こんにちは。ADワークスグループ(銘柄コード:2982)に株式投資したいと思うなら、ちょっと待っていただきたい。
2021年現在、ADワークスグループに投資する方法は、株式投資だけではありません。
融資型クラウドファンディング「funds」を通じて、ADワークスグループの事業に投資して配当を得ることができます。
株式投資とfundsには、それぞれメリットとデメリットがあり、投資前に両者を比較検討しておいても損はありません。
どちらが、あなたに適しているか判断する参考に、ADワークスグループに株式投資する魅力と、fundsで投資する魅力を解説します。
ADワークスグループとはどんな会社?
収益不動産ソリューション事業を主とした、富裕層を中心とした機関投資家、事業法人向けの収益不動産を開発・販売する事業を行っています。
その他、新商品/サービスソリューション事業、REIT(不動産投資信託)事業、CVC事業を行っています。
REIT事業は、収益不動産事業の規模拡大を目的に参画し、2022年から私募REITが組成される予定です。
CVCとは、コーポレート・ベンチャー・キャピタルの略で、主に未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資や支援を行います。
CVC事業の第一弾として、2021年4月30日に株式会社クロス・デジタル・イノベーションに5000万円出資されています。
クロス・デジタル・イノベーションは、個人顧客とFPをマッチングさせるプラットフォーム事業で、将来的には、ADワークスグループの投資商品の展開や、「投資」と「マッチング」というカテゴリーで新サービス構築の可能性にチャレンジされるとのことです。
小ネタですが、ADワークスの由来は、1936年5月に設立した青木染工場(Aoki Dyeing Works)です。
元々は、染色業を営んでいたそうですよ。
ADワークスグループに株式投資する魅力
元々は、ADワークスとして、東証一部に上場していました。2020年4月に、完全親会社ADワークスグループとして改めて東証一部に上場しています。
株式投資する魅力として、配当、株主優待、キャピタルゲイン(売却益)に注目しておきましょう。
結論をまとめると、次の通りです。
- 配当は未確定
- 株主優待あり
- キャピタルゲインに期待できる
詳しく見ていきましょう。
ADワークスグループの配当
ADワークスグループには、年2回(6月・12月)の配当があります。
配当方針は、以下の通りです。
中期的な視点に立ち、企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保、設備投資及び人材投資などの将来を見据えた投資資金を確保しつつ、業績に応じ一定程度の配当を安定的に実施することを基本方針としております。
2020年12月期、及び2021年12月期の配当金は以下の通りです。
決算期 | 配当(円) | 配当成長率 |
2020/12 | 2.63 | --- |
2021/12 | 未定* | --- |
2021年12月期の配当は、現時点では未定でした。
仮に、2020年12月期の配当と同額が支払われたとすると、2021.7.20の終値154円で株を購入したとすると、配当利回りは1.70%です。
現時点では、配当が未定であるため、配当目的でADワークスグループに株式投資するのはややおすすめできません。
配当予想が開示されるのを待ちつつ、配当の安全性をチェックしておく必要があります。
キャッシュフロー計算書、特に、フリーキャッシュフロー(フリーCF)の伸び、配当性向(当期利益ベース、フリーCFベース)を見ておくと良いでしょう。
フリーCFについては、メルカリ(4385)に投資するならどっち?株式投資とfundsのファンドを見てください。
2020年12月期(2020年4月に上場のため、9ヶ月間の変則決算)のデータは、以下の通りでした。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金・現金等価物 | フリーCF |
2020/12 | -1,058 | -625 | 162 | 7,362 | -1,683 |
※単位:百万円
フリーCFは、マイナスでした。
配当性向(当期利益ベース、フリーCFベース)は、次の通りでした。
発行済み株式数は、43,061,064を基に算出しています。桁数の関係で、若干他のサイトと数値が異なる場合があります。
決算期 | 当期利益 | フリーCF | 配当性向 | |
当期利益ベース | フリーCFベース | |||
2020/12 | 264 | -1,683 | 43% | --- |
2021/12 | 380 | --- | --- | --- |
当期利益ベースでは、2020年12月期は43%と安全領域と思われます。
2021年12月期は、2021年12月期 第1四半期決算短信において、当期利益が380百万円と予想されているため、仮に、同額の配当が支払われた場合、配当性向は下がりより安全領域となります。
一方、フリーCFベースでは、2020年12月期のフリーCFがマイナスのため算出していません。
フリーCFについては、今後留意しておく必要があるでしょう。
ADワークスグループの株主優待
2021.7.19時点、ADワークスグループには、ADワークスグループ株主クラブという株主優待で利用する専用サイトがあります。
年に2回、株式保有数に応じて、プレミアム優待ポイントが付与され、専用サイト内で高級食材等と交換できます。
株式保有別の付与ポイントは、以下の通りです。
- 1000株~2999株:2000ポイント×2回
- 3000株~4999株:9000ポイント×2回
- 5000株~6999株:20,000ポイント×2回
- 7000株~:25,000ポイント×2回
2021.7.20の終値154円で、株主優待の権利を得るには、154円×1000株=154,000円が必要です。
1ポイント≒1円相当の価値があると考えられているため、1000株保有時の株主優待利回りは、4000円/154,000円×100%=2.59%相当と計算できます。
仮に、7000株保有時の株主優待利回りは、50000円/1,078,000円×100%=4.63%相当まで上がります。
株主優待狙いの方には、ADワークスグループに株式投資する大きなメリットがあります。
ADワークスグループのキャピタルゲイン
2020年4月3日~直近の株価チャートは、次の通りでした。[2021.7.20時点]
[出典:Google Finance]
2021.7.20の終値では、154円です。
仮に、2020.4.3の終値149円から保有していたとすると、+3.36%の含み益です。年率換算で+2.59%のリターンと考えることもできます。
仮に、最安値149円で購入し、最高値190円で売却したとすると、+27.51%となります。
ADワークスグループに株式投資する場合、配当狙いだけでなく、キャピタルゲインにも期待できます。
一方で、価格下落による、含み損になるデメリットも留意しておきましょう。
今後、ADワークスグループのキャピタルゲインに期待できるか否かを予測するならば、四半期売上高、当期利益、四半期EPS(1株あたりの利益)、ROE(自己資本利益率)の伸びに注目しておきましょう。
四半期売上高と当期利益は、次の通りです。[2021.7.20時点]
決算期 | 区分 | 売上高 | (前年比) | 当期利益 | (前年比) |
2020/6 | 1Q | 2,253 | --- | -180 | --- |
2020/9 | 2Q | 8,816 | --- | 213 | --- |
2020/12 | 本 | 5,771 | --- | 231 | --- |
2021/3 | 1Q | 6,262 | --- | 165 | --- |
まだ1年分のデータしかなく、過去と比較できませんが、売上高は、順調に伸ばしています。
一方、当期利益は2020年6月はマイナスであるものの、それ以降はプラスで推移していました。
四半期EPSは、次の通りです。[2021.7.20時点]
決算期 | EPS |
2020/6 | -4.65 |
2020/9 | 5.52 |
2020/12 | 5.92 |
2021/3 | 4.08 |
EPSは、2020年6月はマイナスであるものの、それ以降はプラスで推移していました。
ROEは、次の通りです。[2021.7.16時点]
ROEは、企業だどれだけ効率的に利益を上げているかを見る指標です。
決算期 | ROE |
2020/12 | 2.00% |
※9ヶ月分のデータ
一般に、ROEは10%~20%で優良企業と言われるため、ADワークスグループはその中に入っていませんでした。
今後の成長については、2021.7.15にリリースされた、『第1次中期経営計画』に関するIR説明会資料を確認しましょう。
2021年12月期~2023年12月期を重要な3年と位置づけ、次の4点を目標に掲げられていました。
- SDGs経営の推進
- 「複利の経営」への転換
- ”脱”不動産事業収益の割合を「5年後3割」
- 「プライム市場」への上場
2022年4月に株式市場が再編されます。これまで、東証一部、東証二部、マザーズ、ジャスダック(スタンダード、グロース)だったものが、プライム、スタンダード、グロースの3つになります。
プライムが、最上位市場で、上場及び上場維持基準が厳しいです。
基準については、先の資料のp.29に記載があります。
ADワークスグループは、このプライム市場を目指されています。これを達成した際には、おそらく株価も今以上に上がっていそうです。
株式投資する場合は、要注目です。
ADワークスグループにfundsのファンドで投資する魅力
fundsとは、企業の事業に1円以上1円単位で投資できる融資型クラウドファンディングです。
ADワークスグループファンドの魅力は、次の通りです。
- 1円から少額投資できる
- 株式よりも配当利回りが高く、安定的な配当に期待できる
詳しく見ていきましょう。
fundsは1円から投資可能
ADワークスグループに株式投資する場合、基本的に100株単位での売買です。
仮に、2021.7.20の終値154円で購入したとすると、154円×100株=15,400円もかかります。
ただし、昨今、1株単位で株式を購入できるようになりました。
そのため、株式投資するならば、最低154円必要です。株単価が低いので、ハードルは低いです。
fundsでは、1円単位1円以上で投資できるため、1000円や1万円と好きな金額で投資できるメリットがあります。
1円単位で投資できるため、再投資する際にも無駄なく投資できる点も良いです。
ADワークスグループファンドの配当
2021.7.20時点、ADワークスグループ(ADWG)ファンドは、以下7ファンドが募集されています。
ファンド名 | 運用期間 | 予定利回り | 募集金額 | 応募金額割合 |
ADWG不動産事業ファンド#5 (7.21~募集) |
12ヶ月 | 1.80% | 5000万円 | --- |
ADWG不動産事業ファンド#4 | 11ヶ月 | 1.80% | 5000万円 | 84% |
ADWGグループ国内事業ファンド#2 | 11ヶ月 | 1.80% | 5000万円 | 98% |
ADWGグループ国内事業ファンド#1 | 11ヶ月 | 1.80% | 5000万円 | 100% |
ADWG不動産事業ファンド#3 | 12ヶ月 | 1.80% | 5000万円 | 98% |
ADWG不動産事業ファンド#2 | 12ヶ月 | 1.90% | 5000万円 | 100% |
ADWG不動産事業ファンド#1 | 12ヶ月 | 2.00% | 5000万円 | 100% |
ADWG不動産事業ファンドは、収益不動産ソリューション事業に投資するファンドです。
ADWGグループ国内事業ファンドは、ADWGグループの事業と、そこに付加価値をもたらすCVC事業に投資するファンドです。
運用期間は11ヶ月~12ヶ月、予定利回り1.80%~2.00%です。
株式投資の配当は未確定です。過去と同じだとすると、配当利回りは1.70%で、fundsの方が高い利回りです。
仮に、10万円投資した場合、10万円×11ヶ月~12ヶ月/12ヶ月×1.80%~2.00%=1650円~2000円(税引前)の配当に期待できます。
募集金額は、すべて5000万円ですが、84%~100%の応募率でした。
fundsでは、あくまで事業を運営する企業への貸付のため、ファンドで集めた資金で行う事業の成否は、配当に影響しません。
元本保証ではありませんが、企業の財務状況については、fundsが事前に審査しており、安定的な配当に期待できます。
ADワークスグループファンドの優待
fundsのファンドには、過去ファンドでは優待は設定されていませんでした。
まとめ
ADワークスグループに投資するなら、次の3つの選択肢を検討しましょう。
- キャピタルゲインを重視したい:株式投資
- 株主優待を取得したい:株式投資
- 配当を重視したい:fundsで投資
株式投資の場合、配当は未確定ですが、優待ポイントが付与される株主優待があります。また、キャピタルゲインに期待できます。
一方、ADワークスグループファンドの場合、キャピタルゲインはありませんが、配当(過去募集ファンドでは1.80%~2.00%)があります。
あなたの投資思想に適した方を選択しましょう。
その他、Fundsに関するトピックは、「融資型クラウドファンディング Funds(ファンズ)の資産運用ガイド」でまとめていますので、ご覧ください。
Fundsは、金融のプロが選定した企業の事業に1円から投資でき、想定利回り1.0%~6.0%の配当に期待できます。
まずは、Fundsで資産運用するメリットをチェック!
© Funds, Inc.