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ちょこっと不動産の元本割れリスクを理解していますか?

執筆者:NISA SCHOOL 永松 龍一郎Udemy認定講師

ちょこっと不動産,元本割れリスク

ご存知のように、ちょこっと不動産は、1万円と少額から不動産のプロが選定した物件に投資できるサービスです。

2021年3月からサービスが開始されました。

 

ちょこっと不動産を含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。

「ちょこっと不動産を検討中だけど、元本割れがコワいから躊躇している」という方もいるのではないでしょうか。

元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。

大切なのは、どういう場合に元本割れする恐れがあるのか、を知ることです。

 

本記事では、ちょこっと不動産のファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。

ちょこっと不動産に対する不安を少しでも和らげていただけたら、幸いです。

 

 

 

更新履歴

  • 全体をアップデートしました。

 

 

元本割れリスクに関わる、優先劣後出資方式、マスターリース契約とは?

ちょこっと不動産では、元本割れリスクの低減のため、優先劣後出資方式とマスターリース契約を採用しています。

これら2つを簡単に理解しておきましょう。

 

優先劣後出資方式とは?

ちょこっと不動産は、元本割れリスクの低減のため、優先劣後出資方式を採用しています。

ちょこっと不動産,優先劣後出資方式

[出典:ちょこっと不動産]

 

簡単に言うと、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社等(劣後出資者)の両者からお金を集め、収益分配や元本償還に優先順位をつける仕組みです。

劣後出資者が売却損を先に負担することになるので、仮に物件の売却価格が想定価格を下回っても、優先出資は元本割れしにくいことになります。

つまり、劣後出資割合が高い方が元本割れしにくくなります。

 

優先劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。

ちょこっと不動産の過去ファンドでは、劣後出資割合は30.0%~60.0%で、中央値は40.0%でした。

ファンド名 優先出資割合 劣後出資割合
ちょこっと不動産36号 杉並区宮前第4期 67.0% 33.0%
ちょこっと不動産35号 杉並区宮前第3期 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産34号 練馬区向山第3期 63.0% 37.0%
ちょこっと不動産33号 小平市花小金井 52.0% 48.0%
ちょこっと不動産32号 練馬区向山第2期 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産32号 練馬区向山第2期 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産31号 練馬区向山第1期 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産29号 杉並区宮前第2期 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産28号 大田区新蒲田 50.0% 50.0%
ちょこっと不動産27号 瑞穂町Ⅲ 70.0% 30.0%
ちょこっと不動産26号 大田区中央 50.0% 50.0%
ちょこっと不動産25号 品川区荏原 65.0% 35.0%
ちょこっと不動産24号 杉並区宮前第1期 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産23号 江東区東砂 50.0% 50.0%
ちょこっと不動産22号 江東区大島Ⅱ 50.0% 50.0%
ちょこっと不動産21号 葛飾区小菅 40.0% 60.0%
ちょこっと不動産20号 板橋区蓮沼町 63.0% 37.0%
ちょこっと不動産19号 久米川Ⅲ 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産18号 墨田区東駒形B 63.0% 37.0%
ちょこっと不動産17号 墨田区東駒形A 63.0% 37.0%
ちょこっと不動産16号 台東区浅草 70.0% 30.0%
ちょこっと不動産15号 瑞穂町Ⅱ 70.0% 30.0%
ちょこっと不動産14号 葛飾区堀切 50.0% 50.0%
ちょこっと不動産13号 大田区山王 70.0% 30.0%
ちょこっと不動産12号 荒川区荒川B 55.0% 45.0%
ちょこっと不動産11号 荒川区荒川A 55.0% 45.0%
ちょこっと不動産10号 荒川区東日暮里 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産9号 杉並区下高井戸 65.0% 35.0%
ちょこっと不動産8号 江東区大島 65.0% 35.0%
ちょこっと不動産7号 北区岸町 60.0% 40.0%
ちょこっと不動産6号 元浅草 55.0% 45.0%
ちょこっと不動産5号 駒形富士山 70.0% 30.0%
ちょこっと不動産4号 久米川 II 70.0% 30.0%
ちょこっと不動産3号 瑞穂町 70.0% 30.0%
ちょこっと不動産2号 花小金井 70.0% 30.0%
ちょこっと不動産1号 久米川 70.0% 30.0%
最小値 40.0% 30.0%
最大値 70.0% 60.0%
中央値 60.0% 40.0%
平均値 60.9% 39.1%

 

優先劣後出資割合は、以下の方法で、確認できます。

1.ちょこっと不動産にアクセスし、該当ファンドのページを選択します。

 

2.「プロジェクト概要」の安全性を高める仕組みの欄で、劣後出資割合を確認できます。

ちょこっと不動産,劣後出資割合の調べ方

 

マスターリース契約とは?

また、ちょこっと不動産では、安定的な配当を実現するため、マスターリース契約を採用しています。

マスターリース契約とは、簡単に言うと、賃料保証です。物件運用時の空室による賃料収入減に対するリスクを低減しています。

ちょこっと不動産の配当金(インカムゲイン)は、主に賃料収入が原資なので、マスターリース契約の有無は重要です。

 

 

ちょこっと不動産のファンドが元本割れするケース

どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。

結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。

 

「ちょこっと不動産1号 久米川」を例に、元本償還シミュレーションを作成しました。

このファンドの概要は次の通りです。

  • 総出資額:1,200万円
  • 募集金額:840万円
  • 想定運用期間:6ヶ月
  • 想定利回り:6.0%
  • 優先・劣後出資割合:70%・30%

 

例①~③のケースで見ていきましょう。

ちょこっと不動産,元本割れシミュレーション

 

例①は、運用終了時点で「物件を1,400万円で売却」した場合です。

この場合、総出資額の1,200万円を超えています。

あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益は、出資者の利益になります。

 

例②は、運用終了時点で「物件を1,000万円で売却」した場合です。

この場合、総出資額の1,200万円を下回っています。損失が200万円です。

ここで、優先劣後出資方式のメリットが作用します。

損失は、劣後出資額(運営会社側)から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。

 

例③は、運用終了時点で「物件を800万円で売却」した場合です。

この場合、総出資額の1,200万円を下回っています。損失が400万円です。

ここでも、優先劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(運営会社側)から補填されます。

しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の360万円を上回っています。

360万円-400万円=-40万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。

計算上は、-40万円/840万円×100%=-4.8%に減ると推測できます。例えば、1口1万円投資していれば、9,520円戻ってくる計算です。

 

簡単にまとめると、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。

ちょこっと不動産では、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。

その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、配当金が少なくなります。

 

 

まとめ

ちょこっと不動産では、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。

あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先・劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。

これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。

それぞれのファンドで、リスクとリターンが異なりますので、詳しくは公式ページをご確認ください。

 

その他、ちょこっと不動産に関するトピックは、「不動産クラウドファンディング ちょこっと不動産の資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。

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