ご存知のように、ACCECLI(アセクリ)は、1万円と少額から不動産のプロが選定した物件に投資できるサービスです。
アセクリのサービスは、2019年10月に開始されました。
アセクリを含め、不動産クラウドファンディングのデメリットは、元本割れリスクがあることです。
「アセクリを検討中だけど、元本割れがコワいから躊躇している」という方もいるのではないでしょうか。
元本保証ではない投資において、どんなサービスでも元本割れリスクは生じます。
大切なのは、「どういう場合に元本割れする恐れがあるのか」を知ることです。
本記事では、アセクリのファンドが元本割れするケースを丁寧に解説します。
アセクリに対する不安を少し和らげていただけたら、幸いです。
更新履歴
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元本割れリスクに関わる、優先劣後出資方式とは?
アセクリは、元本割れリスクの低減のため、優先劣後出資方式を採用しています。
[出典:アセクリ]
簡単に言うと、ファンド出資時に、あなた(優先出資者)と運営会社等(劣後出資者)の両者からお金を集め、収益分配や元本償還に優先順位をつける仕組みです。
劣後出資者が売却損を先に負担することになるので、仮に物件の売却価格が想定価格を下回っても、優先出資は元本割れしにくいことになります。
つまり、劣後出資割合が高い方が元本割れしにくくなります。
優先劣後出資の割合は、各ファンドで異なります。
アセクリの過去ファンドでは、劣後出資割合は5%~33%で、中央値は10%でした。
ファンド名 | 優先出資割合 | 劣後出資割合 |
東京都品川区#37ファンド | 95% | 5% |
神奈川県藤沢市#36ファンド | 90% | 10% |
神奈川県川崎市#35ファンド | 95% | 5% |
東京都世田谷区#34ファンド | 95% | 5% |
千葉県船橋市#33ファンド | 95% | 5% |
千葉県柏市#32ファンド | 90% | 10% |
神奈川県相模原市#31ファンド | 95% | 5% |
東京都立川市#30ファンド | 90% | 10% |
神奈川県川崎市#29ファンド | 95% | 5% |
東京都国立市#28ファンド | 90% | 10% |
東京都八王子市#27ファンド | 90% | 10% |
東京都八王子市#26ファンド | 92% | 8% |
葛飾区東金町#25ファンド | 95% | 5% |
千葉県市川市#24ファンド | 95% | 5% |
神奈川県横須賀市#23ファンド | 95% | 5% |
東京都西東京市#22ファンド | 95% | 5% |
新宿区 区分OC#21ファンド | 92% | 8% |
神奈川県横浜市#20ファンド | 90% | 10% |
埼玉県桶川市#19ファンド | 90% | 10% |
足立区千住大橋事業用地#18ファンド | 90% | 10% |
埼玉県新座市#17ファンド | 90% | 10% |
埼玉県加須市#16ファンド | 90% | 10% |
横浜市神奈川区#15ファンド | 90% | 10% |
千葉県松戸市Ⅱ#14ファンド | 90% | 10% |
千葉県松戸市#13ファンド | 90% | 10% |
東京都国立市#12ファンド | 90% | 10% |
名古屋市熱田区#11ファンド | 85% | 15% |
千葉県市川市#10ファンド | 85% | 15% |
神奈川県川崎市#9ファンド | 85% | 15% |
神奈川県秦野市#8ファンド | 80% | 20% |
埼玉県三郷市#7ファンド | 90% | 10% |
千葉県我孫子市#6ファンド | 90% | 10% |
神奈川県横須賀#5ファンド | 90% | 10% |
板橋区上板橋#4ファンド | 90% | 10% |
埼玉県草加市 3号ファンド | 80% | 20% |
白金台 2号ファンド | 90% | 10% |
都庁前駅 1号ファンド | 78% | 33% |
最小値 | 78% | 5% |
最大値 | 95% | 33% |
中央値 | 90% | 10% |
平均値 | 90% | 10% |
優先劣後出資割合は、以下の方法で確認できます。
1.アセクリにアクセスし、該当ファンドを選択します。
2.「ファンド詳細」のスキームで優先出資額と劣後出資額が記載されているので、その割合を算出できます。
アセクリのファンドが元本割れするケース
どういう場合に元本割れするのか、ケースを見ていきましょう。
結論から言うと、物件が想定以上に安く売却された時、元本割れします。
「白金台2号ファンド」を例に、元本償還シミュレーションを作成しました。
このファンドの概要は次の通りです。
- 総出資額:4,000万円
- 募集金額:3,600万円
- 想定運用期間:6ヶ月
- 想定利回り:4.0%
- 優先・劣後割合:90%・10%
例①~③のケースで見ていきましょう。
例①は、運用終了時点で「物件を4,200万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の4,000万円を超えています。
あなたと運営会社側の出資分は、元本割れしません。売却で得られた利益は、出資者の利益になります。
例②は、運用終了時点で「物件を3,700万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の4,000万円を下回っています。損失が300万円です。
ここで、優先劣後出資方式のメリットが作用します。
損失は、劣後出資額(運営会社側)から補填されます。そのため、あなたの出資分は元本割れしません。
例③は、運用終了時点で「物件を3,400万円で売却」した場合です。
この場合、総出資額の4,000万円を下回っています。損失が600万円です。
ここでも、優先劣後出資方式が作用するため、損失は劣後出資額(運営会社側)から補填されます。
しかし、例②と違い、損失が劣後出資額の400万円を上回っています。
400万円-600万円=200万円分は、あなたの出資分にも影響があります。この場合に元本割れします。
計算上は、-200万円/3,600万円×100%=-5.55%に減ると推測できます。例えば、1口1万円投資していれば、9,445円戻ってきます。
簡単にまとめると、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
アセクリでは、元本割れしないように市場状況によって、早期売却・早期償還という戦略が取られる場合もあります。
その場合は、元本割れしくにくいですが、運用期間が想定より短くなるので、配当金が少なくなります。
まとめ
アセクリでは、劣後出資分(運営会社側)を超える損失が出ると、あなたの出資分は元本割れします。
あなたの元本割れリスクを低減させるため、優先・劣後出資方式が採用され、場合によっては早期売却・早期償還がされています。
これらのことを踏まえ、あなたが許容できるリスクか判断しましょう。
それぞれのファンドで、リスクとリターンが異なりますので、詳しくは公式ページをご確認ください。
その他、アセクリに関するトピックスは、「アセクリとは?始める前に必ず知って下さい!」でまとめていますので、ご覧ください。
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