下は、S&P500の推移を示したものです。[2020.3.13時点]
[出典:Google Finance]
リーマンショックの影響のあった2009年3月には756.55以降、ずっと右肩上がりです。コロナショックのあった2020年3月でも2711.02を維持しています。
約10年で3.58倍になっています。
一方、日本のTOPIXの推移はどうでしょうか。[2020.3.16時点]
[出典:Google Finance]
リーマンショックの影響のあった2009年3月には721.39、2010年~2013年まで株価が低迷し、政権交代による金融緩和で一気に株価が上昇しました。
コロナショックのあった2020年3月では1268.39でした。約10年で1.75倍になっています。
同一期間において、S&P500の上昇率は、日本の2.04倍です。この点から、TOPIXよりもS&P500に投資した方が得られるリターンが大きかったと言えます。
5つのファンドを、まずは2つに絞り込み!
S&P500に投資するなら、どのファンドが良いか見ていきましょう。
楽天証券、又はSBI証券で購入できるファンドのうち、つみたてNISA対象、投資対象がS&P500、償還期限が無期限のファンドを抽出しました。[2020.3.16時点]
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- iFree S&P500 インデックス
- つみたて米国株式(S&P500)
- SBI・バンガード・S&P500インデックス
- NZAM・ベータ S&P500
すべてのファンドで、S&P500をベンチマークとし、ベンチマークの動きに連動する投資成果を目指して運用されます。
同一ベンチマークで、インデックスファンドを選ぶときの一番のポイントは、手数料(購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額)の低さです。
5つのファンドの手数料は、以下の通りです。
ファンド名 | 購入時 手数料 |
信託報酬 | 信託財産 留保額 |
eMAXIS Slim | 0円 | 0.0968% | 0% |
iFree | 0円 | 0.2475% | 0% |
つみたて米国株式 | 0円 | 0.22% | 0% |
SBI・バンガード | 0円 | 0.0938% | 0% |
NZAM・ベータ | 0円 | 0.264% | 0% |
購入時手数料は0円で、信託財産留保額は0%です。
信託報酬は、NZAM・ベータ<iFree<つみたて米国株式<eMAXIS Slim<SBI・バンガードの順に安くなります。
念のため、リターンも比較してみましょう。[2020.2.29時点]
同一ベンチマークなので、ほぼ同様のリターンなのがわかるかと思います。
ファンド名 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
eMAXIS Slim | -8.87% | -5.31% | 5.46% |
SBI・バンガード | -8.87% | -5.41% | ---* |
*:SBI・バンガードは設立したばかりのため、6ヶ月以上のデータはありません。
eMAXIS SlimとSBI・バンガードの信託報酬の差は0.0968%-0.0938%=0.003%/年の差と小さいです。例えば、累計100万円投資していたとしましょう。このとき、1年で100万円×0.003%=30円の差です。10年でも300円の差です。
そのため、S&P500に投資するなら、この2つのどちらかと言えます。
eMAXIS SlimとSBI・バンガードのどちらを選ぶべきか?
次の3パターンで、あなたが希望する方法を選んでみてはいかがでしょうか。
- 積立購入したい:楽天証券でeMAXIS Slim
- つみたてNISAで一括購入したい:SBI証券でSBI・バンガード
- それ以外:SBI証券でSBI・バンガード
まず、認識しておきたいことがあります。SBI・バンガードは、SBI証券でしか購入できません。
このファンドは、他社との差別化のために設定されたため、SBI証券ユーザー優先なのではないかと思います。
この理由は、信託報酬の内訳にあります。以下は、このファンドの信託報酬の内訳です。
- 委託会社:0.022%
- 販売会社:0.022%
- 受託会社:0.014%
- バンガード:0.03%
ここで注目なのは、販売会社です。もし、このファンドをSBI証券で販売すれば、販売手数料による収益はSBI証券に入ります。
一方、他の証券に販売してもらうと、SBI証券の収益は0.022%減ってしまう訳です。
ファンド規模が大きくなると、0.022%でも非常に大きな収益になります。そのため、今のところは、SBI証券限定販売と考えられます。
[※]SBI証券の他、マネックス証券、岡三オンライン証券、佐賀銀行でも購入可能になりました。
積立購入したい場合、楽天証券でeMAXIS Slimを購入するのが最もお得です。
ご存知のように、楽天証券では楽天カード決済による積立投資ができ、1%の楽天スーパーポイントが得られます。
月5万円まで、最大年60万円までポイント対象のため、60万円×1%=6000円相当の還元されます。
つみたてNISAで一括購入したい場合、SBI証券でSBI・バンガードを購入するのがおすすめです。
楽天証券でも一括購入できますが、その場合、楽天カード決済が使えないため、ポイントが貯まりません。
一方、SBI証券では、投信マイレージサービスで、SBIポイント(Tポイント)が貯まります。こちらは、投資信託の保有に対して、一定の割合で付与されます。
SBI証券で投資する場合、信託報酬が低いSBI・バンガードを購入することで、年0.02%のポイントが貯まります。
上記2つ以外の場合は、信託報酬が低いSBI・バンガードを購入するのが良いでしょう。
まとめ
S&P500インデックスファンドは、同一ベンチマークであれば、ほぼ同様のリターンが想定されるため、信託報酬が低いものを選ぶようにしましょう。
現時点では、eMAXIS Slim米国株式S&P500、又はSBI・バンガード・S&P500のどちらかを、あなたの買い方の希望に合わせて選択しましょう。
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