ご存知のように、不動産バンク(不動産BANK)は、少額からプロが選定した不動産に投資できるサービスです。
2022年11月に不動産バンクのサービスが開始されました。
不動産バンクを含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。
「不動産バンクを検討中だけど、元本割れリスクがあるから躊躇している」という方もいるのでは。
元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。
大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。
今回は、不動産バンクのファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。
不動産バンクを利用するか否かの参考にしていただけたら、幸いです。
不動産バンクのメリットである、優先劣後出資方式とは?
[出典:不動産バンク]
不動産バンクは、元本割れリスクの低減のため、優先劣後出資方式を採用しています。
簡単に言うと、得られた利益があなたに優先的に配分される仕組みです。
不動産バンクでは、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社(劣後出資者)の両者からお金を集めています。
ファンドの元本や配当金の支払いは、優先出資であるあなたが優遇されます。このように、優先と劣後に分ける出資方法を、優先・劣後出資方式と言います。
優先・劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。
不動産バンクでは、劣後出資割合は、10%前後で設定されています。
不動産バンクが元本割れするケース
どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。
結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。
「鎌ヶ谷市1棟マンション」ファンドを例に、元本償還シミュレーションを作成しました。
本ファンド概要は次の通りです。
- 出資総額:4000万円
- 募集金額(優先出資額):400万円
- 想定運用期間:10ヶ月
- 想定利回り:6.0%
- 優先・劣後出資割合:90%・10%
例①~③のケースで見ていきましょう。
例①は、運用終了時点で「物件を600万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の4500万円を超えています。
あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益*は、あなた側の収益になります。
*:ファンドによって、運営会社の利益分もあります。
例②は、運用終了時点で「物件を3800万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の4000万円を下回っています。損失が200万円です。
ここで、優先・劣後出資方式のメリットが作用します。
損失は、劣後出資額(運営会社側)から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。
例③は、運用終了時点で「物件を3500万円で売却」した場合です。
この場合、出資総額の4000万円を下回っています。損失が500万円です。
ここでも、優先・劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(運営会社側)から補填されます。
しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の100万円を上回っています。
400万円-500万円=-100万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。
計算上は、-100万円/3600万円×100%=-2.77%になると推測できます。例えば、1万円投資していれば、9722円戻ってくる計算です。
簡単にまとめると、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
不動産バンクでは、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。
その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、配当金が少なくなります。
まとめ
不動産バンクでは、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先・劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。
これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。
それぞれ、リスクとリターンが異なりますので、詳しくは、公式ページをご覧ください。
その他、不動産バンクに関するトピックは、「これ1本でわかる!不動産バンクの資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
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本内容は事業者の公式サイト(不動産バンク)から抜粋した情報をもとに執筆者個人の感想を加えたものです。正確な情報は、事業者の公式サイトにてご確認ください。なお、本記事は情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する意思決定は、事業者の公式サイトにて個別商品・リスク等の内容をご確認いただき、ご自身の判断にてお願いいたします。